税金が嫌いな決算書は不幸になるからやめるべき理由

事業を営んでいると、できるだけ支出を減らしたいと考えますよね。

だからといって、税金を減らすことだけを考えていると不幸な決算書になるからやめましょう。


この時期はどこを見ても春を感じます。


税金を支払いたくないから決算書を赤字にする不幸


決算を迎えると、必ず支払わなければならないのが法人税などの税金ですよね。

「税金なんて、なるべく払いたくないんだよ。」

「だから、節税保険に入る。」

「この支出も事業にはホントは関係ないけど、税金を減らすために経費に入れちゃえ。」

と考える社長は、世の中にはいるものです。

法人税などの税金の支払いを抑えたい。それこそ支払いたくない。

たしかに、事業を営んでいると税金の負担感というものはありますし、税金を支払いすぎる必要はないといえるでしょう。

ただ、「税金は支払いたくない。」

という気持ちが強すぎると、「決算書の利益を本来の金額よりも少なくする。」

もしくは、「無理やり赤字にする」ということをしてしまうかもしれません。

税金を支払いたくないのであれば、

経費 > 売上

といったように、経費の金額が売上よりも多くなれば赤字となり、法人税の支払いはほとんどなくなるもの。

なので、「法人税なんて支払いたくない」という目的を達成するには、決算書を赤字にすればいいのです。

とはいっても、赤字の決算書は「事業がうまくいっていない」ということを、宣言していることになります。



税金を払わない赤字決算書だから銀行融資を受けられない不幸


法人税などの税金を支払わなくてすんだ赤字の決算書。

税金の支払いをしたくない社長とすると、「法人税という支出が減ったので、問題解決」と考えるでしょう。

しかし、決算書とは、法人税などを支払うためだけに作成するものではありません。

決算書は作成したあとに、次の決算まで1年間に渡って社会的な評価を受ける重要な資料だといえます。

たとえば、銀行は決算書を融資の審査の際に一番重視します。

その銀行融資の際に審査のポイントとなるひとつが、返済原資といわれるものです。

返済原資は、

返済原資 = 税引き後当期純利益 + 減価償却費

と計算されるもの。

なので、税引き後当期純利益がマイナスとなっている赤字の決算書だと、返済原資がない決算書になっていると判断されます。

返済原資がない決算書だと銀行融資を受ける難易度が高くなってしまいます。

「毎期、税金を支払っていないから、うちの会社には資金はどんどん貯まっているぜ。」

と思っていても、税金を支払っていない赤字の決算書というのは、

「事業が赤字で資金も減り、経営がうまくいっていない。」と銀行に判断されるもの。

税金の支払いだけを考えて赤字決算にしていると、

「銀行融資が受けられず加速度的に資金が減っていく。」という不幸が、必ず訪れることになります。


ムダな支出が増える不幸


事業を営んでいると、税金などの支払いは、「無ければないでありがたいもの。」ですよね。

とはいっても、税金の支払いを少なくするためには、経費としてお金を使わなければなりません。

法人税の税率が30%だとすると、300万円の法人税を「節税する」ためには、1,000万円もの経費の支払いが必要になります。

1,000万円 × 法人税率30% = 300万円

「300万円の支払いを減らすために、1,000万円の支払いをする。」

このようなこと繰り返していると、事業は強くなりません。

税金を減らすためには、余計な支出を増やさなければ税金は減りません。

事業とは売上を上げながら、ムダな支出を減らしていくことで、事業を強くしていくものです。

たまたま、「1,000万円の経費が必要」であれば、1,000万円を使い300万円の税金の支払いを減らすということは適切な選択だといえます。

しかし、税金を減らすために「特に必要ではないけどコンサルが勧めてきた商材を買ってしまった。」

といったようなムダな支出であれば、素直に税金を支払ったほうがお金は残り、お金を借りられる決算書になります。

税金の支払いばかり考えていると、必ずムダな支出が増えるという不幸が訪れます。


まとめ


税金が嫌いだから、「いつも赤字決算。」ということであれば、銀行融資を受けることは難しいものです。

「じぶんは資産家だから、赤字でも銀行は融資してくれるし、法人税が嫌いだから赤字決算でもいい。」

といったような人であれば、赤字決算でもいいのでしょう。

しかし、本気で事業を営んでいるのであれば、

「今期は、新規出店などで設備投資が続いたので税金を支払わない赤字決算書でいく。」

「今期は、来期に銀行融資を考えているから黒字決算にして法人税を支払う。」

といった判断が必要だといえます。

決算書はつくって終わりではなく、次の決算が来るまでの1年もの間、銀行にとっては融資の際に最重要資料となります。

「いまが良ければ」と考えていると次の一年間、おもってもいなかった不幸が訪れることがありますよ。


【おわりに】

M1チップのMacにもParallels Desktopがとうとう搭載されましたね。

これで次期Macが楽しみになってきました。


【一日一新】

一風堂 野菜白丸

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