「メインの会社以外にも経営をしている関係会社がある。」
といったことがある場合には、その関係会社の決算書も親会社で融資を受けている銀行に提出したほうがいいといえます。
関係会社をつくることで事業が加速することもある
「意思決定のスピードと責任の所在を明らかにするために関係会社をつくる。」
「いままでの事業とは毛色が異なる分野だから別の会社として関係会社をつくる。」
「税務上のメリットを活かすために関係会社をつくる。」
などというように、様々な理由で既に営んでいる会社とは別の会社をつくる場合もあるものでしょう。
そして「別会社にしたからこそ、うまくいっている。」ということはあったりするものです。
このようにメインの会社以外にも別会社として関係会社がある場合には、
「関係会社のことを黙っていれば銀行に気づかれることはないよね。」と考えることもあるかもしれません。
たしかに「銀行も気が付かないこともある。」とはいえます。
とはいっても、関係会社があることを銀行員に黙っていると思わぬ不利益を被ることもあるものです。
なので、関係会社をつくった際には親会社の融資担当の銀行員にもその旨を伝えていくべきだといえます。
関係会社の決算書も銀行に提出したほうがいい理由
それでは「関係会社の決算書も親会社の融資取引銀行に提出したほうがいい理由。」というものを挙げていきます。
親会社の決算書で関係会社があることが判明するから
「関係会社をつくったけど関係会社では銀行融資を受けていないから、いまの取引銀行に関係会社の決算書を提出する必要はないよね。」
などといったことを考える場合もあるものでしょう。
たしかに「関係会社の決算書を親会社の取引銀行に提出する義務があるのか。」といえば、本来的には「ない」といえるものかもしれません。
また「銀行員が関係会社の存在に気がつくのか。」といえば「気が付かないこともある。」といえるかもしれません。
とはいっても、親会社の決算書を銀行員が確認した際に、
「あれっ、この会社には関係会社があるのか。。。」といったことが判明する場合もあるものだといえます。
「出資金や関係会社株式。」といった科目や「関係会社貸付金」などの科目が記載されているということで。。。
そして、このように決算書から関係会社があることが判明してしまうと、
「社長から何も聞いてないよな。。。」などというように銀行員からの信頼が揺らいでしまうものです。
「関係会社があるからという理由で銀行から評価がマイナスになるということはない。」といえます。
ただ「関係会社があることを黙っている。」と銀行員からの評価は明らかにマイナスになるといえます。
だからこそ「銀行融資取引は銀行との円滑なコミュニケーションも大切。」と考えて、関係会社がある場合には銀行に関係会社の決算書を提出していくべきなのです。
関係会社への融資を銀行員は検討するから
融資業務をメインとしている銀行員というのは、
「返済可能性に問題ない会社からの融資申し込みをガンガン受けたい。。。」などと日々考えていたりするものです。
すると、メインの会社以外にも別会社として関係会社がある場合には、
「そっちの関係会社の方でも融資実行の見込みがないか。」ということを銀行員は考えるといえます。
なので、関係会社の資金需要を探るために「関係会社の決算書を見せてください。」といったような依頼もすることになるのです。
銀行員とすれば、ひとつの会社で打ち合わせをするだけで別の会社にも融資ができるのであれば「ノルマ達成に向けた絵図を描きやすい。」ともいえるでしょう。
とはいっても「融資の枠を増やすことを見込んで関係会社を増やしていく。」というのは、ムダなことだといえます。
銀行が行なう格付けなどの会社への評価は「親会社と関係会社を一体とみなして評価を行なう。」ことになります。
たとえ関係会社が無借金で綺麗な決算書だったとしても、
親会社が「赤字に苦しんでいる。。。」などという状態であれば、関係会社の評価も親会社と同じように低くなるといえます。
このようなこともあるので「銀行融資を受けるために。。。」という理由だけで関係会社をつくるのはおすすめだとはいえません。
粉飾決算の疑いを持つから
「関係会社という別会社をつくることで親会社の決算書の見栄えを良くする。」というような粉飾決算は「デキないものではない」といえます。
「親会社から関係会社への架空の売上をつくり、親会社を黒字決算にする。」
「一般的な取引価格よりも高い利益額で関連会社に製品を販売する。」
「親会社の経費を関係会社へ付け替える。。。」といったように、
「関係会社を使えば親会社の決算書の見栄えを良くする決算操作は行なうことができる。」といえるでしょう。
このようなことを懸念して銀行員は「その関係会社への融資を行っていない場合」でも、関係会社の決算書を確認することになるといえます。
「いやいや、親会社と関係会社との取引では何もやましいことはない。」というのが一般的なことでしょう。
とはいっても「銀行員というのは中小企業の決算書を常に疑っている。」という習性があるものなのです。
だからこそ、関係会社がある場合には銀行員に関係会社があることを伝えて、関係会社の決算書も提出するようにしていきましょう。
それによって「粉飾決算の疑い。」を晴らしていくのも社長の役割のひとつだといえます。
まとめ
関係会社がある場合には、銀行員にその旨を伝えて決算後には決算書を提出するようにしていきましょう。
【おわりに】
新車の納期は半年以上先がデフォルトになっているみたいで、買い替えの検討が難しいなぁと。
その反面、下取りは高くなるみたいですが。。。
【一日一新】
あること