「あれだけ銀行融資セミナーに行っているのに成果が。。。」と感じるのであれば、もう一度見つめ直すことも必要だといえます。
セミナーに行くのが悪い訳ではない
事業を営んでいると「銀行融資についてセミナーで学ぼう。」と考えることもあったりするものでしょう。
「顧問税理士が資金調達に関して何も教えてくれなくてさ。」などとも感じているかもしれません。
それこそわたしも「資金調達に関するセミナーはいつやるのよ。。。」と銀行員から言われることもあったりするかもしれません。
たしかに、銀行融資に関するセミナーを受けることで視野が広がることもあったりするものでしょう。
「銀行格付けを上げるためにはそういうテクニックもあるんだ。」と目からウロコが落ちるかもしれません。
また、銀行業界の最新の動向を学べるのもセミナーの醍醐味だといえるのでしょう。
銀行融資セミナーに行っているのに融資が受けられない理由
「銀行融資のセミナーにあれだけ行っているのに、うまく銀行融資が受けられない。」といったこともあったりするかもしれません。
そのようなことが続くと「あの講師が言っていたことは嘘なんじゃ。。。」とも考えてしまうものでしょう。
もし「銀行融資のセミナーを受けまくっているのに。。。」というのであれば、次のことを見直したほうがいいといえるものです。
一番に相談すべきなのは銀行員だから
融資業務をメインとする銀行員もその銀行自体も、
「一番最初に相談してほしい。。。」といったことを事業者の方に対して感じていたりするものです。
「経営者に寄り添える伴走支援を。」といったことは、いつの時代でも銀行の課題だといえるかもしれません。
とはいっても「銀行にはなるべく情報を隠すように。。。」といったセミナーも巷にはあったりするものです。
「やぶ蛇になるから情報を伝えるのは最低限でいい。」などと。
このような「相談して欲しい。」ということを銀行員が考えているにも関わらず、
「銀行になんて相談しない。」としているために、銀行融資が受けられていないということは少なくないといえます。
たしかに、銀行というのは預金口座の動きなどから取引先の情報をある程度補足できる産業だといえるものです。
それこそ「大口の預金取引があった際にはその支店の全員がチェックをしなければならない。」といったようにお金の動きを注視しているともいえます。
それでも「この預金の動きはどのような背景で生じたものなのか。」といったことまで銀行員が把握しているかというと、そうではないものです。
だからか「この預金の動きを確認して来い。」といったやり取りが、銀行内部で行われていたりするといえるかもしれません。
などというように、銀行員というのは「聞かないと(相談してもらわないと)その取引先のことがわからない。」ということが少なくないのです。
にも関わらず、セミナーばかりに通って「銀行員が欲しい情報を伝えていないから希望通りの融資が受けられない。」といえます。
なので「些細なことでも銀行員に相談し、事業内容などはたとえ耳にタコができていても伝えるべき。」だといえるのです。
実質的には赤字だから
「銀行融資は黒字でなければ受けるのが難しい。」
「だから、経費を簿外にしてでも多少の黒字決算にはしておいた方がいい。」といったことを聞いたりしたことがあるものでしょう。
「役員借入金の債務免除益で黒字にして銀行からの資金調達を成功させましょう。」といったことなども。。。
たしかに、銀行融資を受けるためには黒字であることが望ましいといえます。
なぜなら「銀行融資の返済は黒字の中から行なうものだから。」といえるからです。
だからか「銀行融資を受けるためには、ちょっとでもいいから黒字決算を。」といったことがセミナーなどで言われたりもするのでしょう。
とはいっても、銀行員というのは決算書の数字をそのまま鵜呑みにすることは少ないといえます。
銀行員が決算書を預かってから行なう自己査定(格付け)なども、
「データ化した決算書をじぶんの目利き力でどこまで実態に合わせて料理できるのか。」といったことを腕の見せどころとしているものです。
それこそ「経費を簿外にして黒字に。。。」といった決算書などは、
「比率分析してみると前期以前と数値がずいぶん違くね。」などと他の行員を集めて議論が始まったりもするものかもしれません。
などというように決算書をリバースエンジニアリングすることが銀行員の腕の見せどころだといえるのです。
なので「実質的には赤字だし債務償還年数的にも厳しいなぁ。」と銀行員が考えて、無理やり操作した黒字決算は見破られてしまい融資が受けられないといえます。
このような小手先のテクニックを使うのであれば、決算報告で今後の業績見通しなどを伝えたほうが融資が受けられる可能性は高くなるものです。
業績が小さすぎるから
「自己資本比率は高いほうが銀行格付けは上がる。」
「売上高営業利益率が高いと銀行格付けも高くなる。」といったことも聞いたりするかもしれません。
たしかに、このような数値は高いほうがいいとはいえます。
「この会社は債務超過だからやりにくいなぁ。」などと銀行員に思われることもなくなるといえるかもしれません。
とはいっても、銀行員というのは「比率だけではなく金額。」も重視していたりもするのです。
それこそ、銀行や支店によっては「うちは年商1億円未満の会社には融資しないよ。。。」といったところもあったりするものです。
また、毎月融資の実行額に目標数値が定められている銀行員からすると、
「なるべく実行金額が高くなる融資を取り扱いたい。」と考えたりもするといえます。
たとえば「運転資金100万円の信用保証協会付き融資。」と、
「運転資金1,000万円の信用保証協会付き融資。」であれば、1,000万円の融資に力を入れたいと銀行員も考えるものなのです。
ましてや「100万円でも1,000万円でも手間はそれほど変わらない。」というのが融資対応のひとつの実情だといえるので。
なので「売上規模が小さすぎるから銀行融資が受けづらくなっている。」ということは、銀行融資対応においてあるものだと考えたほうがいいでしょう。
このような場合には、民間の金融機関ではなく「日本政策金融公庫の国民生活事業を融資取引のメインとする。」と考えたほうがいいのです。
売上規模が小さい場合でも、日本政策金融公庫であれば対応をしてもらえることが少なくないともいえます。
そして「国金さんが300万円融資しているのであれば、うちも300万円を。。。」といったことを銀行員が言ってくることもあるものです。
だからこそ、売上規模が小さい場合には「日本政策金融公庫と融資取引をして、その次に銀行などの民間の金融機関と融資取引を始める。」という手順を意識したほうがいいといえるでしょう。
まとめ
まずは現場の銀行員に胸を開いた対応を意識していくといいかもしれません。
【おわりに】
経営者保証の解除ネタでいうと、
このまえ対応したお客さまが「うちの支店で解除するの初めてです。」と言われたとか。。。
まあ、そんなもんだろうなぁと。
(いまは土日をHPの更新というルールにしています。飽きるまでは。。。)
【一日一新】
Anker PowerCore III 5000