資金繰りを改善するために増やすよりも減らした方がいい科目3選

「数字は右肩上がりがいい。」ということだけが資金繰りの改善につながるわけではありません。


車も固定費。


事業を営むうえでは多いほうがいいものもある


事業を円滑に営むためには、

「少ないよりは多い方がいい。」というものはあったりするものでしょう。

「売上が多ければ多いほど得られるお金は増える。」といったことがあるものですし、

「現預金を多めに保有することで事業の選択肢に余裕を持てる。」ものだといえます。

そして、お金を多く持つためには「お金が貯まるまで待つ。」というよりは、

「銀行から融資を受けてお金が貯まるまでの時間を買うべき。」ですし、それによって資金繰りに追われなくてすむといえるかもしれません。

とはいっても、資金繰りを改善するためには「増やすことがいい。」といえないものがあるものです。



資金繰りを改善するために増やすよりも減らした方がいい科目3選


それでは、資金繰りを改善するために「増やすよりも減らしたほうがいい科目」というものを3つほど挙げていきます。

売掛金・受取手形(売上債権)

「利益が出ているのにいつまで経っても資金繰りが楽にならない。」

となる要因のひとつが「売り上げたのにも関わらず、すぐに現金にならないことがあるから。」だといえます。

そのような「売り上げたにもかかわらずお金になっていないもの。」を表す科目が「売掛金や受取手形。」になります。

この売掛金や受取手形は「売り上げた結果、そのあとでお金を貰う権利。」だといえるものです。

なので、売掛金や受取手形が増えれば増えるほど、

「あとからお金を貰える権利。」も増えるので、いずれ現預金は増えるものだといえます。

とはいっても、ほとんどの事業が「売上代金の入金よりも先に仕入れ代金の支払いをしなければならない。」といえるものでしょう。

売上が増えることはいいことだけど、

「売掛金や受取手形をできる限りは少なくしていく。」ということを資金繰りとしては意識したほうがいいといえます。

「あとからお金を受け取る権利。」

だといっても、売掛金や受取手形に未回収が生じると、資金繰りの目詰まりも起きてしまうものです。

ましてや「売掛先に未回収が生じている。受取手形が決済されないから。。。」

などといって銀行融資の申込みをしたとしても、希望通りの融資が受けられるとも限りません。

だからこそ、売上債権を増やしすぎないために「締め日や入金日を厳しく管理して不良債権化させない。」といったことや、

「取引先に応じて締め日や入金日を変える。」というように資金繰りの工夫をしたほうがいいといえます。

受取手形にしても「半額は現金取引で。」というような交渉も折に触れて行なうことも必要だといえるかもしれません。

棚卸資産(在庫)

「欲しいときに入荷されない商品だから常に余分に仕入れている。」

「これから流行る商品のはずだから多めに在庫を取ってある。」

などというように「売上のチャンスを逃さないために。。。」と、棚卸資産(在庫)を多めに置いておくということもあるものでしょう。

ただ、売れる見込みがあったとしても棚卸資産となっている間は「お金が寝ている。」というのがその性質だといえるものです。

ましてや「売れる見込みがあるから多めに在庫としておく。」といっても、

売れ残りが生じてしまうと「過剰な投資だった。。。」となってしまい資金繰りが悪化することにもなるものです。

たしかに、事業には「機会損失」といって取るべき行動を取らなかったことにより、

「もっと売れたはずなのに。。。」という悔やまれる事態も起こり得るものかもしれません。

なので「適正在庫というものを図る。」というのは簡単ではないのでしょう。

それでも在庫の目安として、業界平均の棚卸資産回転期間や棚卸資産回転率をひとつの参考にしてもみるのもありだといえます。

それこそ、銀行員なども棚卸資産回転期間が伸びていると、

「この在庫はきちんと売れるものなのか。。。」と返済可能性に不安を持つものですし「架空在庫で粉飾決算をしているのでは。。。」などとも勘ぐってしまうものです。

もし「売り逃しが怖い。。。」と考えたとしても、棚卸資産は増やしすぎないことも資金繰りの改善には必要だといえます。

固定費

「事業を営んでいる年数が長くなれば長くなるほど増えるものは。。。」といえば、売上ではなく「固定費」だといえるかもしれません。

固定費というのは、売上原価などのように売上の増減によって変動する経費ではなく「売上の増減に関わらず一定して発生する費用。」になります。

たとえば、事務所や工場などの地代家賃や人件費などが固定費の代表格だといえます。

事業を営んでいると、

「うちの社格的にはもっといい立地に事務所を構えるべきだ。」といったことや、

「人手が足りていないから従業員を増やそう。」といったことを考える場合もあったりするものでしょう。

とはいっても、時代の流れが早くなっている現代においては、

「固定費をかけたからといっても売上が増えて資金繰りが改善する。」といった比例関係にはないものかもしれません。

むしろ「固定費をかけすぎたことによって、損益分岐点が上がり資金繰りが悪化してしまった。。。」ともいえるものでしょう。

固定費は、変動費と異なり減らすことが難しい上に、気が付かないうちに増えているともいえるものだといえます。

だからこそ「固定費はどのように推移しているのか。」といったことは、売上の推移を確認するのと同じ熱量を持って確認すべきなのです。

「意識しないと増えてしまい、その上減らすことが難しい。」

という固定費の性質を認識して、その見直しに優先順位を付けて行なうことも資金繰りの改善には必要だといえます。


まとめ


資金繰りの改善には「増やすばかりがいいものではない。」ということもあると意識していきましょう。


【おわりに】

はじめましてのひとにも「税理士です」ということ営業的に言うようにしているのですが、

いまくらいの時期だと「この場合だと確定申告したほうがいいですか。。。」と聞かれることも。

そんなことを聞くと「複業をしているひとって少なくないんだなぁ」と感じるという。。。


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