「よしっ。今月も黒字だった。」
ということも大切なことですが、
「いまのキャッシュがいくらあるのか。」といった確認が、資金繰りの基本になります。
事業には利益が必要
「事業の成功の秘訣は利益の最大化だ。」
というよう言葉があるように、事業にとって利益は必要なものですよね。
「利益が出る見込みがあるから事業を始める。」
「利益を出す自信があるから新製品を投入する。」
というように「経費を上回る売上。」が見込めるから、事業を行なう気持ちが湧いてくるといえるでしょう。
「歴史をひっくり返すほどの新製品。」
などといって、高品質の製品やサービスを提供していたとしても、
「それを赤字販売。」していると、いずれ事業は行き詰まってしまいます。
なので「いいものをより長く。」売っていくためには、利益を出していくことは必要だといえます。
利益があると銀行融資は受けやすくなる
「損益計算書が赤字になっている。」ということは、
「その事業がうまくいっていない。」ともいえるので、いずれは預金額も減っていくことになります。
だからこそ事業を続けていくために「損益計算書は黒字。」であることが求められるのです。
また、利益が出ていると銀行から融資を受けられる可能性は高くなります。
なぜなら、銀行融資の可否判断のなかでも重要な財務指標のひとつが債務償還年数だからです。
この債務償還年数が10年以内に収まっているかどうかは、
銀行員にとって融資が実行できるかどうかの分水嶺だともいえます。
そして、その債務償還年数を10年以内に収めるために重要な指標は「利益」になります。
なので「利益が多いほうが資金調達は行いやすくなる。」といえます。
利益は創れるけど預金はつくれない
事業が健全に行われているかどうかの重要な指標が利益だといえます。
とはいっても、利益というのは会計の手法によっては創り出すことができるものです。
「前期よりも在庫を増やし、売上原価を減らして利益計上。」
「ホントは今期の経費だけど、その経費を来期に回して利益計上。」
「減価償却を止めて利益計上。。。」
などというように「利益は創り出せてしまうもの。」なのです。
しかし「預金額。」というのは、会計の手法だけで創り出すのは難しいといえるでしょう。
「売上は増えてきたけど、入金されるまでの期間(サイト)が長くなっている。」
「フリーキャッシュフローよりも借入金の返済額が多い。」
などがあると利益は出ていても「お金が貯まらない」経営になっているといえるでしょう。
資金繰りの基本はキャッシュを確認すること
損益計算書で利益が出ているといっても、
ということにならないのは、会計が発生主義で行われているからです。
発生主義の会計というのは、お金の流れとに関わらず「取引の発生に基づいて。」会計が行われることになります。
なので、入金がなくても売上になることがありますし、前受金のように入金があっても売上にならない取引もあるのです。
だからこそ、事業を営むうえでは、
「いま預金額はいくらあるのか。」という「キャッシュ」を中心に資金繰りを確認していくべきなのです。
キャッシュがあれば心に余裕を持つことができますし、
キャッシュさえあれば、損益計算書が赤字だったとしても生き延びることができるでしょう。
だからこそ「業績というのは毎月の損益計算書を眺めれば、十分だ。」
ということだけではなく「キャッシュを日々確認していく。」ことが求められているといえます。
キャッシュの残高を日々確認しているからこそ、
「銀行融資をどのタイミングで受けるべきか。」といったことや、
「物流リスクを考えて今月は多めに仕入れをしておこう。」
といった戦略的な行動を起こせるものです。
まとめ
事業にとっては「利益を出す」ということは必要なことです。
とはいっても「利益を追いすぎていて、気がついたら預金が足りなくなっていた。」
ということを避けるために、キャッシュを常に確認していきましょう。
資金繰りというのは利益ではなく、キャッシュの残高だといえますから。
【おわりに】
コロナワクチンの予約がやっとできました。
ワクチンの効果うんぬんは置いておいて、
「横浜市はワクチン予約が取りにくい。」といわれているは、その通りだよなぁと。
【一日一新】
ケーブルをまとめるチューブ