今期の決算は赤字になりそうかも。。。
そんなときは、事前に銀行に理由を伝えておいたほうがいいですよ。
赤字が悪いわけではない
銀行融資というのは、決算書が赤字のときよりも、黒字であるほうが融資を受けやすいものです。
そして、黒字である場合には「銀行もそれほど決算書を精査しなくて済む」ということがあり、融資の進捗もスムーズです。
しかし、赤字の場合だと、
「そっかぁ。赤字かぁ。」
「この案件どうしよ。面倒くさいなぁ。。。」
と銀行員も考えてしまいます。
「その赤字がどんな赤字なのか」を原因究明していかないと、融資を実行するという難易度が高くなってしまうもの。
銀行融資においては、決算が赤字であればあるほど、「銀行員としては聞きたいことが増えてくる。」ものです。
そんな赤字には、いい赤字と悪い赤字というものがあります。
しかし、その赤字がいい赤字なのか悪い赤字なのかは、経営者が銀行員に伝えていないと銀行員としても、
「この赤字はどっちの赤字なんだろう。」
と迷ってしまい、仮に「いい赤字」だったとしてもどう判断していいのかわかりません。
なので、銀行対応をスムーズにするためには、今期の決算書が赤字になりそうなときには、
「その赤字はどういう状態の赤字なのか」をあらかじめ銀行員に伝えることは大切なことです。
決算が赤字になりそうなときに事前に説明すべき3つの理由
何事も先に伝えれば言い訳ではなく説明になります。
いつまで赤字が続くか気になるから
銀行融資において銀行員として困ってしまうことのひとつが、2期以上連続して赤字になっている会社です。
2期以上連続赤字だと、自己査定の段階から審査部などに、
「ここ2期連続赤字じゃん。正常先で上げてくんなよ。」
みたいな厳しい言葉を投げかけられてしまいます。。。
銀行融資を行う際でも直近に融資案件がない会社でも、銀行員は自己査定ですべての会社を正常先にしておきたいものなのです(融資が出しやすいから)。
赤字は1期だけなら、銀行としても融資の際にそれほど問題にはしません。
しかし、連続して赤字の状態になってしまうと、
「この会社はどうやって黒字化するのか。」
ということを銀行員としても、社長以上に考えていかなければならないのです(稟議を通すために)。
だからこそ、今期の決算が赤字になりそうであれば、その「赤字が今期だけ」なのか「来期以降も赤字」が続くのかを事前に銀行員に説明したほうがいいのです。
赤字は今期だけなのか、今後も連続して赤字が続くのかということを事前に説明をしておけば、
「この社長は信頼できる。いずれ赤字の状態も解消できそうだ。」
と銀行員からの信頼も厚くなります。
赤字にはいい赤字があるから
今期の決算が赤字になりそうだったとしても、赤字にはいい赤字というものがあります。
「新規出店などの経費が嵩んで赤字になった。」
「売上は伸びているけど、さらに市場で競争優位性を保つために先行投資をした。」
というような、いわゆる先行投資をしたから赤字になったという赤字は、いい赤字です。
事業を成長させるためには、いつまでも同じことをし続けるわけにはいけません。
いまよりも成長をしようとするならば、先行投資が必要になるときもあります。
だからこそ、今回の赤字がいい赤字だと認識してもらうために銀行員に赤字の内容を説明すべきなのです。
いい赤字だと言っても、何の説明もしないと、
「減価償却費が増えてるな。」といったことや、
「人件費が売上の伸びよりも増えてるけど、どうしたんだろ。」
くらいに銀行員も思うだけになってしまいます。
「事業をさらに成長させるために、先行投資したから今期は赤字になりそうなんだ。」
と銀行員に説明する。
そうすることで銀行員も、
「今回の赤字は、事業計画に織り込み済みの赤字見込みであったなら、そこまで心配ないはず。」
と赤字の理由に納得ができ、いい赤字だという説明を上司にもしてくれます。
当然、いい赤字の場合でも計画通りに売上が伸びていかないと、「ムダな投資だった」として悪い赤字になってしまうこともありますから注意が必要です。
悪い赤字の場合に次の一手をどう打つのか気になるから
赤字には悪い赤字という場合もあります。
悪い赤字とは、いわゆる販売不振などによる一時的なものではない赤字のこと。
「売っている商品が市場のニーズから外れて、数字が落ち込んできた。」
「かけた経費が想定上に多すぎて赤字になってしまった。」
などのように、世の中が社長の頭にある計画通りにいってくれれば、赤字にならなかったのにということはあるものです。
このような計画通りに行かず赤字になってしまったという場合には、その赤字をどうやって解消するのかを銀行員に説明をすべきです。
「販売不振やそれにつながる経費過多の状態」だと、銀行員としては復活があるのかどうかは気になってくるもの。
悪い赤字というのは、その原因を解消しなければ今後も赤字を垂れ流してしまうので、慢性的なものになってしまいます。
もしいま陥っている赤字が悪い赤字であれば、業務改善に向けた事業計画書を作りその説明をすべきです。
悪い赤字を根本から克服するために、事業計画などの資料を使い説明をする。
それだけでも、「何の説明もない会社よりは、業務改善の兆しが見える。」と銀行員は考えるものです。
まとめ
事業を営んでいれば赤字になることはあります。
そのような業績のときに、大切なことはその赤字がどういう事情によるものなのかを事前に銀行員に説明をすることです。
銀行員というのは、常に社長の味方でいたいと考えています。
その味方になりたい人にきちんと味方してもらうためには、赤字になりそうならその背景を説明することは大切なことです。
いくら財務のプロでも、その数字の裏に隠されたストーリーの説明があった場合となかった場合とでは、その会社に対する認識は大きく変わってくるものです。
【おわりに】
コストコって行く機会はそれほど多くはないのですが、行くと楽しいです。
コストコのピザが好きなのですが、ゴーサインがでなかったので今回はやめておきました。。。
【一日一新】
一風堂 ひとくち餃子