銀行融資を受ける際、決算書をコピーして渡すのはやめよう

銀行から融資を受ける際に、決算書を予めコピーをしておいて渡すのはやめた方がいいです。



銀行員は、何かしらの粉飾を疑い営業活動をしている


日々会議が行われ、融資件数の進捗状況などを事細かに把握される、現場の銀行員。

そんな銀行員は、月に数百社の企業を周り、ドブ板営業を繰り返しています。

そのような中で、短い時間でもその企業の現在の動向を伺ったり、社長の趣味の把握などを確認して人間的な関係を深めようとしています。

また、他行の動向にも常に目を配りながら営業を行っています。

そんな銀行融資の第一の活動は、決算書をもらうことが全てのスタートになっています。

しかし、銀行員は決算書の数字は何かしらの調整や、行きすぎると粉飾が行われていると考えています。



決算書のコピーを渡すのは辞めよう


銀行から融資を受けるためには、個人事業者であれば確定申告書。

法人であれば、決算書の提出が必要になります。

その際、決算書を予めコピーして、銀行員に渡すのはやめるべきです。

「どうせ銀行でコピーするなら、こっちでコピーしてあげた方が丁寧でしょ。」と思うかもしれません。

しかし、できる銀行員であればコピーをした決算書ではなく、原本の決算書をもらって行くはずです。

銀行員や銀行は、企業の決算書は中小企業であろうが上場企業であろうが、何かしらの調整がされていると考えています。

調整というよりも、調整が行き過ぎた粉飾決算となっているケースも多々あることを知っています。

その決算書をもらう際に怖いのが、コピーでもらった決算書が、二重帳簿などのおそれがある正式なものではない決算書の場合です。

たちの悪い企業だと、決算書は、会社用、税務署用、銀行用とそれぞれ別の数字の決算書を持っているという企業が存在します。。。

そのような企業があることを銀行員は認識しているので、決算書という重要書類にも疑心暗鬼でいるので、銀行員は必ず原本の決算書をもらっていきます。

コピーされたものだと、もし何かあった時に上層部に言い訳が効かないからです。

このような理由で銀行員は、予めコピーをした決算書をもらうことを嫌がることになります。

また決算書というと、時折、貸借対照表や損益計算書のみを渡そうとする経営者の方がいます。

銀行が言う決算書というのは、法人税等の申告書や消費税等の申告書を含めた書類一式のことを決算書と呼んでいます。

これら一式の数字を確認することで、業績の確認や粉飾などをしていないかを把握しています。

そのためには、銀行員は決算書をコピーではなく原本一式を貰うことを是としています。


決算書にカバーレターをつけよう


また、決算書を渡すタイミングも、非常に重要です。

申告月から何ヶ月も経って、銀行員が取りにくるというのは決して印象が良くありません。

申告書が完成したら、銀行に経営者自ら持っていく。

もしくは、決算書が出来たことを銀行員に伝え、取りに来てもらう。

また、決算報告会を開催し銀行員や取引先を招くというのもいいでしょう。

その決算書を渡す際には、簡単にでいいので決算の状況や、今後の業績動向を伝えることをおすすめします。

その際は、決算書に簡単な業績の動向や今後の取組みなどを書いたカバーレターをつけるべきです。

決算書に関しては、どうしても税理士が申告をするので、細かいところは分からないという経営者の方が多いことだと思います。

しかし、その期がなぜこのような業績になったのか。

そして、新しい期はどのような動向になって行きそうか。受注明細などをつけてもいいのです。

そのような社長の頭の中にあることや数字を、A4一枚でいいので社長自身の言葉で作成してあると、銀行員としては非常に助かりますし、そのような企業を応援したくなるものです。

「細かい決算書の数字はわからない、でも今後の動向は話すことができる。」

それならば、せめて決算書を渡す際に、積極的に銀行員に伝えていくべきです。

月に数百社も訪問していても、それほど一社一社の業績の深いところまで知ることが出来ないのが、銀行員の悩みだったりします。

そのような悩みを抱えていることを知り、積極的に情報を伝え銀行員とはコミュニケーションを図っていくべきです。

晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げると言われる銀行という商売。

しかし、銀行員も特に地銀や信金の人間は、その企業の味方になりたいと真剣に考えている行員が多くいます。

そうであるならば、銀行員を味方につけるべきです。

銀行員は、企業の毎月の試算表や月次決算報告書を見れているわけではなく、情報がもっと欲しいと日々考えています。

常にその企業の最新の業績が知りたいと思っています。

知りたいと思っていても、月次資料がなかったり、見せてくれなかったりする企業というのは非常に多いものです。

決算書を渡す際は銀行との仲を深める、絶好のチャンスだと認識してください。


【おわりに】

HPの表示がおかしなことになってしまいました。

色々と調べて、なんとか徐々に改善中です。

Googleには本当にいろいろな情報があり、本当に助かります。


【一日一新】

事務所からある場所に行く

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