会社から社長などへの貸し付けとなる「役員貸付金。」
決算書にこのような科目が計上されているのは、銀行からの評価が悪くなるので避けるべきです。
「気が付かないうちに役員貸付金になっている。」は避けるべき
銀行融資をスムーズに受けるためには、
「銀行員が嫌がる科目。」が計上されていない決算書をつくるべきだといえます。
その「銀行員が嫌がる科目。」のひとつが「会社から社長への貸付金があることを示す役員貸付金」がある決算書だといえるでしょう。
とはいっても「この前、会社から一時的にお金を借りて決算までに返済をできなかった。。。」
と認識している場合には、役員貸付金が決算書に記載されても覚悟は決まっているといえるかもしれません。
「銀行員に指摘されるんだろうなぁ。。。」と。
ただ「会社からお金を借りた記憶がない。」にもかかわらず、役員貸付金が計上されているということは避けていくべきです。
役員貸付金は銀行評価が悪くなるから避けるべき
「役員貸付金。」が決算書に記載されていると銀行融資対応でプラスになることはないものです。
だからこそ「気が付かないうちに役員貸付金になっていた。。。」ということは避けるべきだといえます。
行き先不明な支出があると役員貸付金になる
「会社からお金を借りたつもりがない。。。」
と感じていても「決算書に役員貸付金が計上されている。」ということもあるものかもしれません。
「なぜ、記憶にないにも関わらず役員貸付金が記載されているのか。」といえば、
「行き先がわからない預金の引き出し。」は「社長が個人的に支出したお金。」ということになるからです。
そして、社長が個人的に支出したお金と判断されたものは「役員貸付金として決算書に記載されてしまう。」ということがあるといえます。
たとえば「あのとき金庫から持っていったお金はどうしたんだっけ。。。」
「会社の経費で使ったはずだけど、思い出せないし領収書もない。。。」
などということがある場合には「行き先不明。」として、役員貸付金となったりするのです。
なので、事業を営んでいるのであれば「会社のお金の使いみち。」は常にはっきりしておくべきでしょう。
この認識が甘いと「社長が引き出した行き先不明のお金はすべて役員貸付金。」となってしまい、銀行からの評価も低くなるといえます。
役員報酬が低すぎる場合も役員貸付金となる
「今期の決算書は絶対に赤字にならないようにしよう。」
という方針を取る際には「役員報酬を減らす。」といったことをひとつの手段とするものかもしれません。
事業を営んでいると「人件費が支出のなかで一番の割合を占めているよなぁ。」と感じることも少なくないものでしょう。
そして「人件費のなかで最も大きな割合を占めているのが役員報酬。」といったことも少なくないかもしれません。
すると赤字決算にしないために、
「前期は300万円の赤字だったから、今期は役員報酬を400万円削減して黒字化しよう。」といった方針でいくこともあるものでしょう。
たしかに、銀行員とすると「社長の役員報酬をもう少し下げて貰えれば、この会社は黒字化するのになぁ。。。」と感じる決算書もあったりするものです。
なので、毎期「適正な役員報酬。」というものを、期首から3ヶ月以内に検討していくべきだといえます。
とはいっても、この際に注意すべきことが、
「黒字化のために引き下げた役員報酬では生活していけないから、足りない部分を会社の預金口座から引き出す。」ということです。
もしかすると「やっぱり足りないから役員報酬として。。。」という感覚で、会社の口座から預金を引き出すこともあるかもしれません。
ただ、役員報酬はその会計期間に一度決めた金額を変更することは簡単ではないといえるものです。
そして「役員報酬が少ないから。。。」といって引き出した会社のお金も役員貸付金となってしまいます。
このような場合には、たとえ黒字の決算書だったとしても役員貸付金があるために銀行からの評価はそれほど上がらないものだといえます。
だからこそ「役員報酬を下げて黒字化」とした場合には、
「足りない部分を会社の預金口座から引き出す。」ということは避けるべきです。
どんぶり勘定で事業を営んでいると銀行員に嫌がられる
「役員貸付金」は銀行員が決算書のなかで発見したくない科目のひとつだといえるものです。
なぜなら「うちから融資したお金が社長の生活費に消費されているのかも。。。」と考えてしまうからだといえます。
さらには「ホントは赤字決算のところを経費の一部を役員貸付金に振り替えたのかも。」と粉飾決算の疑いも銀行員は持ってしまうのです。
そして、そのような会社から融資の申込みを受けた際には、
「社長への貸付となっている役員貸付金を全額返済することが今回の融資実行の要件になっています。。。」
などというように「役員貸付金の完済を求められる。」ということもあったりするものでしょう。
なので「気が付かないうちに役員貸付金が決算書に計上されていた。。。」ということには注意すべきだといえます。
事業を営む際には「どんぶり勘定。」などというようなことをしていると、
「気が付かないうちに役員貸付金を理由として銀行評価が下がっている。」ということはあったりするものかもしれません。
だからこそ「役員貸付金」が計上されないように、じぶんの行動には注意をしていくべきだといえます。
まとめ
もし、決算書に役員貸付金が計上されているのであれば、
「これ以上は増やさない。」と決めて、役員貸付金を削減していきましょう。
【おわりに】
保育園や幼稚園、小学校などは、あらゆる場所に監視カメラを設置して、親が状況を常に確認できる状態をつくれないものなのかなぁと。
【一日一新】
ハヤブサ消防団 池井戸潤著