決算日を迎える前に決算書の表現方法で確認したほうがいいこともあるものです。
まず何よりも決算書が重要な銀行融資
「日銀が政策金利を引き上げた。」
「それほどの長期的な話ではなく1%までの利上げを検討している。」とも言われ始めた金融市場。
すると、新規の融資を受けるたびに借入金利は上がっていくといえるでしょう。
などというような金利上昇局面においては「決算書の中身がより重視される。」ともいえるかもしれません。
いままでは「多少、決算書の業績が悪くても」超低金利の銀行融資だったといえるものですから。
そして、どうとでもなる試算表や事業計画書ではなく「変更が効かない公表資料。」となる決算書で金利も決まっていくのです。
なので「決算書は今後さらに重要性を増してくる。」といったことを銀行融資対応で考えるべきといえます。
決算日を迎える前に銀行融資対応で検討したほうがいいこと
決算書というのは「決算日を超えたらどうにもできない。。。」といえるものです。
だからこそ、決算日を迎える前に「どのような決算書にしていくのか。」といったことを検討したほうがいいといえます。
この決算書を使って銀行融資を受けるかどうか
決算書というのは、次の決算書ができあがるまでの期間において銀行融資を受けるための重要な資料となるものです。
「試算表の業績はいいんだよ。。。」と力説されても、
直近の決算書が赤字などで業績が悪い状態であれば、どれだけ腕のいい銀行員が担当しても結果はあまり変わらないといえます。
なので「この新しくできあがる決算書で銀行融資を受けるかどうか。」ということは決算日を迎える前に検討してきましょう。
「向こう1年間はタイミング的に銀行融資を受ける必要はない。」というのであれば、赤字決算だったとしても大きな影響はないといえるかもしれません。
ただ「来期は銀行融資を受ける可能性がある。」といった場合であれば、赤字決算は避けるべきだといえるでしょう。
その場合には、経費関係や売上関係の見直しを決算日を迎える前に行ったほうがいいといえます。
「うちにはスーパーな技術があるから。」といっても、銀行的には評価に困ってしまうので向こう1年間の資金計画を見越して決算書の状態を表す必要があるのです。
変な科目がないかどうか
銀行員というのは、かなりの数の決算書を見ている仕事だといえます。
だからか「他の決算書ではあまり見ない変な科目。」というものには、アンテナが立ってしまうものなのです。
「仮払金ってなんだ。。。」
「役員貸付金って。。。」
「雑費が多すぎやしないか。現金はホントにこの金額あるの。。。」といったように。
なので、試算表や会計ソフトを見て変な科目がないかどうかは決算日を迎える前に確認していったほうがいいものです。
もし、役員貸付金がある場合には決算日までに返済したほうがいいものですし、仮払金などの原因も究明したほうがいいでしょう。
それこそ、税理士の方と一緒に会計科目を確認していったほうがいいともいえます。
「ぱっと見は業績がいい決算書。」だったとしても、変な科目がある際には銀行員も審査の目を厳しくしなければならないといえるものです。
その「変な科目」を訂正できるのは、決算日を迎えるまでといったタイムリミットがあるのです。
粉飾決算と見られる兆候がないかどうか
銀行員というのは「中小企業の決算書は何かしら粉飾っぽいことをしているもの。」といった感覚で決算書を確認しているともいえます。
だからか「売上が減少しているのに棚卸資産が増えているのはなぜ。。。」
「売上債権回転期間が長くなっているのは。。。」
「営業利益は黒字になっているけど、この特別損失に振り替えている科目はホントに特損なの。。。」といったことがあると気になるものです。
このような状態の決算書を確認しても、
「これは粉飾決算だ!」とまでの確信を持つことはないものですが、決算書を分析する際に使うシステムでの粉飾決算のアラートは上がってくるといえます。
なので、決算日での「在庫確認(棚卸し)」は確実に行うべきですし、売上債権の未回収なども決算日を迎える前に確認して対応したほうがいいものです。
そして、粉飾決算をしている訳ではないにも関わらず、
「粉飾っぽい決算書」になっているのであれば、銀行員に決算書以外の追加の資料を示して決算報告を主体的に行うべきだといえます。
少なくとも「この部分なんですけど。。。」と銀行に指摘されたあとには苦しい言い訳とも取られてしまうので、質問される前に説明してきましょう。
まとめ
金利上昇局面では決算書の重要性はさらに高まっていくといえるものです。
【おわりに】
Red Hot Chili PeppersのドラマーがJudas PriestのTシャツを着て、Bring Me The Horizonの曲を初めて(ドラムレスの状態で)聴いてドラムを叩く。
などという企画を定期的に行う「Drumeo」のYouTubeが大好きです。
【一日一新】
カナカナ