粉飾決算をしているのに銀行員が怒ってこないのはなぜ

「粉飾決算をしているのに銀行員が怒鳴り込んで来ないんだよね。。。」と考えたりもするかもしれません。


大きい会社にも小さい会社にも銀行員は怒鳴り込んだりしない。


粉飾決算という魔法


「売掛金を使って売上高を水増しする。」

「在庫を水増しして利益を増やす。」

「決算書を税務署用と別に銀行用のものを用意する。」などというような粉飾決算。

「実はこっそりやっているんだよね。。。」という場合もあったりするものでしょう。

「本当の売上高は50億円だけど500億円の決算書をつくって銀行から長年に渡って融資を受けていた。」という猛者もいたりするのかもしれません。

そして「粉飾して資金調達ができるなら、こんな魔法を使い続けたい。」とも考えてしまうでしょう。

粉飾をしても銀行員に怒られることがないんだから、やったもん勝ちなんじゃないかといったように。



怒っても意味がないから


銀行員時代には「お客様に怒られる。。。」ということを見聞きしたものですし、体験をしたこともあったといえるかもしれません。

引き継ぎに行った際に「おまえ全然来なかったんじゃないか。。。」と前任者への不満が爆発してモノが飛んできたことあったものです。

「こ、ここの社長めちゃくちゃ危ないひとじゃんか。。。」と慌てたものでした。

また、支店配属の初日に融資実行のトラブルで窓口で怒鳴り散らしていたひともいたといえます。

「暴漢にでも襲われているの。。。」とびっくりしたものです。

などというように、取引先からクレームを受けることは銀行員にもあったりするものです。

とはいっても「怖い。」といったイメージのある銀行員も、お客様に対して直接怒りまくるといったことは余程のことがない限りないといえます。

「粉飾決算をしているなんて刑事事件だからな!。」などと怒る銀行員は、ほとんどいないものでしょう。

支店内部の簡単なミーティングで、

「この会社は間違いなく粉飾をしている。。。銀行を舐めるなよ。。。」といった会話が繰り広げられることはあるといえます。

それでも「これからこの会社に乗り込んで教育的指導を。。。」とはならないのです。

なぜなら、怒っても意味がないからです。


融資姿勢の変更で対応していく


粉飾決算をしていることが確実だと判断した場合には、現在の融資金額や預金口座などの状況を洗い出していく銀行員。

「担保としてこれを押さえている。」といったことを精査していくのです。

そして「この会社には新規融資は実行してはならない。」といった方向性が決まり、金利の引き上げや融資条件の見直しが行われるともいえるでしょう。

「プロパー融資よりもこの協会付き融資のほうがお得です。」などと融資商品の変更なども促されるといえるかもしれません。

などというように「怒る。」というのではなく、銀行からの融資姿勢が変わっていくことが粉飾決算が発覚した場合の銀行員の対応だといえます。

試算表を要求するペースが早くなり、銀行員の方から訪問をするがなくなっていき、

「いままでは担当はひとりだったけど、役席を含めた複数人体制になった。」といったような対応で怒りを表していくのです。


まとめ


粉飾決算の兆候を銀行員が発見したからといっても、乗り込んで怒ってくるのは稀だといえます。

そのような対応をしてトラブルになり人事評価に傷が付くくらいなら、融資姿勢を変えて貸し倒れた場合のリスクを減らしていくのが銀行員だといえるのです。

なので「粉飾決算をしているのに銀行員に指摘されないし、怒られないよ。」といっても、銀行員が気がついていないということではないのです。

会社の資金調達の手段がなくなっていることに気がついていないだけだといえます。


【おわりに】

お客様の従業員の方が結婚されたことに嬉しくなったという1日だったりと。

10年ほど取引のあるお客様も少なくないので、親戚くらいな感じでお客様対応をしているという日常を過ごしていたりも。


【一日一新】

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