こんなことが資金繰りの悪化を招くかもしれない3選

資金繰りの悪化を避けるための行動をとっていきましょう。


たまプラーザ駅の改札の中(ちなみにスタバはいつも混んでいます)。


事業はうまくいっているはずなのに


「決算書も黒字だし、試算表を確認すると今期もここまでは黒字になっている。」

「なのに資金繰りが苦しい。税理士の計算がおかしいんじゃないか。。。」

などというように「黒字で事業はうまくいっているはずなのに資金繰りが重たい。」といったこともあるものでしょう。

たしかに、企業の倒産理由としては「販売不振」が最も多いとされているので、

「黒字で販売も順調であれば倒産することはない。」といえるかもしれません。

ただ「黒字」だったとしても、資金繰りが行き詰まり「黒字倒産」になってしまうのも事業の難しさだといえるでしょう。

だからこそ、事業を営む際には「黒字なのか赤字なのか。」だけを意識するのではなく、資金繰りを考えていくべきだといえます。



こんなことが資金繰りの悪化を招くかもしれない3選


それではこんなことが資金繰りの悪化を招くかもしれないというものを3つほど挙げていきます。

売上代金の回収サイトなどを考えないと資金繰りの悪化を招く

「経営の最重要指標は売上高だ。」

「他社から市場シェアを奪い取ろう。」

というように事業を営んでいる場合には、売上高を増やすための策を時間をかけて練っていたりするものでしょう。

たしかに「お金を得る。」ことができる売上高は、経営上最も重要な数字だといえます。

とはいっても「売上高だけを追いすぎると資金繰りが目詰まりする。」ということも少なくないものでしょう。

たとえば、今月販売した商品の入金は「翌月末日に120日満期の手形として受け取る。」という取引だと「現金化されるまでには約5ヶ月もかかる。。。」となってしまいます。

この場合に赤字販売をしていなければ「今月の業績は黒字。」ということになりますが、

「次の仕入れ代金の工面や従業員の給が支払えない。。。」という事態も起こり得るといえます。

なので「販売後に入金されるまでの回収サイト。」や「仕入れ代金を支払うまでの支払いサイト。」には注意しながら資金繰りを考えるべきです。

そして「銀行と融資取引をして資金繰りの谷を埋める。」といったことも必要だといえます。

受取手形を銀行で割る(手形割引)、手形貸付や当座貸越などの形態で銀行融資を受けるといったことも考えていくべきです。

また、すべての会社を同じ締日にすることを避けるのも資金繰り安定に繋がるといえます。

  • A社は5日締めの翌5日払い
  • B社は10日締めの翌10日払い
  • C社は15日締めの翌15日払い
  • D社は20日締めの翌20日払い

などというように取引先ごとに締日と入金日を分けることで、

「明日になれば大口の入金があるけど、今日で資金繰り倒産してしまうかもしれない。。。」といったことを避けることができるものです。

「締日と入金日、支払日をコントロールする。」

といったことは、資金を淀みなく回すために必要な戦略だといえます。

赤字販売が資金繰りの悪化を招く

「売れば売れるほど黒字になるはずだから、多少の値引きは行なっていい。」

などというように「売上が増えれば資金繰りも楽になる。」と考えることもあるものでしょう。

たしかに、

売上金額 > 仕入金額

となっていれば「すべての回収が終わればお金は増える。」といえるものです。

とはいっても「気づかないうちに赤字販売をしてしまった。」ということにも注意をしなければなりません。

たとえば、売上金額100万円で売上原価80万円、粗利益20万円の商品を「売上を増やすために」と15%値引きで販売しても、

売上金額85万円 − 売上原価80万円 = 粗利益5万円

となるので「値引き販売しても赤字販売ではない。」といえるでしょう。

また「販売個数が増えて値引き前よりも粗利益の総額は増えた。」ということもあるかもしれません。

ただ、この際に販売個数を増やす策として、

「売上金額の10%を特別ボーナスとして支給する。」などと従業員の発破をかけた場合には、

売上金額85万円 − 売上原価80万円 − 特別ボーナス8.5万円 = 実質粗利益△3.5万円

というように赤字販売となり、資金繰りの悪化を招くこともあり得るといえます。

赤字販売をしているなかで、銀行員に「今期の売上高は増収だから。」などと説明しても、

「損益は赤字ですし、人件費が増えている理由は何ですか?」などと質問をされることもあったりするものでしょう。

その際に「この銀行員は売上増収の価値がわかっていないのか。。。」などと考えても、銀行員との会話は噛み合わないものです。

たとえ売上代金の回収サイトが伸びたとしても、銀行融資を受けることで資金繰りの谷を埋めることができるといえます。

ただ、赤字販売をしていると銀行融資を受けることすらも難しくなり、赤字を原因として資金は徐々に減っていくことになります。

だからこそ「赤字販売になっていないか。」というような「原価管理」も資金繰りには大切なことなのです。

その際には「売上を増やすため。」という政策で従業員の方に支払う特別ボーナスなども「原価」とみなして原価計算をすべきだといえます。

借入返済が資金繰りの悪化を招く

銀行から融資を受けられると、

「ひとまず落ち着けるぜ。。。」などというように、資金繰りの不安から解消されることもあるものでしょう。

そして、増えた預金残高を確認しながら次の一手を冷静に思案することもできるものかもしれません。

とはいっても、銀行融資などの借入金はいずれ返済をしなければならないものです。

「返済しなければならないもの。」なので、

「借りたときには収入にならず、返しているときには経費にならない。」という会計のルールになっているといえます。

だからこそ「借入れの返済は経費にならない。」ということを考慮して損益計算書を確認することが資金繰りには必要なのです。

たとえば「今期はこの半期まで1,000万円の黒字かぁ。」などと損益計算書を確認し微笑んでいたとしても、

「借入金の返済が1,500万円あった。」という場合には、

1,000万円の黒字 − 1,500万円の借入返済 = △500万円

※減価償却費はないものとする

などというように「損益計算書は黒字なのに資金繰りは500万円も赤字になっている。。。」ということも起こり得るのです。

このように「損益は黒字だけど資金繰りは赤字。」といったことは事業を営んでいると少なくないといえるかもしれません。

そのような事態を避けるためにも銀行から運転資金の融資を受ける際には、

「手形貸付や当座貸越の形態で融資を受ける。」といったことも資金繰りには必要だといえます。

もしかしたら「テガシ(手形貸付)で借りるのは貸し剥がしが怖い。」と感じる方もいるものかもしれません。

たしかに、かつては「えっ。この業績であの銀行は貸し剥がすのか。。。」というようなこともあったのが銀行融資取引の歴史だとはいえます。

なので、手形貸付などの短期継続融資を受ける際には、

「貸し剥がしをする可能性が低い信用金庫。」などに申し込みをすべきだといえるでしょう。

また「短期継続融資の折返しに失敗する。。。」ということがないように、

定期的(最低でも四半期ごと)にその信用金庫に業績報告をしてコミュニケーションを深めるべきだといえます。

「試算表もつくっていないし、資金繰り表なんてつくり方もわからない。」

「ましてや業績の報告なんて。。。」としていると、資金繰りの改善は訪れないといえるものです。


まとめ


資金繰りの悪化に対して予め対策を打つことが、事業者には求められているといえます。


【おわりに】

いま読んでいる本に、

「中華製のWeb監視カメラを使っていると時折勝手に動くことがある。」と書かれているんです。

事務所の監視カメラはTP-Linkですけど、そんなことは一度もないような。。。


【一日一新】

タナカ スモルトリボルバー

東京マルイ グロッグ18C

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