税理士業なのに「あえて」人を雇わない理由とは

どんどん人を雇って、顧問先を拡大するというのが税理士業のセオリーだったりします。

それでも、わたしは人を雇うということはしません。



いまの仕事の状況で人が必要なのか


いま、税理士として独立して5ヶ月目。

独立したばかりなので全く仕事が無く、日々貯金を取り崩していかなければならず、家族の生活を支えることが出来ていない。

ありがたいことに、そういうような状況ではありません。

スケジュールが立て込んでいるときには、「ちょっとしんどいな。人を雇っていたらどうなっているんだろう。」

と想像することもあります。

また、周りの人には「人を雇ったほうが楽になるし、雇ってこそ一人前だよ。」

といわれることも多いです。

ましてや、仕事の幅ももっと広げていきたいですし、税理士としてもひとりの人間としても立派な背中を魅せられるような存在になりたいと思っています。

一言でいうと、「一目置かれる税理士にはなりたい」と考えています。

稼げるならもっと稼ぎたいという気持ちも充分あります。

そういった気持もありながら、旧来型の税理士事務所を運営していくということに一切の魅力を感じていません。


あえて人を雇わない理由


わたしは稼ぎたいと思っていますし、人生を充実させたいと考えています。

「稼ぎたいなら人を雇いなよ」と思うかもしれませんが、人を雇う気は一切ありません。

顧問先〇〇件に興味がないから

顧問先をどんどん増やして人をどんどん雇って、「顧問先件数〇〇件、従業員数〇〇人」というようなフレーズには一切興味がありません。

銀行員時代に、中小企業の経営者に数百人程お会いしてきたなかで、税理士や税理士事務所に関する不満を聞くことが多々ありました。

「打ち合わせに来てくれない、してくれない。」

「アドバイスがなく、偉そうに上から目線で一方的に言われるだけ。」

「担当者がコロコロ変わるから、もう何も期待しない。」

「渡された資料の見方がわからない。」

当時は、税理士事務所というのはそのようなものなんだなと漠然と感じていただけです。

それが、税理士業界で働いてみるとこのような対応に違和感が強くなっていくものでした。

「毎月打ち合わせの契約だけど、毎月打ち合わせしなくて良いからと所長税理士が言っている。」

「税理士を目指しているわけでもなく、プロとしての勉強をしている訳でもない人間が担当をしている。」

ということが、税理士業界に少なからずあることが残念なことです。

それが、顧問先〇〇件を目指す税理士事務所経営のやり方なのでしょう。

税理士業のお客様となる方は、人生を賭けて商売を行っている方がほとんどです。

そのようななかで、顧問先〇〇件を誇るためだけに「失礼な対応をしたくはないな」という気持ちがあります。

また、顧問先〇〇件に興味もありません、

すると人を雇って、事業を拡大するという道に違和感があるため、人を雇って顧問先を増やすということはやりたくないと考えています。

人に仕事を頼むのが得意ではないから

わたしは、人に何かを教えるということはかなり好きなことです。

しかし、人に仕事を頼むのが得意でありません

なぜなら、人はすぐに辞めるものだから「教えてもなぁ、頼んでもなぁ」と。

わたし自身も、いまのように独立しているときと比べると、雇われているときにいまと同じような感覚で仕事をしていたかというと、そうではなかったといえます。

また仕事がきつい、合わないというようなことがあれば、どんどん転職をするべきだと考えています。

すると、おなじ熱量を持っているわけではない「人に仕事を教えてもなぁ」と感じてしまいます。

簡単な仕事だったとしても、「頼むのも何だかなぁ」となってしまいます。

そして、頼んでいる間に別の効率的な方法があるのでは、と探すことが好きなことのひとつ。

まして経験したことがない仕事であれば、絶対にじぶんでやりたいので頼むこともないかなとなります。

やりたいことをやりたいときに、やりたいから

生きていく中では、いろいろな縛りがあるため「思い立ったら即行動」ということは、なかなか出来ないものです。

それは、独立したからといって、人を雇っていると難しいものでしょう。

「所長税理士が、平日にゴルフをやっている。」

「平日の昼間から飲んでいて、職員からの電話に出ないなどと陰口を叩かれる。」

人を雇うと、その小さな組織のなかでは雇い主のじぶんが偉いことではあります。

それでも雇われている方も、立派な意思を持った大人です。

するとこっちが働いているのに、「お前は遊んでんのかよ」と思ってしまうもの。

人を雇っている中では、やりたいときにやりたいことをやるのは難しいです(それを無視するほどの図太い神経を持っていません)。

ならば、人を雇って気を使うくらいならば、じぶんが出来る範囲で(その出来る範囲を広げつつ)仕事をするほうが、じぶんもお客様も幸せになると考えています。

やりたいことを、やりたいときにやるためには、人を雇っては無理だといえるでしょう。


ひとりで経営していることで気をつけていること


ひとり税理士として、ひとり経営を行っていく上で気をつけていることは、無駄なことに時間を使わないことです。

税理士は、「ちょっと挨拶に伺いたい」といったことや「情報交換しませんか」といった誘いが非常に多くあることだなと実感しています。

また、ひとりだからと寂しさを紛らわすために、安易に〇〇会のような会合に参加をしないようにしています。

ある一定の時間に、とりあえず集まるというようなものは、せっかく勤め人から脱皮したのに勿体ないものです。

おそらく、今後の税理士業界は「人手」というものは確実に必要性が減ってきます。

そのような中で、人を雇うという人海戦術を取っていると時代の流れに気づかなくなってしまうことでしょう。

破壊的な技術革新(ディスラプション)で「人手」が必要なくなっていく中で、「顧問先を増やしていくもの。」

「人を雇って面倒なことはやらせればいい。」

となってしまうと、一気に身動きが取れないものになります。

じぶんがやりたいことに全集中するためには、人を雇うというよりもひとりの方が遠慮なくできること、として人を雇うつもりがありません。


【おわりに】

Amazonのブラックフライデーと、サイバーマンデーで同じものでも値段が変わることってあるのでしょうか。

ちょっとそこに躊躇していまいます。


【一日一新】

たこやきちゃうやんケーキ

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