利益。黒字。それは、その事業がうまくいっているかどうかの、ひとつの指標となるものです。
利益を出すことが大切
事業を始めたのであれば、それが本業でも副業でも、利益を出すことを考えなければなりません。
売上-経費で、利益にならなければ、その事業は長続きしないものになってしまいます。
儲からなくてもいいと、その事業を始めるのであれば、それは趣味になってしまうので、生活をしていくということは、難しいでしょう。
まずは利益を出さなければいけない。そして、利益が出ないのであれば、その事業が長く続かないということになるので、利益の構造を理解する必要があります。
利益を2倍にするためには、売上をどのくらいより多く上げる必要があるのでしょうか
では、売上が100億円で、利益が10億円出ている事業があるとして、その利益を20億円に増やすためには、売上をどの程度増やす必要があるのでしょうか。
売上100億円だから、利益が10億円ということは、経費は90億円かかっていることになります。
だから、売上200億円になれば、利益は20億円になるんじゃないか。
このように考えて、利益を2倍に増やすならば、売上を2倍に増やせばいいと、考えてしまうかもしれません。
しかしこれだと、答えは間違いになります。
これが、財務を学ぶ点で、むずかしく感じてしまう部分かもしれません。
利益が2倍になるんだから、売上も2倍にすればいい話だろう、と思ってしまいますよね。
財務に明るくなると、この質問では、質問の前提条件として、不十分なので答えが出ないことになるということが理解できます。
経費は、変動費と固定費に分けられる
経営上の数字は、売上を上げるための経費を、変動費と固定費に分ける必要があります。
変動費とは、売上を上げるために変動する経費になります。
たとえば、飲食業でいうと、材料などの商品の原価がこれに該当します。
固定費とは、家賃や人件費などで、売上が増えても、減っても変動しないと考えられる、経費のことをいいます。
この変動費と固定費が、経費の中でどちらに分けられるのかを分類することで、質問の答えが変わってきます。
具体的にひとつ例でみてみましょう。
売上100億円を上げるための経費が、変動費が30億円(粗利益率70%)、固定費が60億円の場合。
固定費というのは売上が変わっても、金額が変わらないということになります。
そうすると、売上-変動費となる粗利益金額が40億円に増えれば、利益が20億円になり、利益が2倍になるということになります。
この場合の計算式は、粗利益の増加金額、10億円/粗利益率(70%)= 約14億円
売上が14億円増えると、利益は2倍の20億円になるということになります。
売上が114億円、売上の増加率が14%で、利益は2倍になるのです。
粗利益率を把握することから始めよう
事業というのは、売上を伸ばすことを考えるとともに、粗利益率を意識して、舵取りをしなければなりません。
粗利益率が高ければ、売上の増加が低くて済みますし、その逆もしかりです。
また、固定費としては、いくらかかるのかを把握することも重要です。
利益を上げるには、粗利益率の把握と、固定費の金額を把握するという、財務の構造を意識することから始めましょう。
【おわりに】
この3連休は、お米を食べないようにしてみます。
【一日一新】
五味八珍