銀行融資対応でなぜ一行取引をやめるべきなのか3選

ある程度の年商になった際には「銀行融資を受ける銀行は一行だけ。」ということは避けていきましょう。


太陽は1個。


融資を受ける銀行を一行に絞るのは避けたほうがいい


「相見積もりを取って業者を競わせるようなことは好きではない。」

というような事業者の方も少なくないといえるかもしれません。

たしかに「相見積もりを取って同業他社と競わせる。」ということをしていると、

「その担当者に不義理を働いている。」というような感覚になることもあるものでしょう。

そのような方針から「同じ業界の取引先はひとつに絞る。」というような戦略で事業を行われる方もいるものかもしれません。

とはいっても、銀行融資の取引に関しては「ひとつの銀行だけから融資を受ける。」というような「一行取引」は避けるべきだといえます。



銀行融資対応でなぜ一行取引をやめるべきなのか


それでは「なぜ融資を受ける銀行を一行に絞るのをやめたほうがいいのか。」というものを挙げていきます。

金利などの貸出条件の競争が起きにくいから

「いまは空前の低金利時代。」

だともいえるので、銀行融資の金利というのも低い水準になっているといえます。

なので「銀行融資の取引をする際には以前ほど金利について考えなくてもいい。」ともいえるかもしれません。

たしかに「0.01%などの金利のみを重視して取引銀行をコロコロ変える。」というようなことをしていると、

「気がついたらどの銀行にも相手をされなくなっている。。。」ということもあったりするものです。

とはいっても、融資を受けている銀行をひとつにしていると、

「金利などの競争原理が働かず、結果的に高い金利での融資を受けてしまう。」ということが起こり得るといえます。

「この会社はうちの一行取引なんだから、もっと金利を取っていくように。。。」などといったことや、

「一行取引の会社なんだから、あの担保を追加で取るように。。。」

などというようなやり取りが、一行取引の会社に対しては銀行内部で行われていたりするものです。

そして「(一行取引の会社だからといって)ちょっとありえないくらいの高金利で融資を実行した。」というようなことも銀行員時代にはあったかもしれません。。。

銀行には「企業を支える。」というような使命感があるので、一行取引の会社であれば、

「最後までうちがメインバンクとして面倒を見なければならない。」というような行動を取るものだとはいえます。

それでも、一行取引しかしていない会社だと「銀行から足元を見られて不利な条件で融資を受けている。」ということも少なくないのです。

担当の銀行員に実力差があるものだから

「担当者によってその会社の印象が大きく変わる。」ということは、事業を行なっているとあったりするものでしょう。

そして、銀行員も担当者によってその実力は様々だといえます。

「決算書を確認しただけで、資金需要を瞬時に読み解き多面的な融資提案をしてくる。」という銀行員もいれば、

「融資課長などといった役席であるにも関わらず決算書を読むこともできない。」といったような銀行員も存在するものです。

また、銀行の支店というのは支店長の異動によっても融資姿勢が大幅に変わるものだといえます。

なので「この銀行は親身になって対応してくれているから裏切れない。」などと感じていたとしても、

「それは担当者や支店長などの力量が優れていただけ。」というようなこともないとはいえません。

このように「銀行」といっても「ひとによって変わってくる。」ということも少なくないものです。

だからこそ「ひとに対するリスク。」というものを分散させるためにも、複数の銀行と取引をした方がいいといえます。

「この担当はいまいちだなぁ。」

と感じた場合には「その担当者の間は最低限の取引にして、他の銀行との取引を深めていく。」ということも複数の銀行と取引をしていればできるものです。

これが「いまの担当はなんだか。。。」などということで、

慌てて新しい銀行を探していると「不利な条件での融資でも飲まざるを得ない。」ということも起きてしまいます。

「ひとのリスクに柔軟に対応できるようにしておく。」ということを実践するためにも複数の銀行と融資取引をしていきましょう。

支店の統廃合や銀行の統廃合に備えるため

銀行のビジネスモデルというのは「いまの時代にはマッチしていない。」という部分も少なくないといえるかもしれません。

そして、そのようなことは銀行自体も認識しているので「取引している銀行支店が統廃合されていく。」といったことや、

「そもそも取引していた銀行や信用金庫が統廃合されていく。」ということが増々進んでいくといえます。

日本の預金を取り扱う金融機関というのは、年々減っていっており1971年に1,163ほどあったものが2020年の時点では550となっています。

「今後の銀行業界はどうなっていくのか。」といえばおそらく銀行や信用金庫、そしてその支店はより減っていくといえるでしょう。 

なので「担当者も親身になってくれて支店も近かったのに、支店が統合されて担当の銀行員の訪問頻度も少なくなってしまった。。。」といったようなことは日常になっていくものだといえます。

それこそ「複数の銀行などから融資を受けるようにしていた。」などといっても、

金融機関の統合によって「気がついたら一行としか取引をしていなかった。」などという事態にもなってしまうかもしれません。

このような支店や銀行の統廃合などによって、

「銀行員とのコミュニケーションが希薄になってしまった。」ということを避けるためにも、複数の銀行と取引をすべきだといえます。

複数の銀行と取引をすることで「統廃合によって取引が希薄になるリスク。」にも対処できるといえるでしょう。


まとめ


少なくとも年商が1億円を超えているのであれば、一行取引は避けていきましょう。


【おわりに】

勤めていた支店の一部が統廃合されて「ブランチインブランチ。」になったりしているのを見ると、支店は減っているなぁと実感します。


【一日一新】

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