変に小手先の表示方法にこだわっても銀行からの評価は変わらないよと。
とにかく大切な決算書
「日本の銀行は過去ばっかり気にして未来を向いていない。」ということを銀行融資対応をしているなかで感じるものかもしれません。
それこそ、そのような論調をメディアやインターネットなどでも見かけたこともあるでしょう。
とはいっても「実績がない会社がうまくいくわけない。」というのは、じぶんが誰かにお金を貸す際にも感じるものでしょう。
「あいつは〇〇商事に勤めているからこの1万円は確実に返ってくる。」
「あいつはフリーターだからこの1万円は返ってこないかもしれない。。。」といったように。
同じように銀行も「この会社なら融資をしたお金は返ってくる。」という判断の拠り所が必要なのです。
その判断の拠り所が「決算書」という実績になるといえます。
決算書の表示方法に関するコンサルティング
そのような決算書に関しては、様々な情報も飛び交っているといえるものです。
たとえば、資金調達コンサルタントのような肩書を名乗る方々からこのようなことも聞いたことがあるかもしれません。
「決算書の表示方法で銀行からの評価は変わるよ(だからいまの税理士を変えたほうがいいよ)。」といったような。
たしかに、銀行員というのは決算書の表示方法に無頓着ではないといえます。
「いやいや、そんなとこを気にする。。。」といった質問を受けたひともいたりするでしょう。
とはいっても「巷で聞くような決算書の表示方法に銀行評価を上げるほどの効果があるのか。」といえば、話半分で聞いたほうがいいといえます。
長期借入金の一部を流動負債(1年以内返済長期借入金)に表示したほうが
「毎月返済していくかたちの長期借入金の中で今後1年間に返済するものを流動負債に表示変更したほうがいい。」
といったことを聞いたりもするものかもしれません。
「表示変更によって流動比率の歪みが正せる。」といったような理由で。
だからか「1年以内に返済する予定の長期借入金は絶対に流動負債に振り替えなきゃ。」と感じるかもしれません。
突発的な経費は特別損失へ
「毎期計上されるわけではない突発的な経費は特別損失へ振り替えたほうが銀行評価は上がる。」といったことも聞いたことがあるかもしれません。
「固定資産を売却した際の損失は雑費ではなく特別損失へ。」
「従業員の退職金は特別損失へ。」
「社長の海外出張は滅多にあるものではないから特別損失へ。」といったような。
たしかに「滅多にない経費。」というのであれば、特別損失に計上したほうが銀行が重視するともいえる営業利益の見栄えは良くなるかもしれません。
役員報酬を低くして利益を多く出したほうが
「社長、銀行は利益を見て融資の判断をするので役員報酬を低い金額で表示したほうが銀行評価は上がりますよ。」などとも言われるかもしれません。
たしかに「利益はいくらなんだろう。。。」と銀行員は気にするものです。
また「利益金額は多ければ多いほど融資稟議書は書きやすくなる。」ともいえるものです。
大切なのは全体的な中身
などというような決算書の表示方法に関して「全く意味がない。」とはいえないものです。
年商が20億円程度を超えている会社を経営しているならこだわった方がいいでしょう。
ただ、いま営んでいる会社の規模が年商で5億円程度だったとしたら。。。
表示方法にこだわったとしても、それほど銀行から受ける評価は変わらないといえるでしょう。
「長期借入金の一部を流動負債(1年以内返済長期借入金)にしているけど、実質的には長期借入金だし、折り返しの見込みもあるから長期借入金に変更。」
「固定資産の売却損は毎期状態化しているから営業利益からマイナス。退職金も毎期あるから営業利益からマイナス。海外出張???。」
「利益金額はたしかに多いけど、社長の年齢と家族構成をシステムに当てはめた生活費からすると役員報酬が低すぎるからその金額分を営業利益からマイナス。」
「っていうか、この決算書叩けば叩くほどホコリが出てくるよね。。。」などと支店内でも話題になってしまうものです。
「そういえば、変なコンサルを社長が雇っているみたいですよ。」といったような。
などといった評価を銀行員はしているものだといえます。
変に組み替えた決算書の表示を本来あるべき姿に戻しながら。。。
なので「決算書の表示方法で銀行評価が変わる。」というのは、実際に銀行融資の実務を行なったことがない人間のお伽噺だと考えたほうがいいものです。
「じゃあ、どうすればいいのさ。。。」
といえば、小手先のテクニックっぽいものに頼ることなく規模に見合った売上と利益を毎期計上し続けることです。
「それが一番難しいんだよ。。。」とも感じるかもしれませんが、その難しいことを成し遂げられるから銀行からの評価が上がるのです。
まとめ
「小手先にテクニックでは銀行からの評価は上がらない。」と考えて、事業に邁進していきましょう。
【おわりに】
「お米が売っていない。」みたいな報道が多すぎるからお米が売っていないんじゃないかなぁと。
今日は、ほぼ1日テレビが付いている環境にいて米騒動と台風騒動が飽きるくらいにリピートされていた感想でした。
【一日一新】
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