節税を意識し過ぎるほど銀行は経営者保証を外しづらくなる理由

「節税に命を懸ける。」などとしていると、銀行が経営者保証を外すのは難しくなるものです。


節税しての赤はまずいかも。


なるべく法人税を減らしたい気持ちはわかるけど


「決算日まで日があると気にならないけど、決算日が近づいてくると気になるもの。」といえば、

「法人税や消費税の支払い金額。」だといえるかもしれません。

「決算は赤字だから法人税は7万円で済みそうだけど消費税って半端ないよなぁ。。。」といったことや、

「法人税の支払いが多くなりそうだから、税金対策をしなければなぁ。。。」などといったことを考えるものでしょう。

たしかに「税収が増えれば増えるだけ財政規律が緩んでるよね。」といったことや、

「ホントに政府債務と日銀資産が統合できるんなら税金なんて取る必要ないっしょ。」などということを考えはじめると、

「税金の支払いなんてバカバカしい。。。」といったことも考えてしまうものかもしれません。

とはいっても「税金が支払えないほど業績が苦しい会社。」なのか

「あえて節税をして黒字を最小化させている会社。」なのかは、銀行員としては判断がしづらいものだといえます。



節税を意識し過ぎるほど、銀行は経営者保証を外しづらくなる理由


それでは「節税を意識し過ぎるほど銀行は経営者保証を外しづらくなる理由」といったものを挙げていきます。

銀行が融資先の評価を行う際には債務償還年数が要となるから

「銀行員は決算書の自己資本比率を気にしている。」

「銀行員は決算書の借入金の金額を気にしている。」

「銀行員は決算書の売上高を気にしている。」

などというように、銀行員が決算書を確認する際には複数のポイントを重視して財務分析をしているものです。

その際に「決算書で最も重視しているポイントはどこか。」といえば、債務償還年数だといえるものでしょう。

それこそ、日々行われるミーティングでは、

「その会社の債務償還年数は何年なんだ。。。」というやり取りが頻繁に行われるものです。

債務償還年数 = 借入金の残高 ÷ (税引き後当期純利益 + 減価償却費)

(債務償還年数の計算方法はいくつかのパターンがありますが、簡単にするとこうなる)

そんな債務償還年数は「10年以内に収まることで融資の可能性が広がる。」ものだといえます。

そして、債務償還年数の基準となるのはやはり「損益計算書が黒字かどうか。」ということだったりするものです。

なので「節税する前の利益であれば債務償還年数が10年以内に収まり、新規融資の実行に際して大きな問題はない。」というものだったのが、

節税によって利益金額が低くなることによって、

「債務償還年数が増えてしまい融資がしづらい会社。」となってしまうのが節税に走りすぎた弊害だといえます。

ましてや、銀行員にとっては「節税する前の状態。」などというのはわからないものです。

たしかに銀行融資としては、会社単体での債務償還年数が10年以内に収まらなくても、

「社長個人のキャッシュフローを加味して、法人・個人を合算で見れば債務償還年数が10年以内に収まる。」

という評価方法によって、新規融資が行われることもあるとはいえます。

それでも金融庁が「経営者保証に頼らず事業性評価をした融資を。」という号令を行なっているので、

「会社のみで債務償還年数の判定をしてくこと。」が今後のスタンダードになっていくと予想されるでしょう。

すると「税金対策のため。」などと利益を低くしたことによって、

「財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である。」という経営者保証ガイドラインに当てはまらず、

「この会社は事業性評価どころではない。。。」と経営者保証を外しづらい会社と銀行員は評価するといえるでしょう。

節税を意識しすぎると社長の個人的な支出が決算書に載るから

「法人税を節税するためには何をするのが効果的か。」といえば、

「将来に渡って売上に貢献しそうな投資に経費を使う。」ということが最も推奨できるものだといえます。

「来期に新規事業を興すから先行投資として今期中に従業員を増やす(人件費を増やす)。」

「新規出店を行い営業エリアを増やす。」

「仕事のスピードが爆速になるM2 MacBookを数台買う。」

などという経費の使い方であれば「税金の負担を減らしながらも来期以降の事業強化につながる。」といえるかもしれません。

とはいっても「節税」などという言葉に囚われすぎていると、

「新たな資金を支出しないで法人税の負担を減らす方法はないか。。。」というダークな考えから、

「社長個人の私的な支出を会社の経費とする。」などというようなことを行なってしまうものでしょう。

このような「節税手法(ホントは脱税)。」を行なうと、税務調査で指摘されるまでは法人税の負担が減り幸せな気持ちで過ごせるものかもしれません。

もしかしたら、税務調査に入られることなく永遠に幸せな気持ちで過ごせることもあるものかもしれません。

ただ、銀行が融資に際して経営者を外すためには、

「資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている。」ということが必要になるのです。

なので「このような私的な支出を会社の経費としている。」となると、

「お金のやりとりが明確に区分されず、銀行員は事業性評価も行えず、経営者保証を外すのも難しくなる」といえます。

「銀行員に私的な支出を会社の経費にしていることはバレないっしょ。。。」と考えるかもしれませんが、

「売上に対する経費の比率を同業他社と比較する。」ということを銀行員は簡単にできるのでバレてしまうものです。

正確な試算表が完成することはないので、銀行への定期的な業績報告ができなくなるから

「銀行員にとって印象が良くなる社長の特徴は。」といえば、

「こちらから依頼をすることなく、適宜(毎月や四半期)試算表や資金繰り表をベースに業績の報告をしてくれる社長。」だといえるものです。

それこそ、定期的に担当の銀行員へ業績報告を行なうことで、

「そろそろ、あの会社が業績報告に訪れるだろうから、次はわたしも同席するから連絡をくれ。」

などと、支店長などが同席して支店の中でも認知度が高まり融資が受けやすい基盤が醸成されていくといえます。

とはいっても「節税」を意識しすぎている会社であればあるほど、

「先月までの業績がコロコロ変わってしまう。。。」ものだといえるでしょう。

「先月までの利益だと法人税の支払いが増えてしまうから、このとっておきの領収書を経費に入れちまおう。。。」などというように。

すると「試算表などの業績がコロコロ変わってしまうので、銀行に業績報告なんてしていられない。」

ということになり「銀行員には期中に一切業績を見せない。」ということにもなってしまうものでしょう。

このように、節税を意識すればするほど正しい業績がわからなくなり、

「銀行員に試算表を公表するなんて以ての外。」ということで銀行員との関係も疎遠になっていくものです。

そして「金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている」

という状態にはならず「事業性評価は行えず、経営者保証を外すなんて無理だ。」と銀行員に考えられてしまうといえます。


まとめ


「節税と資金調達は相反するもの。」だといえるので、事業を強化するためには節税を意識しすぎないほうがいいのです。


【おわりに】

ドラゴンクエストXのオフライン版を始めてみたのですが、9みたいなグラフィックですよね。

それがマイナスというわけではなく、

「そういえばDSでやってたなぁ。」と思い出したという。。。


【一日一新】

ドラゴンクエストX オフライン

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