いくら融資に積極的な銀行員にも、こんな資金使途で銀行融資を申し込むのはやめよう

銀行員は、基本的に融資に積極的といえます。

だからといって、何でもかんでも融資をするわけではありません。


@表参道


銀行員が評価されるのは融資の実行金額


銀行員が「今日も仕事をやりきったなぁ。」と思うのは、朝に行われるミーティングだったりします。

始業時間よりも遥かに早い時間に、毎朝行われるミーティング。

そのミーティングで、重要な議題となるのが融資案件の進捗状況です。

「じぶん、前日ちゃんと仕事をしていましたっ。」

というアピールをしなければならない場が、その朝のミーティングでした。

銀行員だったときには、翌日朝のミーティングで報告ができる融資案件が、1日のうちひとつでも見つけられれば、

「もう、午後からの仕事は流そうかなぁ。。。」

などということを考えていたほど、融資案件の情報を見つけるということは重要な仕事でした。

なので、銀行員というのは「何とかして融資案件を獲得していきたいなぁ。」ということを毎日考えています。

そして、「どんな案件であっても、できる限り融資を実行したい。」といったことも考えています。

銀行員というのは、世の中のイメージよりも融資案件には基本的に前向きなものです。

事業内容や決算書の内容に問題が見つからなければ、

「資金使途なんて詳細に聞かなくてもいっかぁ。」と融資に前のめりになるほど、

「とにかく、融資案件を増やしたい。」という気持ちを持っていたりします。

そんな、融資に前のめりな銀行員でも、「さすがにそれを聞いちゃったら、この融資は棚上げかなぁ。」というお話をしていきます。



知り合いの会社に貸すために融資を受けるというのはダメ


融資の申込みを受けると、「資金使途」というのは、前のめりな銀行員でも確認をすることになります。

「社長、今回の資金使途は何ですか?」と銀行員が訪ねたときに、

「いやー、親族が会社を営んでいるんだけど、そこの経営が厳しいらしくてねぇ。」などということになると、

「えっ、この融資を受けたら、その親族の会社にお金を貸そうとしてるんですか?」

ということだったりすると、銀行員も流石にこの案件から手を引こうと考えます。

「この社長は、なんて男気のある社長なんだろう。凄いなぁ。」

などと考える銀行員はおそらくいません。

むしろ、「社長、それだと資金使途違反になるから今回の融資はできませんよ。」

という話しになり、その融資は受けられなくなります。

銀行融資というのは、その申込をした会社の業績を審査して融資の可否判断をすることになります。

なので、親族の会社に迂回融資をするということは認められません。

もし、このように知り合いの会社にお金を貸そうと考えているのであれば、始めからその会社を銀行に紹介して、融資の相談をしましょう。

「いやっ、銀行から融資を受けられるような業績の会社じゃないんだよね。」

という理由から、迂回融資をしようとしているということもあるでしょう。

しかし、銀行から借りたお金を迂回融資をしてしまうと、今後銀行から融資を受けることが難しくなってしまいます。

だからこそ、素直にその会社を紹介してみるべきです。

もし、その知り合いの会社の業績が悪いのであれば、

「じぶんの会社やじぶん自身が連帯保証人に入るなどして、融資が実行できないか。」

というようなことを、銀行員も検討してくれます。


株式投資などを行うために融資を受けるというのはダメ


「どう見積もっても儲かる仮想通貨があるから、運転資金として融資してくれないか?」

といったような融資の申込みも、その銀行から融資を受けるということは難しいといえます。

「これは確実に儲かりそうだなぁ。」

というように必ず勝てる投資案件というのは、常に相場を見ていれば見えてくることもあるでしょう。

とはいっても、銀行は株式投資などをするという資金使途では、融資をするのは難しいものです。

それこそ、融資したお金で株式や仮想通貨に投資していることが銀行にも判明してしまうと、

「損をしても構わないから、いますぐ売却してください。」

という要求をしてくることになります。

銀行が融資をするのは「あなたの事業のビジネスモデルに勝算があるから。」行うのです。

そのビジネスモデルが、株式などの投資を行うというものであれば、銀行は融資をすることはありません。

なぜなら、銀行にも資金運用の部署があるので、銀行自ら投資をしたほうが得になるからです。

なので、「仮想通貨や株式投資などを行いたいから資金を用立ててくれないか。」というのは、銀行融資としては無理な案件となります。

もし、株式投資や仮想通貨への投資を行いたいのであれば、事業としてではなく個人で行いましょう。

「いやー、でも個人でそれほどお金を持ってないんだよねぇ。」

というのであれば、そもそも投資をすべきではないといえます。

もしくは、役員報酬を高くして、「じぶんで使えるお金」を増やしたうえで、個人で投資を行いましょう。

とはいっても役員報酬を高くすると損益分岐点が高くなり、決算書が赤字になり銀行の評価は下がってしまうこともあります。


まとめ


銀行員というのは、できる限り出会った案件には融資をしたいと考えています。

その融資を受けるにあたって、業績が良くても資金使途が悪いと融資を受けるのは難しいといえます。

だからといって、嘘の資金使途を伝えるのはやめましょう。

銀行員は味方になってくれることもあるので、事業のパートナーのひとりとしてうまく相談してみてください。


【おわりに】

「あぁーじぶんで商売できるようになりたい。」

と思ったキッカケのひとつは、やっぱり銀行員時代の朝のミーティングでした。

やたら空気感が重かったですし、朝も早いのでホント眠かったんですよね。

かしこまった顔をつくるのが大変でした。。。


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