事業のパートナーとして、メインバンクはあったほうがいいんです。
銀行はメインバンクになりたがっている
銀行員時代に新規開拓で飛び込み営業をしているとき、
「御社のメインバンクってどこなんですか?」
と社長に聞くと、
「いまどきメインバンクなんて必要あるの?」
などと逆質問されることがありました。
また、
「もういまの時代、メインバンクなんて必要ないでしょ。」
と言われることも「わりと」あることでした。
とはいっても銀行員をしているときに感じた、
「メインバンクだからこそ取れる行動があるという原理。」はあるものです。
雨の日に傘を取り上げるといわれる銀行ですが、その例外の行動を取ることができるのはメインバンクだけなのです。
じぶんの銀行をメインバンクとして取引をしている会社の経営が傾いているときに、
「うちの銀行は取引先を含めてファミリーだから、今回の融資は実行しよう。」
といった行動が取れるのもメインバンクだけです。
メインバンクだからこそ、銀行として積極的に支援することができ、密なコミュニケーションを取ることができるのです。
会社にとってもメリットがあるメインバンクですが、銀行自体もその会社のメインバンクでありたいと考えているものです。
メインバンクがあったほうがいい理由3選
銀行融資を受ける際には、メインバンクがあったほうがいい3つの理由を挙げてみます。
タイムリーに融資を受けることができる
たとえば、いまのコロナ禍。
最近(2021年2月)の話としても、コロナ融資の条件が変更されたことで銀行員が訪問してきて、
「コロナ融資の枠が増えましたけど、いまの経営状況はどんな感じですか。」
という機会は多いとおもいます。
このようなコロナ融資の枠が増えたということも、まず初めに周知してくれるのはメインバンクの銀行員ということになるとおもいます。
なぜなら銀行員というのは、
「じぶんの銀行がメインバンクとして支援している会社。」
にまずは訪問をしたいものだからです。
メインバンクとして取引をしている会社というのは、現場の銀行員に対しても対人間としての密なコミュニケーションを取ってくれるので、
「訪問をしていても楽しい。」ものです。
なので、お得な情報があった場合には、メインバンクとして取引をしている会社から積極的に訪問をすることになります。
さらに、事業の調子がいまいちな場合にも「なんとかして早めに融資をしよう」と考えて行動をとるのが、メインバンクの責務だと考えています。
経営相談に親身に乗ってくれる
銀行の仕事のひとつは、貸したお金に利息をつけて返してもらうということです。
だからこそ、融資をしている会社が、
「面目ない。もう返済できません。」となるのは非常に困ることです。
融資をメイン業務として行っている銀行員が人事考課で減点対象となるのは、
「他行に融資を肩代わりされることと、融資が焦げ付くこと」です。
銀行員としては、とくにメインバンクとして対応している融資先の会社が、このような事態に落ってしまうのを避けるために、経営相談にも乗ってくれるということがあります。
新規の取引先を見つけてくるという、経営面のアドバイス。
在庫回転や資金繰り改善などに関する財務面のアドバイス。
自動車ローンや教育ローンなどの、事業者個人に関する資金繰りのアドバイスや金融商品の提案。
こういったこともメインバンクだからこそ取れる対応になります。
メインバンクがあることによって、「経営に関する視野が広がる。」という効果もあるものです。
最後まで面倒をみてくれる
銀行員時代に、
「メインバンクのお宅だけが、あのとき助けてくれたんだ。」
「本当に潰れるかもしれないとおもったけど、あのとき助けてくれたからこそ、いまがあるんだ。」
というようなことを言われるような経営者の方々は、ひとりやふたりではありませんでした。
メインバンクがあったことによって経営支援を受けて、たとえば、
「年商が、10億円→3億円→20億円と経営危機を乗り越えた」
というような会社も少なくないものでした。
財務面だけでいったら、
「よくその状態に融資ができるなぁ。」と感じる経営危機の状態でも、融資をして助けるということができるのがメインバンクです。
メインバンクというのは、
「うちが支援しないとこの会社は立ち行かなくなる。」
と常に考えて、
「雨の日に傘を貸し出す。」
もしくは、
「雨の日が来ないように事業内容を深く理解して、雨の日になる前に融資を出しておく。」
ということをするものです。
メインバンクがあったから、最後まで面倒をみてくれるということも世の中には「わりと」あることなのです。
まとめ
銀行融資を受けているのであれば、銀行にも明確に伝わるようにメインバンクを作っておくべきです。
メインバンクがあるからこそ、事業の変革のときにも安心して対応ができるものです。
「メインバンクというものを明確にしておいてよかった。」
長く事業を営んでいると、「そのような」ときはやってくると考えておいたほうが、いいとおもいます。
【おわりに】
読書ができた1日というのは、その日1日が満たされたと感じます。
まったく読書ができない日が続くと、
「新しい考えを仕入れられていなくてストレスがたまるわぁ。」
ってなったりします。
【一日一新】
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