税理士試験に合格をしたら、喜びでいっぱいですよね。
そんな税理士試験に合格して、税理士になることが確実となったら、なるべく早く独立開業をした方がいいです。
今回はその理由を書いてみます。
ひと(所長税理士)のリスクに乗るのは危険だから
税理士試験に合格したから、もう少しで税理士になる。
だけど独立せずに、税理士になる前から勤めていた事務所にそのまま勤めている、ということにもメリットはあります。
給与が保証されていたり(登録を機にその給与が上がることもあることも)、仕事があるという状態はメリットのひとつだといえます。
しかし、それはいまだけのことで、将来も同じ状態が続くとは限りません。
現在(2020年)、税理士事務所・税理士法人は全国に約35,000ほどあり、税理士業界には23〜24万人が働いていると言われています。
すると、これだけ競合がいるのだから、
「もう独立をしても、食べていけるポジションなんてないんじゃ。。。」
と思うかも知れません。
そんなことは、ありません。
わたしが見てきたなかにも、明らかに税理士法違反だといえる記帳代行会社も存在していますし、あやしい相続〇〇士などいった人たちも暗躍います。
これは伝統的な税理士業でも、まだまだ開拓できる市場があるということの一例だといえます。
それでも勤めていると、ハイリターンではないけど、ローリスクだと感じていることでしょう。
でも、勤めているということは、ハイリスク・ローリターンなことです。
これからは、いま以上にインターネットのオンラインの世界が発展していくことは想像できると思います。
そうすると、わざわざ税理士に頼まなくても、税理士業の儲けの柱である、記帳業務や申告書代理作成といったことは、じぶんでできるという世の中になっていくことでしょう。
気がついたら、
「伝統的な税理士業務では食べていけなくなっていた。」
ということにもなっている可能性があります。
このリスクに気がついたときに(もしくは気がつく前に)、ひとの船に載っていては何もできないということになります。
「じぶんで船を操縦ができない」というのは大きなリスクです。
わたしは、今後15年単位(もっと短い可能性もあります)で税理士業界で働く人口は、いまの半分以下になると予想しています。
労働集約型の産業だった(である)、税理士業界が人手が必要とされなくなり、新しい知識や経験を売る場に変わってくることが予想されます。
その際に、この未来が予想できない所長税理士や税理士資格を持たない同僚と仕事をしていると、
「気がついたときには手遅れの状態になり、時代を見誤ってしまいます。」
そうならないために、ひとの船に乗るのではなく、じぶんで船を操縦する立場に身を置いて、向かうべき針路を自ら作っていくべきです。
すくなくとも、税理士はじぶんで船を操縦するのに向いている仕事だと感じています。
お客様の多くは、起業している起業家だから
税理士業のお客様となる方は、多くの場合、起業家であったり資産家などのじぶんの足で立っている方々です。
そのような方々がお客様となっているのに、じぶんが勤め人の状態だと、お客様が感じていることを理解することは難しいものです。
じぶんが独立して、どう生きるかを真剣に考え、実践していっているからこそ、お客様との価値を共有する立場になることができるのです。
たとえば、法人の銀行口座の開設が意外に難易度が高かったり、税金の支払いに感じる痛税感というのは、じぶんで実際に体験をしてみないとわからないものです。
お客様とおなじ立場に立つからこそ、身の詰まった提案ができることになるのです。
「勤めていてもそれくらいのことは、想像できるから。」
と思っているうちは、まだまだです。
お客様のためになりたいと考えているのであれば、独立してじぶんで事業を行うべきです。
わたしは銀行員のときにも、税理士事務所に勤めているときにも、
「本気で商売を行なっている、起業家って楽しそうだな。」
「人生が楽しそうだな。うらやましいなぁ。」
と思っていました。
30代のわたしは税理士としてだと、若手の括りになり(30代の開業税理士は5%ほど)じぶん自身も、
「これからもっと、仕事も人生も楽しくしていかなければ。」
と心が熱く燃えている状態です。
しかし、勤め人の同世代の友人によっては、「もう仕事は楽しくないし、やり尽くした。あとはいかに会社にしがみつくかだ。」
となってしまっているひともいます。
お客様と同じ世界を共有するために、独立開業をする。
そして、ハイリスク・ローリターンの勤め人のときには感じられない、ハイリスク・ハイリターンの世界に身を置くべきです。
もし失敗をするにしても、リスクを取って失敗した経験は誰かのためになることですから。
税金の仕事以外もできることになるから
税理士事務所に勤めていると、ほぼ全ての仕事が税金に関わる仕事になります。
多少の例外として、「手数料欲しさにお客様への保険商品の販売」といった代理店業務もあることでしょう。
それが税理士として独立開業すると、メイン業務を税理士とすることも出来ますし、サブ業務を税理士とすることができます。
税理士として独立したからといっても、税理士としてだけの枠にとらわれる必要がなくなります。
このブログも、本来の税理士業務とはいえないものでしょう。
もし、勤めている状態で、仕事中にこれだけ時間がかかるブログを毎日書いていたら(原稿ひとつ書くのに1時間半からそれ以上かかっています)、間違いなく
「あいつ何やっているんだ。」
となることでしょう。
税理士試験に合格をした、いまが一番若い状態です。
若いほうが、ある程度失敗をしても、周りの大人は許してくれますし、何事にも新鮮な気持ちで接することができます。
資格をとったら、すぐ独立する。
そうして、つまらない波に飲み込まれないようにして、その波を乗りこなせる状態を作っていく。
お客様の悩みを理解することもでき、税理士として税金以外の仕事もしていい。
税理士試験に合格をしたのなら、迷っている時間がもったいないですよ。
【おわりに】
あえて、ひとりでやっている「ひとり税理士」の友人といえる人がいないのが悩みだったりします。
税理士で独立開業している友人は、結構いるのですが。。。
【一日一新】
ある場所での打ち合わせ