銀行は営業利益が赤字なら当期純利益が黒字でも「赤字決算」とみなすこともある

営業利益が赤字だと、当期純利益が黒字でも「赤字決算とみなす」こともあるのが銀行だといえます。


東急㈱の営業利益は黒字@東急田園都市線たまプラーザ駅の線路。


赤字決算だと銀行融資は受けづらくなる


「銀行融資を受けるつもりだから、今期の決算書はなんとか黒字にしておこう。」というように、

「銀行融資対策として決算書を無理やり黒字にする。。。」ということも、事業を営んでいるなかではあったりするものかもしれません。

「なぜ、銀行融資は黒字でなければ受けづらいのか。」といえば、

「赤字の状態だと融資をしても貸し倒れる懸念が高い。」と銀行が判断するからだといえます。

すると「だったら当期純利益だけをなんとか黒字にした決算書をつくるか。」と考えることもあるでしょう。

たしかに、銀行員が決算書を預かった際に確認する利益は、

「損益計算書の一番下にある税引き後当期純利益。」だといえるかもしれません。

だからか税引き後当期純利益が黒字の場合には、

「今期は黒字決算ですね。」などと銀行員から言われることもあるかもしれません。

とはいっても、銀行員が格付けなどの自己査定を行うなかでは「営業利益」をベースに決算書の内容を評価することになります。



営業利益が赤字だと当期純利益が黒字でも赤字決算とみなされる


「銀行融資を受けるためには決算書は黒字であるべき。」

といっても「決算書のどの部分が黒字なのか。」ということを、銀行員が決算書を確認する際に意識するものだといえます。

その決算書のなかでは「本業で黒字になっているのか。」というような意味合いがある「営業利益。」が重視されるのです。

それこそ「営業利益が慢性的に赤字になるのであれば、その事業から撤退したほうがいい。」というような意味も営業損益には込められているといえます。

そして「営業利益が赤字で経常利益や当期純利益が黒字。」というような決算書は、

「ホントはすべて赤字となるところを操作して黒字にしたんだろうなぁ。。。」と銀行員は考えるものだったりします。

このように「営業利益が赤字」というのは、銀行員からすると「赤字決算」とみなされていることも少なくないものです。

なので「営業利益が赤字」の場合には、たとえ当期純利益が黒字だったとしても「赤字決算」などとみなされて、それほど高い銀行評価にはならないといえます。

するとこう考えるものでしょう。

「だったら営業利益が黒字の決算書をつくっておくか。。。」と。


営業利益を無理やり黒字にした決算書は銀行員にばれている


「営業利益が重要な財務指標なら営業利益を黒字に操作すればいいんだ。。。」などと考えることもあるかもしれません。

ただ、決算書を見慣れている銀行員からすると、

「この営業利益は。。。」と違和感を持たれて、銀行融資が受けられる可能性がさらに少なくなることもあるといえます。

売掛金や在庫が増えて営業利益の黒字

「営業利益は黒字だけど、売掛金や棚卸資産が前期までと比べて多い。。。」

などという場合には「赤字決算」として銀行員が判断をする場合も少なくないといえます。

銀行員というのは決算書を確認する際には、

「この会社の場合には、どこに操作がされているんだろう。。。」というように、粉飾の形跡を気にしながら決算書を確認していくことになります。

そして「売掛金や棚卸資産の回転期間や回転率。」というものは、わりと簡単に確認できるようになっています。

その回転期間や回転率などが「いままでの決算書よりもやけに伸びている。。。」などということが判明すると、

「営業利益を黒字にするために売掛金や棚卸資産を使って操作をしたんだなぁ。」という印象を銀行員は持ってしまうものです。

たしかに、架空の売上をつくれば営業利益は黒字化しやすいでしょう。

また、棚卸資産を実際よりも多く計上することで、売上原価が実際よりも少なくなるので黒字化も行いやすいでしょう。

とはいってもこのような「売掛金や棚卸資産を使った決算書の操作。」というのは、

「銀行員が決算書を確認する際のイロハ。」としてほとんどの銀行員にばれているといえます。

あるべき未払費用や未払金がなくなり営業利益の黒字

銀行員が決算書の確認をしていく際に、

「1期分だけの決算書しか確認しない。。。」ということは、ほとんどないものです。

基本的には2期から3期分の決算書を並べて精査していくものだといえます。

そして「前期までは未払費用や未払金が載っていたはずだけど、今期は記載されていない。。。」ということを確認した際にも、営業利益の根拠を疑うことになります。

「銀行評価を下げるわけにもいかない。」

「だから、今期は赤字になりそうな営業利益を黒字にするために、未払いの計上を一部取りやめよう。。。」

という方針から「未払費用や未払金を使わないで営業利益を黒字にする。」という決算を組むこともあるものでしょう。

たしかに「会計のルールとして計上しなければならない経費。」を計上しなければ、経費が少なくなり営業利益の黒字を作りやすくはなるものです。

とはいっても、銀行員は「今期の決算書だけ未払費用や未払金が計上されていない。」ということに気がつくものだといえます。

そのようなことが判明すると、

「前期以前の決算書の未払費用や未払金の金額を根拠として、経費に加えてみる。」などとして、改めて損益計算書をつくり直すということを銀行員は行うものです。

なので、このような「本来あるべき科目がなく営業利益が黒字になっている」という場合には、

銀行員にばれていて銀行内部では赤字決算と判断されていることもあるといえます。


まとめ


営業利益が赤字になりそうなのであれば、

その理由と翌期以降の動向を銀行員に丁寧に説明することを選択して、粉飾決算には手を染めないようにしましょう。


【おわりに】

「アーセナル対マンチェスター・ユナイテッドの試合を前半だけ。。。」

と日曜日の24時半からの試合を観ていたら、試合内容が面白すぎて全部観てしまい身体に悪いなぁと。。。


【一日一新】

あること

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