起業して独立すると、売上が収入の根幹になります。
当然ですが、1番の収入源の売上金額よりもお金を使いすぎるのは危険なことです。
社長になったからといって偉くなったわけではない
起業するとじぶん自身は、いままでと何も変わっていないはずなのに、周りの評価が変わったような気がして、偉くなったような感覚に陥ることがあります。
「先生にぜひよろしくお願いしたい。」
「これは経営者しか投資できない取っておきの商品です。」
こんなことを言われ続けていると、「やっぱり偉くなったのかなぁ。」
と勘違いをしてしまいます。
その気持は良く分かります。
たとえば、税理士として独立すると、「先生と言われ、書類には先生と書かれているもの。」です(正直この文化が気持ちわるいです)。
だからといって独立する前と、後では急激に何かが変わったということは本来はないはずです。
それでも、周りから「ちやほや」されているうちに勘違いをしてしまう、ということがあるのでしょう。
「おれは税理士だから偉いんだ。」
という勘違いを。。。
事業が潰れてしまう1番の要因は、「お金がなくなったからです。」
このお金がなくなってしまう原因のひとつは、経営者の慢心という部分も大きな要因になります。
お金がなくなるから潰れるというのは、いまのお金を管理できていなかったからです。
売上高以上の支出をしていると、事業は長続きしないので気をつけましょう。
売上高以上のお金を使い続けるのは危険なポイント3選
売上高以上のお金を使い続けると確実に、その事業は行き詰まります。
それでは、その理由をみていきましょう。
売上高が1番の収入源だから
事業を始めると、勤めていたときよりも入金される金額が増えるので、お金持ちになったような感覚になることがあるかもしれません。
しかし、その入金されたお金は、「勤めていたときのような、手取り金額ではありません。」
給与は、税金や社会保険が天引きされて入ってくるので、それ以外の支出はもうなく、手取り金額は自由に使えるお金です。
サラリーマンは手取り金額が入金されますが、事業を行っているうえでの入金というのは、手取り前の売上高です。
売上高は、入金されたあとにも、人件費の支払い、家賃の支払いなど数々の支払いをする前の金額です。
すると、「やったぜ、大きな金額が入金された。」
と思っても、そこからいくつもの支払いをしていかなければならないのです。
それを売上よりも多くの金額を、経費として使ってしまうとお金は足りなくなってしまいます。
「経営水準がこの程度だから、これだけ使う。」
と考えて、いま現在の売上を見ずに、「事業計画の将来見込み売上を達成した」とみなしてお金を使い続けていると、
「お金が足りない。」ので潰れてしまいます。
事業を営んでいる方で、いま現在の売上を直視しない経営者の方というのが一定数いると感じます。
「本来はこのくらいの売上になるから。」
「まだ、やれることをやれてないけど、それができたら、売上は上がるから。」
と現状の売上という、実績を見ずに売上高以上のお金を使ってしまう。
この姿勢は改めましょう。
事業はすべては、結果です。
いまの売上高は、現実なのです。
この現実に向き合わなければ、「使っていい金額」がわからなくなってしまい、使いすぎてしまうということが起きてしまいます。
借入をしても返済しなければならないから
「事業展開において必要な設備投資があるから、銀行融資を受ける。」
「売上が今後伸びていきそうだから、増加運転資金として銀行融資を受ける。」
このような場合には、月の売上よりも大きな金額を使うことがあるでしょう。
しかし、銀行に貸してもらったお金は当然、返さなければならないお金です。
返さなければならないお金だったとしても、実際に預金口座の残高があると、気が大きくなり無計画に使ってしまう気持ちになるのはわかります。
無計画にお金を使わないためには、預金残高と借入残高、そしてその差額の実質的にいくらあるのかもグラフにして確認しておくべきです。
このグラフだと、9期の預金残高と借入残高の差額である実質的な借入金額は、約3,600万円。
とはいっても、預金残高が約4,500万円あるとしても、借入残高は約8,100万円あるので、使いすぎると経営危機に陥ることもあります。
当然、お金が少なく資金繰りがギリギリの状態よりは、銀行融資を受けてお金を持つ方が経営の安全性は高まります。
しかし、そのお金を無計画に使いすぎると預金残高がなくなり約8,100万円の実質的な借入金額になってしまいます。
「潰れないためには、借入をしてでもお金を多く持つ。」
だからといって、売上高以上にお金を使ってしまうと、返さなければならない借入金額が増え資金繰りが行き詰まってしまいます。
赤字だから
売上高よりもお金を使いすぎているというのは、簡単にいうと赤字の状態です。
損益計算書も赤字。
キャッシュフロー計算書のフリーキャッシュフローも赤字になっている。
この状態は、つまるところ売上高よりもお金を使いすぎているから起きていることになります。
銀行融資を資金繰りの安定化を図るために受けるべきだとしても、赤字だと銀行員の貸出稟議書も書き方が難しくなってしまいます。
業績が赤字というのは、お金を使いすぎているということ。
赤字の状態が長く続くと、結局はお金がなくなり、Xデーに刻一刻と迫っていることになります。
赤字でも潰れませんが、赤字だとお金を使いすぎているということになり、銀行融資も難しいものになります。
結局は、赤字というのはお金を使いすぎているということなので、その状態が続くと「お金もなくなったから倒産」という状態になってしまいます。
事業計画書の売上高ではなく、いまの売上高と向かい合うべき
事業計画は立てるべきですし、目標にどれだけ向かっているのかを意識することは大切なことです。
だからといって、事業計画書を眺めてばかりいて、現状を正しく認識ないのは危険なことです
売上高というのは、事業計画書に載っている金額が正しいのではなく、いま出てきた金額が正しいのです。
現状を、正しい実績と捉えていまの売上を見つめる。
その上で、お金をどう使うかを考えていくことは大切なことです。
【おわりに】
嘘の確定申告をして、持続化給付金をだまし取った疑いで沖縄の税理士が逮捕。。。
税理士事務所のHPをみると顔も載っていますね。
なんでこんなこんなことをしちゃったんだろう。
気をつけよ。。。
それにしてもネクタイ。。。
【一日一新】
カップヌードル あっさりおいしいシーフード