「目標の売上に向かって邁進していく。」
といったように、目標があったほうが行動に移しやすいですよね。
でも、売上だけを追いすぎていると「思わぬ落とし穴」もあるから気をつけてみましょう。
売上が大きいということに惹かれる気持ちはわかる
わたしは売上高よりも、「時間や好きになれるかどうか」ということを重視して経営をしています。
とはいっても、
「去年の売上が2兆円だった。」
「オジー・オズボーンの顧問税理士をしている。」
などといった話を聞くと、
「やっぱり売上は3京円くらいまで、目指していくべきかなぁ。。。」
といったことや、
「アイアン・メイデンの顧問税理士とかやってみたいなぁ。。。」
といったように心が揺らぐことはあります。
たしかに、売上が高いといったことや超絶有名人と取引している、といったことを羨ましくおもうことはあります。
ただ、経営の最重要指標が売上だけといったことになってしまうと、色々な落とし穴があるものです。
売上だけを追いすぎるとこんな落とし穴もある3選
それでは、売上だけを追いすぎるとこんな落とし穴もあるという3選を挙げてみます。
売上代金の回収不能
「新規開拓をして、売上を取ってきたゼ。」
というのは、営業をしていると誇らしい気持ちになりますし、社内の雰囲気も上がりますよね。
「お金を生むことになる売上は、経営上重要なもの。」
とはいっても、売上は売上代金を回収して初めて経営に貢献したことになるものです。
その売上代金が回収できないとなると、貢献していないどころか、売上原価分などを損しています。
たとえば、売上原価が60%の商品を100万円で売った場合の粗利益は、
となり、40万円が儲かったことになります。
しかしこれが、売上代金が回収できないこととなってしまうと、
ということになってしまい、売って儲かったはずなのに損をしてしまい、お金がなくなるということになります。
売上代金が回収できないところに売ってしまったのであれば、そもそも、
「売らないほうがよかった。」
ということになります。
それどころか、損失となった60万円を回収するために、余計に売上なければなりません。
60万円の損失を取り戻すためには、
と、余計に150万円を売り上げることによって、やっと当初の損失60万円を取り返すことができます。
売上だけを追うという売上至上主義に陥ってしまうと、ムリして売ることも増えてくることでしょう。
そのムリして売った先が、倒産をしたり、難癖をつけられて売上代金を支払ってくれない先だったら、
「売らなかったほうが、よっぽど儲かった。」
といえます。
そうならないために売上という数字が低くなっても、
「売上代金を絶対に回収できそうなところにしか売ってはいけない。」
というようなルールを決めておきましょう。
ムダな投資
売上だけを追いすぎると、ムダな投資というものも増えてきます。
「売上が増えるだろうから、人を雇おう。」
「もっと見栄えのいいオフィスに移転しよう。」
「売上が上がるんだから、保険で節税。。。」
などといったように、本当に必要だといえないものに対しても、「とりあえず」でお金を使っていくということが増えていくことになります。
「いやいや、きちんと事業計画を立てているから。」
といっても、売上だけを追うということをしているときは、気づかない間に気が大きくなっているものです。
「こんな投資をしているなんて、イケてる経営者だぜ。」
ということは、だれもおもいません。
会社の体外的な評価とは、売上高ではなく、決算書の利益がどれだけ積み上がっているかということですから。
赤字受注
「とにかく売上が欲しいんだ。」
となってしまうと、「赤字受注」をしてしまっている、ということもあります。
赤字受注とは、売上原価をよく計算してみると、
というように、売り上げたのに赤字だったということになります。
赤字受注でも、損益計算書の売上は増えます。
ただ、それだけです。
見かけ上の売上は増えても、赤字なのでお金はどんどん減っていくことになります。
「売上を追いすぎたために、気が付かない間に赤字受注となっていてお金が減っていく。」
という赤字受注を避けるためには、経理を行うということです。
経理はお金を生むことはないかも知れませんが、お金を失うことを防いでくれます。
まとめ
売上だけを追いすぎると、思ってもみなかった落とし穴に落ちてしまうこともあります。
「経営の根幹は、お金」です。
だからといって、そのお金を手に入れるために、「売上だけ」を追いすぎることはやめましょう。
「お金を手に入れる、お金を失わない。」
という方法は、売上を上げることだけではありませんから。
【おわりに】
公示地価が6年ぶりに減少というニュース。
土地価額に関して毎年おもうことがあるんですが、「土地総額=GDPが世界の常識」という話しはどこにいっちゃったんですかね。
日本の土地は、欧米諸国と比べると3倍も高いといったことを以前はよく聞きました。
土地がいまより、1/3の価額だったら家を買うかな。。。
【一日一新】
あるチョコ