売上が急減しているときに、削減すべき固定費の順番上位3つ

売上が急減しそうな場合には、削らなければならない経費も出てきますよね。


いつもより空いています。


売上高と固定費は連動するわけではない


損益計算書(P/L)を眺めていると、一番上に売上高が来て、それから各種の経費が引かれたり、営業外収益などが加算されている構成になっています

するとあたかも経費があるからこそ、その上に売上が成り立っているような印象になります。

しかし、売上高と経費は完全には連動していないものです。

そして、経営が危機に陥っている際には固定費は大胆に削減をするべきです。

経費の削減というものは、水道光熱費やガソリン代などを「ちまちま」削減していても大きな成果は上げられません。

すると結局は、大きな金額を占めるものを、

「全く必要がない。」として全量を削減するのか、

「数量を減らして、金額を削減するか」のどちらかを選択しなければなりません。

「売上を上げるためには、経費はかけるものだ。」

と考えることもできますが、変動費も固定費も売上とは連動しないものです。

特に固定費は、売上との連動性は薄いもの。

だからこそ、売上が減っている際には固定費をどういう順番で削減していくのかを考えて、実行に移していくことが求められます。


固定費を削減する順番


固定費を削減する場合には、手をつけるべき順番があります。

第一位 役員報酬

まず一番初めに削るべき固定費は、役員報酬になります。

中小企業の場合、役員報酬が人件費に占める割合は非常に大きいものです。

なかには、従業員全員の給与総額よりも社長の役員報酬のほうが高いといった会社もあります。

経費削減の肝は、占める割合が大きい金額を減らすというもの。

すると、役員報酬を減らすことは固定費の削減として、効果が高いものになります。

役員報酬に関しては、平常時には、「不便な暮らしていける金額」よりは多く取るべきです。

決して、「ギリギリ暮らしていけるかどうか」の金額を役員報酬として設定をしてはいけません。

不便なく暮らしていける金額で、通常の場合は役員報酬を取る(それ以上稼がなければなりません)。

そうしておいて、危機時には率先して削減をしましょう。

また、役員報酬に付随して(効果が乏しい)節税のための保険料も同時に削減しましょう。

特に役員にかけている節税保険は、役員報酬の一部といった考えたほうがいいです。

当然、保険は中途解約をすると返戻金といって、元本割れを起こして返ってくるものです。

しかし、「節税のために」に加入した保険というのは、中途解約を予め見越して加入しているものです。

いま目の前に危機が迫っているならば、「将来に向けた」節税保険に資金を使っている場合ではありません。

節税保険は、役員報酬と同等とみなして削減をすべき支出です。

返戻金は、結局は元本割れをするものですから。

第二位 地代家賃

中小企業の固定費として、役員報酬の次に大きなウエイトを占めているのが地代家賃です。

この地代家賃も削減をすると、経営に大きな効果を得られるもの。

地代家賃を削減する際の考え方は、「使っていない・もしくはあまり使わない」地代家賃から減らしていくということです。

駐車場を、必要よりも多めに借りているのであれば、減らす。

店舗展開をしている業種であれば、不採算店舗を閉店する。

倉庫なども本当に必要なのかも検討をする。

このような、地代家賃は業績がいい場合には経営に対するインパクトも小さいものです。

とはいっても、経営が厳しくなってしまったら遊休資産と考えて、賃貸契約を終わらせて行きましょう。

さらに、本社を移転して家賃が削減できるかどうか。

本当に事務所は必要なのかも検討しなければなりません。

そして、自社物件を持っているのであれば売却も検討すべきです。

業績が悪い理由のひとつが、自社物件の購入によるものだったという話しはよくあるものです。

極め付きは、賃料の減額交渉を家主に対してしていきましょう。

そもそも日本の地代家賃は、欧米諸国と比較すると3倍ほどとも言われています。

第三位 人件費

経営というと、

「おれはいままで一度もくびを切ったことがない。」

という話しが、成功する経営者として必要な素質として語られることがあります。

しかし、クビを切る、切らないのが立派な経営者ではなのではありません。

会社というのは、明確な理念をもって、

「いかにして儲けるか。」を戦略立てて実行していく組織です。

その儲けるために合わない人材というのは、どうしても存在してしまうものです。

合わない人というのは、苦渋の決断としてクビにするしかありません。

人件費は、固定費のなかでも大きなウエイトを占めてしまうもの。

経営危機を脱するためには、だれが言ったのかわからない通り一遍等の対応ではなく、経営に対するインパクトの強い経費を削減することが必要なことです。

また、「どれだけ苦しくても従業員のクビだけは切らない。」

といって、経営が立ち行かなくなるのであれば、そもそも

「ひとを雇わない。」

という選択肢もあります。

「ひとを雇って、一人前の経営者。」

なのではありません。

じぶんが儲けた上で、世の中を(じぶんが見える範囲だけでいいのです)幸せにすることが立派な経営者です。


まとめ


売上が急減しているときや、売上減少が見込まれるときには、小さな経費をちびちび削減していても効果は薄いものです。

経営の危機を乗り越えるためには、銀行から融資を受けて資金に余裕を持つこと。

それでも、厳しければ大きな金額を占める経費を削減するしかありません。

やむを得ず、固定費を削減するのであれば今回上げた順番で行いましょう。


【おわりに】

いつも混んでいる道路も空いていました。

明日からは、さらに道路や電車も空いていくのでしょうね。

経済なのか、感染症対策なのかは難しい判断だと思いますが、問題点と改善点が明確に共有されていないことが残念です。


【一日一新】

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