ニトリの子会社となる、株式会社島忠の財務資料が気になったので確認してみた

今回は、㈱ニトリホールディングスの完全子会社となることになった㈱島忠(以下島忠)の財務資料を確認してみます。

資料は、すべてネットで取れるもので確認していきます。


年初に株を持っておけば。。。


埼玉県に本社があり、家具・ホームセンターを経営している


島忠は、埼玉県に本社がある家具・ホームセンターを60店舗経営している会社です。

わたしは、10数年前に家具店の島忠に一度行ったことがあります。

その当時の印象としては、それほどいいイメージがあるわけでもない家具屋といった印象でした。

いま住んでいるところの近くにも島忠があるのですが、ホームセンターだったんですね。

家具屋だと思っていて、行ったことがなかったので近々行ってみようと思います。

そんな島忠は、ニトリの完全子会社化となることが決まりました。

どのような経営状態なのか気になったので確認してみます。


島忠の経営状況を確認してみた


直近決算の2020年8月期は、売上高が約1,466億円で前期から約5%売上が伸びています。

当期純利益も黒字で、約64億円。当期純利益率は4.2%ほど。

当期純利益率は3%が日本企業平均というデータもあるので、まずまずの業績と行ったところでしょう。

ただ、これだけだと良い会社なのかどうかが分かりくいですよね。

財務分析というのは、比較してこそ理解が深まるということがあります。

ということで、㈱ニトリホールディングス(以下ニトリ)の経営資料と比較をしてみましょう。

ニトリの直近決算2020年2月期は、売上高が約6,422億円。

売上高は島忠の約4.3倍です。ニトリの方がかなり売上高は高いですね。

店舗数は島忠が60店舗で、ニトリは607店舗。

1店舗あたりで比較する

店舗数に違いがあるので、1店舗あたりの売上高を確認してみます。

島忠は60店舗なので単純計算をすると、1店舗の売上は約24億円。

それに対して、ニトリは607店舗なので単純計算でみると1店舗の売上は約11億円。

お店の平米数などいくつかの違いはあると思いますが、島忠の方が1店舗あたり売上が高いというのは驚きです。

島忠はニトリの2倍以上、店舗売上が高いということになります。

ただ、財務分析で売上よりも重要な指標といえる、粗利益はどうなのかも確認する必要があります。

企業が生み出す付加価値と言われる粗利益で比較してみると、島忠は1店舗当たり約8億円。

それに対して、ニトリは約6億円。

売上高は1店舗約13億円の島忠が高いですが、粗利益で見るとその差は2億円に縮まります

これはニトリの粗利率が55.2%であるのに対し、島忠が33.7%であることが大きな要因です。

ニトリは製造小売業という面で、粗利益が高いと言われている理由がこれで確認できたことになります。

企業の価値は、「売上高よりも粗利益」といわれる理由がこの2社を比べると確認できましたね。

営業利益率で確認する

本業の儲けを示す営業利益率も確認してみましょう。

売上金額が違いすぎる場合には、比率で分析してみるほうが比較しやすいということになります。

島忠の営業利益率は9.3%。

そしてニトリは16.7%となっています。

営業利益率は一般的に10%を超えると超優良企業だと言われています。

島忠の営業利益率も決して低くはありませんが、ニトリと比べると見劣りしてしまいます。

1店舗あたりの営業利益金額はどうか

さらに1店舗あたりの営業利益額を単純計算をして確認すると、島忠は約1億6千万円で、ニトリは約1億8千万円。

なんと1店舗あたりの営業利益額でみると、島忠よりもニトリの方が稼いでいることとなります。

店舗あたりの売上は島忠が高いのに、営業利益金額はニトリの方が上。

これはニトリの稼ぐ力がかなり高いという特徴と、島忠の経営陣としては「稼ぐ力をどう磨くのかという課題を抱えている」と確認できることになります。

自己資本比率を確認する

財務の健全性の目安である自己資本比率も確認してみます。

島忠の自己資本比率は、76.5%。

ニトリの自己資本比率は約82%。自己資本比率はどちらも十分な程あると言えます。

キャッシュフローにおいても、

島忠は営業キャッシュフロー(CF)で、投資CFと財務CFを賄うにはややかけていますが、十分な水準です。

一方ニトリは営業CFで、投資CFも財務CFも賄えており、お金を稼ぐ力も抜群と言えるでしょう。


島忠は決して悪い財務内容ではない


島忠にほとんど行ったことがありませんが(というよりも一回しか行ったことはない)、島忠は収益力も決して低くはなく、財務の健全性も高い会社だということが確認できました。

しかし、島忠をホームセンターのカテゴリーでみるとDCMホールディングスは677店舗、コメリは1205店舗ということで、業界のリーディングカンパニーにはかなりの差を付けられています。

そうすると同業他社との明確な違いを生み出すためにも、今回のようにニトリの買収を受け入れることは納得がいくものとなります。

今回のように、じぶんの会社の決算書を眺めていてよく分からなければ、同業の上場会社と比較してみるとじぶんの立ち位置がより分かりやすくなるということがあります。

簡単に売上金額はどうなのか。粗利益金額はどうなのか。

さらに粗利益率は何%なのか。自己資本比率は何%なのかを確認してみる。

といったように、財務分析の基本の「絶対額と比率」で分析してみるとより分かりやすくなります。

より詳細に分析するためには、各セグメントごとに確認してみなければなりませんが、まずは簡単に確認する。

他の会社の状態を見てみる。

そして、じぶんの立ち位置を確認することはおすすめです。


【おわりに】

サッカーを観ているとメキシコの選手は、そこまで体格が良いわけではないのにうまいですよね。

日本とメキシコの差は、昔と比べても縮まっているような気がしませんでしたね。。。


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