銀行員が苦手だと感じる決算書3選

銀行員が決算書を預かった際に「ふわぁっ。」と嫌悪感を覚える決算書を挙げていきます。


キレイな決算書をつくって飛び立とう@東武ワールドスクウェアの羽田空港。


銀行融資の重要資料となる決算書


「企業に融資をする際には、その事業の将来性に賭けて融資をするように。」

などという金融庁からの指導があったとしても、

銀行融資においては「まず過去の実績である決算書の内容を精査してから。」というように決算書の内容によって融資の審査が行われるといえます。

たしかに「決算書ばかり見てないで現場を見てうちの将来性を審査してよ。」などと感じる場面は、事業を営んでいるとあったりするものでしょう。

とはいっても「過去の実績と比較してそこから急上昇する企業は少ない。」といったことを銀行員は日々感じているものです。

だからこそ、銀行融資の重要資料となる決算書は、

銀行員に「この決算書じゃ。。。」などと感じられてしまう決算書のつくりかたは避けるべきだといえます。



銀行員が苦手だと感じる決算書3選


それでは、銀行員が苦手だと感じる決算書を3つほど挙げていきます。

当期純利益がちょい黒字の決算書

銀行員が融資の検討をする際には「決算書は黒字であって欲しい。。。」などと考えながら決算書を開いていくともいえます。

なぜかといえば「決算書が赤字。」となってしまうと、自己査定において本部とのひと悶着も覚悟しなければならないからです。

とはいっても「何としてでも黒字決算にしたかった。。。」と感じるような「ちょっとだけの黒字。」という決算書は苦手だといえます。

たとえば「営業利益は赤字だけど当期純利益は数万円の黒字。」といったことや、

「営業利益は黒字だけど営業外費用や特別損失で、数十万円のちょい黒字。」などといった場合には、

「これは本来は赤字だけど、決算書をいじって強引に黒字にしたんだろうなぁ。」といったことを考えるものです。

たしかに、赤字を繰り返して債務超過になっている決算書よりは、多少でも黒字決算のほうが一見した際の印象はいいでしょう。

ただ「ちょい黒字。」というような決算書を確認した際には、

貸借対照表(BS)を精査していくなかで数字を操作した形跡を銀行員は探っていくものです。

なので「赤字にしたくないと図ったような数万円などのちょい黒字。」の決算になった場合には、銀行員に対して決算報告をすべきだといえるでしょう。

「在庫をいじってちょい黒字。」

「売掛金をいじってちょい黒字」

「未払金をいじって。。。」などというテクニックは銀行員にばれているといえるといえますから。

勘定科目の多い決算書

「決算書の科目はなるべく細かく分けたほうがいい。」という流派と、

「決算書の科目はなるべくシンプルに少なくしたほうがいい。」という流派が世の中には存在するものだといえます。

それでも、銀行員からすると「見やすい。」と感じる決算書は、勘定科目がそれほど多くはない決算書だといえるでしょう。

たしかに「銀行員は決算書をよく見ない。」という流派からすると、

「現金、小口現金、当座預金、普通預金、定期預金、通知預金、定期積金。。。」

などというように「科目をより詳細に分けたほうが銀行員に伝わりやすい。」と考えるものかもしれません。

とはいっても、多くの銀行員が決算書を確認する際には、

「貸借対照表よりも勘定科目内訳明細書などの附属明細を見ている時間の方が長い。」といえます。

なので、銀行員とすると「現金及び預金。」というように、

「貸借対照表の同じ属性の科目は、まとめてシンプルに記載されているが全体をつかみやすい。」と感じるものです。

「現金及び預金はシンプルでいいけど、それじゃあ伝わらないでしょ。」と感じることもあるかもしれません。

ただ、銀行員は勘定科目内訳明細書などの資料を精査しているといえるので「勘定科目内訳明細書に詳細に記載すればいい。」といいのです。

すると「貸借対照表などの科目はなるべくまとめてシンプルにして、勘定科目内訳明細書にはかなり詳細に内容が記載されている。」

というのが銀行員からすると見やすい決算書になります。

また、粉飾決算の形跡を探す際には「勘定科目内訳明細書をベースに確認していく。」ので、

勘定科目内訳明細書を詳細に記載している決算書だと「うちは粉飾決算をしていない。」という自信の現れだとも銀行員は感じるものです。

役員貸付金、仮払金、投資有価証券、保険積立金など資金の社外流出が目立つ決算書

銀行が融資をする際には「資金使途」というように資金の使いみちを審査して融資を行うものだといえます。

そして、その資金の使いみちは、

「売上を増やしてさらなる利益体質となって欲しい。」というように、事業のために使うべきだと銀行員は考えているものです。

なので「事業には直接的には関係ない。」と感じるような資金の使いみちを銀行員は嫌がるといえます。

たとえば「社長への貸付金や仮払金。」などが決算書に記載されていると、

「事業のために融資した資金が社長のプライベートな支出に使われている。」と銀行員は考えるものです。

もし、社長への貸付金が前期よりも増えている場合には、

「新規の融資を実行する前に返済を求める。」といったことを銀行員が依頼する場合もあるものです。

また、投資有価証券や保険積立金などに事業資金を使っている場合にも銀行員はいい印象を持たないといえます。

「たしかに会社で株を買ったのは悪かったと思うけど、保険で運用するのは悪くないでしょ。」などと考えることもあるかもしれません。

ただ「保険で運用。」などという言葉には注意をすべきです。

保険は保険事故があった場合には「掛け金よりも遥かに多い保険金。」が得られるので、得られる利益は多いといえます。

とはいっても「外国為替が円安に動いているから外貨建保険で運用したんだよ。」などというような、

「保険で資金を増やす。」ということは、事業のやってはいけないことだといえます。

保険とは「運用しているつもりだったとしても、その運用で利益が出るには数十年単位での時間が必要になる。」ものだからです。

そして、急に資金が必要となった場合にその「運用していた保険。」を解約した際には「かなりの元本割れという損失。」を抱えるものです。

「保険で運用して簿外に資金を積み立てている。」

といっても「現在時点で解約した場合には大きな損失になる。」と腕のいい銀行員は評価するので、その簿外資産をプラスに評価することはないでしょう。

「使途不明金や事業とは直接関係ない投資。」に資金を社外流出した会社に対しては、

「この社長はまた資金を流用するかもしれない。」と銀行員は警戒し、新規の融資が受けられる可能性は低くなることもあるものです。


まとめ


銀行員が苦手に感じる決算書は、社長も同じように苦手に感じるような感覚を身に着けていくべきです。


【おわりに】

中小企業でもM&Aは身近になって来ている感覚は、税理士業をしていてもあったりします。

わたしのお客さまも事業譲渡を成功されたりして、それは嬉しいのですが、いままでのような関わりがなくなるのはちょっと寂しいなぁと。。。


【一日一新】

蕎麦屋 ふじやの胡麻つけ肉蕎麦

ミスタードナッツ さつまいもドスイートポテト

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