決算書の中身をたった一箇所しか見る時間しかれなければ、どの部分だけを見るのがいいのでしょうか。
時間がないなかで、決算書はどこを確認するのがいいのか
よほどのことがない限り、決算書を確認するときに一箇所しか確認できないということはないですよね。
でも、そのようなときが訪れたときには、どの部分を確認するのがいいのでしょうか。
実際に銀行員などは、時間がなくて決算書をじっくりみていられないというときがあります。
その際でも、じぶんの意見を持ってその決算書の判断を求められるということがあるので、判断しなければなりません。
では、たった一箇所しか確認できない時間しかない場合には、どの部分を確認していくのかいいのでしょうか。
もし一箇所しか確認できないのであれば繰越利益剰余金を確認する
もし、たった一箇所しか決算書を確認できないという制約があるとき。
そのようなときは、貸借対照表にある繰越利益剰余金を確認するのが一番になります。
この上にあげた決算書だと利益剰余金がそれに当たります。
こちらは、トヨタ自動車株式会社の連結財務諸表の一部です。
利益剰余金の金額は20年3月末時点の利益剰余金額で、百万円単位の数字になるので、約23兆円あります。
下の数字は、株式会社 倉元製作所の財務諸表の一部です。
こちらは千円単位の金額になるので、約14億円のマイナスになります。
財務諸表ではよく、△はマイナスを意味します。
繰越利益剰余金というものは、会社設立時から現在までに蓄積した利益の累計額といえるものです。
損益計算書における利益とは、その一期分だけの利益になりますが、貸借対照表に載っている繰越利益剰余金の金額ははそれを長年の間、積み上げた金額となります。
たとえば、繰越利益剰余金が、マイナスだと会社設立時からの累計した損益がマイナスの可能性が高いという判断ができます。
反対に繰越利益剰余金がプラスの場合だと、会社設立時から累計した損益が黒字の可能性が高いということになります。
そうすると、一箇所しか見れない場合だと、ここを確認して「その会社がどのような歴史を歩んできたか」を推測することが、もし時間が本当にない場合でも可能となります。
繰越利益剰余金の一箇所だけしか見ていなくても、予測は大はずれしない
実際には、一箇所しか決算書を確認できないということは少ないですよね。
しかし、決算書は見慣れていくとその一箇所の推測でも大はずれすることは少なくなります。
先ほどの株式会社 倉元製作所の四季報を見てみると、
やはりといいますか、損益計算書の損益は赤字になっています。
売上高も減少傾向にあり、心配な状態です。
このようにたった一箇所しか確認する時間がないようなときでも、繰越利益剰余金を確認しその会社の業績を推測できるほど、財務分析は簡単なもの。
また、決算書を読めるほとんどの人は、確認時間が1分だけでとなったらそれでも、その会社の業績の全ての情報を理解できるほどです。
ひとつの例として、貸借対照表の総資産額を確認しながら、
「繰越利益剰余金→借入金→現預金→売上債権→売上→営業利益→当期利益というような順番で。」
さっと確認する。
その後に、気になる詳細を確認していくという流れになっていくとおもいます。
決算書は、中小企業のものならば、より短い時間でさらっと確認するだけでもその会社の業績が確認できるものです。
逆にそのような部分に違和感があれば、より深くその決算書の荒を探したくなってしまうかもしれません。
決算書分析は、そんなに難しく考えずにやってみて大丈夫ですよ。
まとめ
決算書をぱっとしか見ることができないときには、繰越利益剰余金を確認しましょう。
その会社の歴史が、大まかに確認することができるといえるものですから。
【おわりに】
今シーズンのプレミアリーグが終了しました。
アーセナルが再びビッククラブに相応しい地位に着くには、もっと資金を使って欲しいなぁと。
【一日一新】
チェダーチーズソース