銀行員というのは、法人事業概況説明書もわりとよく見ているといえます。
なので「法人事業概況説明書のここを見ているよ。」ということを書いていきます。
銀行員は決算書の附属明細書をよく見ている
銀行融資の審査を行なう際には「決算書」が最も重要な資料となります。
その決算書の中でも銀行員が必ず見ている部分は「貸借対照表や損益計算書。」などの数字だといえます。
とはいっても、銀行員が貸借対照表や損益計算書などを、
「3期分並べて、それだけをずっと眺めている。」というようなことは、あまり多くありません。
むしろ、貸借対照表や損益計算書の数字をベースにしながら、
勘定科目内訳明細書や法人税の別表などの附属明細書を行ったり来たりしながら確認しています。
そのなかでも「法人事業概況説明書。」も、銀行員は必ず確認しているといえます。
この法人事業概況説明書に関しては「全くの白紙」だったりすることもありますが、
「法人事業概況説明書を確認して、その会社の事業の流れを掴む。」ということを銀行員は行なっているのです。
銀行員は法人事業概況説明書のここを確認している3選
それでは銀行員が、
「法人事業概況説明書のどの辺りを確認して何を見ているのか。」ということを挙げていきます。
売上や仕入の締め日などを見て資金サイトを確認している
「この会社の資金サイトは、社長から聞いていたもの通りになっているか。」
もしくは「この会社の資金サイトはどうなっているのか。」
というものを法人事業概況説明書の「決済日等の状況。」の欄を見て、銀行員は確認しているといえます。
銀行員が決算書を分析する際には資金サイトを確認しながら、
「適正な運転資金はいくらになるのか。」というものを把握し、融資稟議書を書いています。
なので、法人事業概況説明書の「決済日等の状況。」を確認し、締め日や決済日などを確認するのです。
そして「法人事業概況説明書で確認できる資金サイトと、貸借対照表などで確認した資金サイトにずれがないか。」
ということも銀行員からすると、決算書の精度を確認する上で大切なことになります。
従業員数を見て生産性などを確認している
「この会社の従業員数は何人か。」といったことや、
「期中にどれだけの従業員が流動しているのか。」
といったことも、法人事業概況説明書を見ることで確認していたりします。
銀行は、その会社の従業員数を把握することで「生産性などの指標を分析する。」ということを行なっています。
なので「期末従業員等の状況。」 や「従業員数。」の欄を確認することで、会社の人繰りを確認することになるのです。
さらに、より深掘りする場合には「自行で給与振込を行っている従業員人数。」などを確認し、
「法人事業概況説明書に記載されている従業員数と異なる点はないか。」といったことも確認していたりします。
売上や仕入などの月別推移を確認している
「月別の売上金額や仕入金額はどのような推移になっているのか。」
というようなことも、法人事業概況説明書を見ることで確認しているといえます。
この法人事業概況説明書で「売上推移など」を確認することによって、
「期中に受け取った試算表の売上推移とずれがないか。」といったことや、
「いつが繁忙期で閑散期か。」ということを確認しているといるものです。
「繁忙期や閑散期。」
を確認することで「何月ごろに積極的に営業をかけるか。」といったことも考えていたりするといえるでしょう。
また、決算月が閑散期のはずなのに、貸借対照表の売上債権が多い場合には、
「粉飾。。。」などとつまらない疑いを抱くこともあるといえるかもしれません。
まとめ
銀行員というのは、法人事業概況説明書もわりとよく見ているといえます。
とはいっても、税理士業界に入り確信をしましたが、
「法人事業概況説明書は、そこそこラフにつくられている。」ということ。
それでも銀行員は「法人事業概況説明書から何か掴めるものはないか。」と考えて、決算書の分析をしています。
なので、法人事業概況説明書は税理士とのコミュニケーションをうまく取りながら作成してもらうべきだといえるでしょう。
【おわりに】
財務分析する際に法人事業概況説明書が白紙だったりすると、
「社長にヒヤリングするかなぁ。」という場合と、
「まあ適当にやっとくかなぁ。」というパターンがあったなぁと。。。
【一日一新】
事務所の電気代と水道代をカード払いに変更