「銀行員は個人事業主の融資を嫌がる。」
などといったことはありませんが「苦手にしている場合もある。」ということを書いていきます。
担当先のほとんどは法人になるのが銀行員の日常
「数百社ある担当先を月に一度は訪問する。」
などという訪問件数のノルマを抱えているともいえる銀行員の営業現場での日常。
「そのうち個人事業主はどの程度の割合なのか。」といえば、ほとんどすべてが法人だといえます。
だからか、銀行員は個人事業主の対応をするのはそれほど慣れていないということもあったりするものです。
とはいっても、融資の流れというのは法人でも個人事業主の場合であっても大きく変わることはないといえます。
それでも「何となく不得意な感覚がある。」というのが、個人事業主の方への対応だといえるかもしれません。
ただ、個人事業主だったとしても資金調達の必要もあるものでしょう。
なので、個人事業主である場合には、
「銀行員は個人事業主の対応にそれほど慣れていない。」といったことを考えながら、銀行融資の対応を心がけるべきだといえます。
銀行員が個人事業主の融資に気乗りしないこともある理由3つ
それでは、銀行員が個人事業主の融資に気乗りしないこともあるという理由を3つほど挙げていきます。
決算書の精度があやしいから
銀行員が個人事業主の決算書(確定申告書)を確認する際には、
「その決算書を格付けする。」ということは行わなかったりするものです。
融資案件では、
といった流れがある中で個人事業主だと「格付け」を飛ばすことができるので、
「融資案件の取り扱い自体は法人と比べると手間がかからない。」といえます。
とはいっても「決算書の精度が法人以上に怪しい。」といった印象を持っているものです。
そして、なかには「これでどうやって生活をしているんですか。。。」というような内容の決算書も少なくないといえます。
他にも「怪しい」と感じる部分としては、
「経費のなかに生活費が紛れているんじゃないか。。。」
「税理士さんがつくったものではないから、そもそも一般に公正妥当と認められる経理手続きを得ていないのではないか。」
「手書きで、そもそも読みにくい。。。」
などというようなことを決算書を確認しながら考えているともいえるでしょう。
なので「融資の審査をするにはアテにならない資料。」だと考えていたりすることもあるものです。
すると「銀行員は個人事業主の決算書をそれほど信用することなく、機会的な対応をする。」ということになり「希望額の融資を実行しない」ということもあるといえます。
だからこそ「個人事業主だから。。。」
といった印象を銀行員に持たれないようにするためにも、生活費などを経費に入れるといったことは避けていくべきです。
また、個人事業主の決算書にはじぶんの給与が経費に計上されないので、
「じぶんの給与としては毎月〇〇円取っている。」といったことも伝えていくべきでしょう。
それほど大きな金額の融資とならないから
「銀行からできるだけ多く資金調達したい。」
といったことを銀行融資の申込みをする際には考えたりするものでしょう。
同じように銀行員というのも「せっかく融資稟議書を書くなら、なるべく多くの融資額で融資をしたい。」と考えていたりするものです。
ただ、個人事業主への融資というのはそれほど大きな金額にはなりにくいものだといえます。
たしかに「個人事業主」といっても、年商500万円の個人事業主もいれば年商で1億円近い個人事業主もいるものでしょう。
(もし年商が1億円前後であれば、法人成りを真剣に検討したほうがいいです。)
なので「個人事業主でも売上規模によっては、多くの金額の融資が受けられる。」ということもあるとはいえます。
とはいっても、個人事業主というのは法人と比べると売上規模が小さくなることが多いので、銀行が融資を実行できる金額は低くなりがちなのです。
そのような事情もあり「個人事業主に融資を実行しても、今月の目標金額の足しにもならないから取り扱わない。」と考える銀行員も存在するものだといえます。
日本政策金融公庫には敵わないから
「個人事業主が融資を受けるべき金融機関はどこか。」
といえば、日本政策金融公庫だといえるでしょう。
なぜなら日本政策金融公庫は、創業融資など民間の金融機関がそれほど得意としていない融資も得意としているからです。
また、個人事業主に銀行が融資をする場合には「信用保証協会を使った融資になる。」ということが大半だといえます。
すると金利などの条件は「日本政策金融公庫よりも悪くなる。」といえるでしょう。
だからなのか「この前の融資の申込みなのですが、コッキン(日本政策金融公庫)で受けられそうだから辞退したいんですけど。。。」という個人事業主の方もいたりするものです。
このようなこともあるので、
「結局、日本政策金融公庫に条件面では敵わないから個人事業主の対応は避けたい。」と考える銀行員もいるといえます。
「条件のいい方からだけ融資を受けて借金は少なくしておく。」と考えたくなる気持ちはわかります。
ただ「事業における資金繰りの谷はいつ来るかわからない。」といえるものです。
そして、個人事業主は機動的に融資が受けられるわけではないといえます。
だからこそ、民間の金融機関からも融資が受けられる機会があれば受けておくべきです。
民間の銀行などから融資を受けることで「日本政策金融公庫の融資枠が広がる。」ということもあったりするもの。
なので、民間の金融機関を日本政策金融公庫の当て馬にするということは避けていきましょう。
そのようなことをしていると「事業拡大時にその銀行から融資を受けることが難しくなる。」といえるものですから。
まとめ
個人事業主だったとしても、銀行員の事情を考慮して融資対応をしていきましょう。
【おわりに】
羽田空港の駐車場予約を試みているのですが、全然取れないという。。。
コロナ前でもわりとスムーズに予約できた印象はありますが、これがリベンジ消費の威力なのかなぁと。
【一日一新】
河野太郎さんの演説を観る