「なるべく早く回答がほしい。」といった言葉は、銀行融資対応において言い過ぎないほうがいいものです。
「他行で借りちゃうよ。」はあり
手塩にかけて本部稟議を通したプロパー融資。
その報告と金銭消費貸借契約の締結を兼ねて訪問をすると、
「申し訳ない。この前申し込んだ融資は他の銀行で受けちゃって。。。」などというように、他行に出し抜かれるということがあったりもする銀行員。
(このときには「すまん。」ということで、おもむろに金庫から500万円を出してきて「これで投資信託を買うからさ」などと。。。)
なので「なるべく条件の良い融資を早く受けたい。」と考えているのであれば、担当の銀行員にはこう伝えると良いでしょう。
「他の銀行にも打診する予定だから、動きが遅いと他行で借りちゃうよ。」といったように。
このように「できる限り早く融資可否の回答が欲しい。」というのは伝えてもいい場面もあるものです。
それによって、銀行員の動きが速くなることもあったりするといえます。
「できる限り早く回答が欲しい。」が銀行融資を受けづらくする
「できる限り早く回答がほしい。」という言葉を伝えたほうがいい場面も、銀行融資対応においてはあったりするものです。
とはいっても、この言葉はどこの銀行も「融資を実行したい。」と考えている決算書の内容がいい会社だけが使っていい言葉だといえます。
なので、それほど決算書の内容がいい会社でなければ、
「できる限り早く回答を。」というのは諸刃の剣となってしまうものです。
決算書の内容に疑心暗鬼になるから
銀行員というのは担当先の業績に関して、
「いまいち深いところまで掴めていない。」と感じて日々の対応をしているといえるかもしれません。
それこそ「この会社がまだ存続できているのは不思議だよなぁ。」といった感覚でいたりするものです。
そのようなことを感じている会社から、
「融資可否の回答をできるだけ早く教えて欲しい。」と言われると確信を持つともいえます。
「この会社の業績は見た目以上に相当まずいのかもしれない。」と。。。
などというような感覚を担当の銀行員が抱いた場合には、
「あの会社に融資を実行するのは危険かもしれない。」といったやり取りが銀行内で行われることになるものです。
そして「融資に必要となる書類をいつも以上に多く要求する。」といったことや、
「ある程度の時間を放置したら申し込みを断る。」というように、むしろ時間がかかることにもなるといえます。
なので「できる限り早く回答がほしい。」というひと言によって、
銀行員を疑心暗鬼にさせてしまい「いつもよりも時間をかけられた審査。」になるか「全く審査をされないで放置される。」という可能性があったりする言葉だといえるのです。
銀行員の気分を害すから
「ひとつの融資案件に付きっきりになる。」ということは、銀行員の仕事としてもそれほど多くはないものだといえます。
どちらかといえば「常に複数の融資案件を抱えている。」というのが、銀行員の日常風景だともいえるかもしれません。
そのような「融資案件多いなぁ。。。」と感じている状態の銀行員に対して、
「できる限り早い回答が欲しい。」と言うことによってその銀行員の気分を害すこともあったりするのです。
「いつもできる限り早く対応しているのに、うるさいなぁ。」などというように。。。
すると、気分を害された銀行員はその急かされた融資案件をわざと後回しにすることもあったりするといえるかもしれません。
特に融資を受けられるかどうかの境目にいるような会社であれば、
プライドの高い銀行員が担当だとすると、わざと対応を遅くするということもあるものです。
「銀行融資対応。」だといっても、ひとつの関門は担当の銀行員との人間関係だといえます。
なので、急かしすぎると「銀行員の気分を害し、複数ある融資案件のなかでも後回しにされる。」ということもある程度認識してもいいものでしょう。
余裕を持った資金計画を
たしかに、デキる銀行員が担当であれば融資申し込みをした時点である程度の方向性を示してもらえるものです。
「この内容だったらほぼイケると思います。」といったことや、
「信用保証協会の枠も一杯ですし、難しいかもしれません。」といったように。
だからか「できる限り早く回答を。。。」といった言葉が銀行融資対応においての禁句だとはいえないものです。
とはいっても、回答を焦らされると銀行員としては「決算書にいままで気づいていなかった粉飾があるのかも。。。」と、
決算書の確認を改めて時間をかけて行うことになり、結果的に回答が遅くなる場合もあったりするといえます。
また「こっちだって忙しいんだよ。。。」などと気分を害す銀行員もいたりするものです。
だからこそ、銀行融資を申し込む際には時間的な余裕を持つべきだといえます。
少なくとも「今月末までには実行して欲しい。」というのは銀行員からすると急かされていると感じてしまうものです。
なので、銀行員に対しては決算報告や月次報告などのタイミングで、
「この時期あたりに融資を受けたいと考えている。」などと前もって資金需要を伝えスケジュールを共有することが効果的だといえます。
まとめ
「できる限り早く。」は、できる限り言わないほうがいいものです。
【おわりに】
社労士の方が使われているシステムが1週間以上もシステムダウンしているというニュース。
わたしもデータはすべてクラウドに入れているので他人事ではないよなぁと。。。
【一日一新】
Adobe Firefly
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