プロパー融資を受けられるなら、「わざわざ」信用保証協会付き融資を受ける必要はないでしょう。
信用保証協会付き融資には保証限度額があるから
銀行融資というのは、その「資金使途と決算書の業績」によって、融資を受けられる金額は変わってきます。
そして、プロパー融資の場合であれば「究極的には限度額もなく。」いくらでも融資を受けることができるといえます。
しかし、信用保証協会付き融資に関しては、保証限度額があり、その限度額は2億8千万円となっています。
そのうち無担保で借りられる保証限度額は8千万円(別途、別枠もある)です。
なので、信用保証協会付き融資には保証限度額があるため、その限度額は大事にとっておき、
プロパー融資を受けることが可能なら、
「基本はプロパー融資を受ける。」ということが、銀行融資を受ける際の正しいスタンスだといえます。
その銀行融資を受ける難易度としては、
となっており、プロパー融資のほうが信用保証協会付き融資よりも、かなり難易度は高くなってきます。
信用保証協会付き融資というのは、銀行員が融資稟議書を作成しているときに、
「本件は〇〇信用保証協会付き。」
と一筆を入れるだけで、稟議が通るといえるほど簡単なものだったりします。。。
それが、プロパー融資となると「なぜわざわざプロパー融資で実行しなければならないのか。」
といった「文章」を書かなければならず、この「文章作成」に手間取るものなのです。
そして、その文章をスムーズに書くために、信用保証協会付き融資よりも資料の提出を多く求められるといった特徴があります。
だからと「プロパー融資は、資料提出が多く求められるから面倒なんだよなぁ。」
ということを考えてはいけません。
信用保証協会付き融資は、保証限度額があるので、
「信用保証協会の枠はなるべく空けておく。」というのが資金繰りの正しい姿勢だといえます。
信用保証協会付き融資は実質的な金利が高いから
「信用保証協会付き融資のほうが金利は低いみたいだから、今回はプロパー融資はやめよう。」
と考える場面もあるでしょう。
たしかに場合によっては、
「プロパー融資よりも信用保証協会付き融資のほうが金利は低い。」ということもあるかもしれません。
新型コロナ関連融資などは、実質的には金利負担がゼロということになっているので、
「プロパー融資よりも、資金繰りが安定する。」
ということもあるものです。
そのような場合には「プロパー融資ではなく信用保証協会付き融資を受ける。」という選択肢にもなるものでしょう。
とはいっても、このような特別な場合を除けば、
信用保証協会付き融資のほうが金利の負担は重くなります。
信用保証協会付き融資は、
「銀行への金利の負担だけではなく、信用保証協会へも金利の支払い。」をしているという制度になります。
「信用保証協会付き融資は、額面通りに振り込まれない。」
と感覚では理解しているでしょうが、額面通りに振り込まれない理由は、
「信用保証協会への金利を一括で前払いをしている。」からです。
なので、信用保証協会付き融資は、
ということになるので「返済明細の金利だけ」で判断をしてしまうと、実質的な金利を見誤ってしまいます。
信用保証協会が発行する信用保証決定のお知らせ(保証書)に記載された、
「保証料総額という名の金利も負担している。」ので、
「結局は、プロパー融資よりも金利が割高だった。」ということになってしまうのです。
信用保証協会付き融資はいつでも借りられるから
銀行融資においては「プロパー融資のほうが信用保証協会付き融資よりも受ける難易度が高い。」ものです。
そして、普段プロパー融資を受けているのであれば、
「業績が悪化した際の切り札として、信用保証協会付き融資を受ける。」ようにすればいいのです。
「業績が悪化しているということは、そもそも銀行融資を受けることが難しいのでは。」
と思われる方もいることでしょう。
銀行というのは、融資の貸し倒れが起きるということを、なんとかして避けたいものなのです。
なので、プロパー融資を実行している融資先の業績が悪化した際に資金繰りに不安があるのであれば、
「保証限度額が余っている信用保証協会付き融資でつなぎ融資を行ない、業績改善まで支援をする。」
という姿勢になるといえます。
プロパー融資を受けている事業者は「いざとなったら信用保証協会付き融資で急場を凌ぐ。」
という手段があるので、
「信用保証協会付き融資は、最後の手段。」と奥の手として取っておきましょう。
プロパー融資に比べたら、信用保証協会付き融資は「いつでも受けられる。」といえるものですから。
まとめ
プロパー融資をメインに受けているのであれば、わざわざ信用保証協会付き融資を受ける必要はないものです。
「基本はプロパー融資。」
「奥の手として信用保証協会付き融資。」
という姿勢で資金繰りを行ない、目先の金利などには惑わされないようにしていきましょう。
【おわりに】
文字を紙に書く機会がほとんどありません。
学校でも文字を書くことよりも、PCなどでの文字入力を教えたほうが役立つよなぁと。
そんなことを娘にWordの使い方を教えていて感じました。。。
【一日一新】
あること