「借金が気持ち悪いし、決算書の見た目も悪いはずだし。」などと感じたとしても、決算前に借入金を返済するのはやめておきましょう。

借金と借入金はわけて考えるべき
「ばあちゃんに借金だけはするなと言われた。。。」
などというように、お金を借りる行為に対する拒否反応というものはあったりするものでしょう。
たしかに「借金」といったものは身を滅ぼすこともあったりするといえるかもしれません。
「パチンコや競馬などのギャンブルにハマって借金をする。。。」
「推し活をして借金をする。。。」
「違法薬物に手を出して借金をする。。。」などといったように。
このような借金は「浪費してしまったお金を補うために行なうもの。」といった意味もあるので、日常生活において避けたほうがいいものだといえます。
それこそ「身の丈にあった生活をすべきだ。。。」といえるものかもしれません。
とはいっても、このような「してはいけない借金」というのは個人の生活費に関するお話で、
事業を営む上での資金調達は「浪費してしまったお金を補う。」といった性格のものではなく「事業を存続するために必要な行為。」だと考えるべきでしょう。
「決算書の見栄えを良くするために借入金を減らしたい。」と考えても決算前に返済してはいけない理由
「お金を借りる。」といったことは、個人の生活にとってやらないほうがいい行為だともいえます。
とはいっても、事業の存続には資金調達は必要なもの。
このような「事業にとって必要な借入金。」を個人における借金と同じように捉えてしまって、
「決算書の見栄えを良くするために借入金を減らす。」などということを決算前に行なうのは避けるべきだといえます。
融資を引き上げられたと他行の銀行員が深読みするから
「銀行員が決算書を確認する際にはどこを真っ先に見るのか。。。」といったことは、ひとによって変わってくるということもあるといえるかもしれません。
なかには、決算書の勘定科目内訳明細書に記載されている「借入金の内訳をまず確認する。」といった銀行員もいたりするものです。
なぜ「借入金の内訳を気にするのか。」といえば、
「じぶんの銀行の融資シェアや他の銀行の融資シェアを気にかけているから。」だといえます。
このように「他行の動向。」というものを銀行員はかなり意識しているものだったりするのです。
それこそ「決算書の詳細な中身よりも融資シェアだけを意識して融資金額を決める。」
などということもあるほど、他行とのバランスを気にしているのが銀行員の心情だといえるかもしれません。
なので、決算前に借入金の返済を行った場合には他の銀行からすると、
「あの銀行の融資シェアが落ちているのは、融資を引き上げているのか。。。」
「何か事業や決算書に重大な問題があるんじゃないか。。。」などと深読みしてしまうこともあったりするものです。
すると「うちの銀行も今後は融資を引き上げていく方向で。。。」などというような対応を取ったりもするとも限りません。
銀行というのは「他行の動向を探りながら。」といった横並び意識があったりするものです。
そのようなことを意識せずに「借金が嫌だから。」と決算前に借入金の返済をしてしまうと、深読みした他の銀行からの融資が受けにくくなるといえます。
繰上げ返済は印象が悪いから
個人の生活において「借金を完済する。」ともなれば、親族からの称賛も得られたりするのかもしれません。
とはいっても、事業における「借入金」というのは完済することなく
「折をみて借換えをしていく。」というのが社長としての粋だともいえるものです。
そんな融資を実行している銀行にとって、
「絶対にやってほしくないことのひとつ。。。」というのが、繰り上げ返済だといえます。
銀行というのは「実行した融資は約束どおりに返済をしてほしい。」というスタンスで事業を営んでいるのです。
また、銀行における経営の重要指標のひとつには融資実行残高である「融資量。」といったものがあったりするものです。
そして、融資を担当する銀行員は「融資量」を伸ばすために日々営業活動を行なっているといえます。
だからこそ「融資量を減らす行為。」となる繰り上げ返済は銀行員にとって受けたくない行為だといえるのです。
それこそ、繰り上げ返済があった日には「その銀行内部の雰囲気が明らかに悪くなる。。。」ともいえます。
なので「借金は気持ち悪いし、借入金が減っている方が決算書の見栄えも良くなるでしょ。」と勘違いして繰り上げ返済を行なうと、
「繰り上げ返済を受けた銀行からはかなり悪い印象を持たれる。」といえるかもしれません。
「あの社長は繰り上げ返済を行なう不義理なひと。」という印象となると、次回以降の融資の釣り扱いを鈍くしたくなくなるのが銀行員の感情だといえます。
現預金が多い会社の方が銀行員は安心するから
「経営者は無借金経営を目指すべきだ。」などというように、事業においても借入金は悪であるといった考え方もあるものかもしれません。
だからか「いずれは無借金経営を行いたい。」といったことを目標にしている社長もいるものでしょう。
とはいっても、中小企業において「安定的な経営ができる。」という状態は現預金を豊富に持っている場合だといえるものです。
現預金に余裕があるからこそ無理な赤字受注を避けることができるでしょうし、社長の仕事が資金繰りだけとならなくてすむものです。
また、銀行員としても現預金があまりない会社よりも、
「多少現預金が余っているように感じられる会社。」のほうが融資を行いやすいといえます。
どうしてもいつも現預金がぎりぎりの残高しかない会社であると、
「これから新しく融資を実行しても、すぐにこの資金は消えてしまい返済可能性も低いかもしれない。。。」などと考えてしまうものです。
たしかに「社長のための決算書の読み方。」といったような書籍には、
「まずは自己資本比率〇〇%を目指そう。」などといったことが書いてあったりもするといえます。
そして、銀行借入を返済することで自己資本比率がアップするといえるかもしれません。
とはいっても、中小企業においては自己資本比率よりも「現預金をいくら持っているか。」といった現預金月商比率のような財務指標を重視すべきだといえます。
この現預金月商比率が高ければ高いほど、
「いきなり資金繰り倒産をする。」といった可能性は低くなりますし、銀行員からもより条件のいい融資提案を受けたりもするものです。
にもかかわらず、決算前に銀行借入を返済してしまうと現預金月商比率は下がり融資が受けにくい決算書になってしまうといえます。
まとめ
決算前に銀行借入を返済してしまうデメリットのほうが多いものです。
【おわりに】
数日前から壊れているNintendo Switch Lite。
何をやっても治らないので、諦めて新しいLiteか有機ELモデルを買おうかと思います。。。
【一日一新】
信州・安曇野りんごジュース