「片道切符の島流し。」ともいわれる銀行からの出向。
そんな銀行からの出向先としての要請を受け入れることについて書いていきます。
一定の年齢になると出向することがある銀行員
銀行に就職した際に驚いたことのひとつが、
「一生涯銀行に勤め続ける。」というひとが意外に少数派だったということです。
わたしのように数年で転職してしまうひともいますし、一定の年齢や役職を終えたら出向するというひともいました。
その出向には、エリート銀行員のように有名企業や他の金融機関などに一時的に出向し、
「戻ってくる際には役職が上がっている。」というような前向きな出向というのもあります。
それとは反対に早いと3年程度で、
「片道切符の島流し。」という出向もあり得るといえる銀行員(3年で出向というのは異例でしょうが見たことがあります)。
さらには、数年単位で出向先を変えている(後ろ向きな意味で)銀行員というものもいるものです。
そして、事業を営んでいると「銀行から出向先の要請を受ける。」ということもあるものでしょう。
銀行からの出向者を受け入れるということ3つ
それでは今回は融資先となっている会社が、
「銀行から出向先としての要請を受けることはどういうことか。」について挙げていきます。
出向者受け入れの要請をするのは基本的に業績のいい会社
事業を営んでいると銀行の支店長や役員との面談の場が設けられて、
「うちの銀行員の出向先となることを考えてくれないか。」というような要請を受けることがあるかもしれません。
そんなときには「なぜうちの会社が。。。」などと考えることもあるでしょう。
しかし、銀行が出向先として要請をする会社というのは、
「業績が安定しているいい会社。」だという評価をしているといえます。
なので「うちの会社を甘く見ないでくれ。。。」などと憤る必要はありません。
たしかに、なかには「業績改善のため。」という理由での出向者の要請というものもあるものです。
とはいっても、多くの場合に銀行は「その会社を評価しているので出向先として要請をする。」ことになります。
だからこそ「銀行から出向者の受け入れ先の会社として要請される。」というのは、じぶんの会社を誇っていいのです。
もし気乗りしないのであれば、この「出向先としての要請。」というものを断っても、それほど今後の融資取引には影響をしないといえます。
銀行の一部の部署は、
「日々出向先を探している。」ともいえるので、断ったとしても日常業務の一環だと考えるものです。
ただ「この銀行をメインバンクとしてこれからも取引をしたい。」
と考えているのであれば受け入れてみるのもありだといえるかもしれません。
融資は受けやすくなるけど他行の足は遠のく
「この会社には今後ともメインバンクとして融資取引の深耕を図っていきたい。」
ということを考えて、銀行は出向先の要請をしているといえます。
なので、出向者を受け入れていると「融資や預金取引に融通が利きやすい。」ということがあるものです。
銀行員の日常会話のひとつには、
「あの会社の〇〇さんは、うちのOBだから。」というものがされていたりします。
また、銀行の一担当者とすると「担当先に出向者がいるのは、仕事がしやすいもの。」と考えているものです。
様々な会社に訪問などを繰り返す銀行員というのは、精神的な負担というものも少なくないといえます。
そんなときに、OBやOGなどの「関係者」がいる会社は、
「暖かい対応をしてくれる。」
ということがあるので「その会社に入り浸れる。」ということもあるものなのです。
そして、そのような入り浸れる会社というのは、
「銀行員とのコミュニケーションが密になり、融資取引などにも融通が利きやすくなる」ものです。
それとは反対に「他の銀行の出向者がいる会社。」というのは、
「頻繁に訪問をしやすい会社か。」と聞かれればそうとはいえません。
そのような会社に訪問をすると、他行の出向者が「メインバンクはうちの銀行だからな。」という態度を取ることもあるものです。
すると「出向者を受け入れると、その銀行とは取引が密になりメインバンクとしての対応を受けられる。」といえますが、
「他の銀行との取引に多少の距離ができてしまう。」ということもあるといえます。
財務や経理などの力があるのかは、そのひと次第
「銀行員を出向者として受け入れる。」
ということを考える場合には「財務や経理に明るいひとがやってくる。」ということを考えるものでしょう。
とはいっても「出向者がどの程度仕事ができるひとか」というのは、その個人によって異なるものだといえます。
「支店長経験者を受け入れたら、その支店長の人脈や営業力で業績が拡大した。」ということもあるでしょうし、
「経理に詳しい人だと思っていたら、期待はずれだった。」ということもあるかもしれません。
このような「デキるひとかどうか」というのは、千差万別だといえます。
たしかに、元銀行員なので資金調達に関しては一定のレベルにあるものです。
ただ「このひとはうちの会社には合わないなぁ。」ということは起こり得るといえます。
もし、あまりにもじぶんの会社に合わないのであれば銀行に伝えて、出向者を変えてもらうということもできるものです。
「いい人かどうか。」
というのは「ある程度、運による。」というのは、出向者の受け入れの場合にもあるものだといえます。
なので「銀行員だから。」と思っていたら、それほどでもない人材だったということもあるといえるかもしれません。
まとめ
「銀行から出向先としての要請を受けた。」
という場合には検討をしてみるのはありだといえます。
ただ、その銀行に対して「メインバンクとして今後とも付き合いたい。」と考えられるかどうかということも頭に入れておきましょう。
少なくとも出向者を受け入れると「その銀行と他の銀行との間に温度差が生じる。」といえますから。
【おわりに】
銀行員だったときに、
「出向したOBやその後転籍したOBなどに優しくされたなぁ」と。
(出向したOBに嫌な対応をされたという話をチラホラ聞いたことも。。。)
【一日一新】
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