銀行員時代は毎日、営業活動をしていました。
銀行員の醍醐味は、外回りをして融資案件を取ってくること
事業は、借金があるから潰れるのではなく、「お金」がなくなるから潰れるのです。
そのお金をなくさないためには、「借りてでもお金を持つということ。」
そして、その借りるという行為は「借りたいときに必ず借りられる」わけではありません。
銀行員時代に何が辛かったかといえば、新規開拓で訪問していた先に、いよいよ融資案件に進むことになり、決算書をもらうと、
「えっ。興信所の数字とぜんぜん違うし、社長は黒字だって言ってたのに、赤字じゃん。」
「この融資案件、無理めな感じじゃん。」
といったことでした。
銀行のセールスがほかのセールスと異なるものは、
「買ってください。じゃあ買うよ。」
のあとに、
「なら決算書を見せてください。」
という、売る側が審査をするという段階を踏まなければならないことです。
「お客様が買うって言ったんだから、売っちゃえばいいじゃん。。。」
とはならないのが、銀行員のツライこと、
だからこそ、銀行融資というのは
「借りられるときに借りておく。」
ということが、大切なことになります。
銀行員からセールスを受けたらやっておきたい3つのこと
今回は、必死にセールスをしている銀行員が訪問して来たら、やっておきたいことを紹介してみます。
話しをよく聞き、コミュニケーションをとる
銀行員が訪問してきた際に、既存の取引がある銀行でも、まったく取引がない銀行でも、
「多少の時間を作ってでもコミュニケーションを取る。」ことをおすすめします。
銀行員としてセールスをしていたときに、
「銀行員と話しをしてくれて、コミュニケーションを密にする経営者の方は少数派なんだよなぁ。」
といった印象が強かったです。
たしかに銀行員というのは「アポもなく突然やってくる」ということが多いかもしれません。
だからなのか、銀行員とコミュニケーションを取り、話しを聞いてくれるという意識のある経営者の方は、かなり少数派でした。
銀行員がやってきたら、話しを聞くだけでもいいのでコミュニケーションを取ってみるべきです。
時間としても5分から15分程度で十分です。
銀行員といっても人間です。
また、外回りを積極的にしている銀行員というのは、総じて若者の部類になりますので、
「この社長、コミュニケーションが取りにくいなぁ。」
といった印象を持たれてしまうと、
「訪問回数を減らそう。」
「オトクな情報なども特に確認したりしなくていいや。」
などと、銀行員の足が遠のいてしまうことがあります。
常日頃から、銀行員とコミュニケーションを取るだけで、資金繰りが改善することもあります。
思わぬところでは、取引先の紹介などもあり「事業の幅も広がる」ということもあるかもしれません。
銀行員が訪問してきたら、せめて5分程度でいいのでコミュニケーションを取ってみてください。
資料を渡してみる
銀行員が訪問してきた際には、「コミュニケーションをとるようにする。」
それとともに、会社の経営状況などの資料を渡してみることも、銀行員としてもありがたいものです。
銀行員が訪問先の会社からもらうことができるメインの資料というのは、決算書になります。
その決算書は、多くの場合年に1度のものになるので、銀行員というのはリアルタイムの経営状況を知る機会というのは少ないものです。
銀行員がリアルタイムの経営資料を持っていることの効果によって、
「いまの状況なら、設備資金が必要になるのではないですか。」
「売上が下がっているので、認定を受けて保証協会の別枠の融資を考えてみませんか。」
といった、踏み込んだアドバイスをもらうことができるかもしれません。
銀行員に渡す資料の定番としては、直近の試算表や資金繰り表などになります。
また、ただの試算表だと味気なく前期比較などもパッとみて分かるものではないので、グラフなどの資料をつけると、より実のある話しができることにもなります。
そして、銀行員というのはおもっている以上に、取引先の会社の業界状況や、あなたの会社の事業内容というものを理解できていないものです。
なので、じぶんの業界の簡易的な説明や、じぶんの会社の事業内容といったレポートを提出してみるのもおすすめです。
銀行員は、融資をするための材料を常に探しています。
そのなかで、じぶんの会社を資料を見せながらコミュニケーションを取れると、融資が受けられる可能性がグンと上がるものです。
融資提案書をもらう
銀行員が融資の提案にやってきたときには、銀行員に口頭で済ませるのではなく、融資提案書をもらうようにしましょう。
融資提案書というのは、銀行があなたの会社に
「金利は何%で、金額はいくら。返済期限は何年で担保の有無はこうですよ。」
といったことが書いてある書類を、提出するということになります。
銀行員が口頭の約束ではなく、融資提案書を提出するというのは、
「融資に対して本気であるという証拠書類。」になります。
わたしの経験だと融資提案書とういうのは、
「銀行の担当者が勝手に作ることはできず、上司の許可や場合によっては審査部に事前稟議を取る。」
という手続きが必要になることになります。
銀行員とコミュニケーションを取れるようになり、融資のセールスを頻繁に受ける状態であれば、
「その銀行員の本気度を試すため。」
に融資提案書をもらうようにしてみてください。
その場合に大切なことは、銀行員が作った融資提案書が的外れにならないように、
「現在の取引銀行から、金利は何%で借りていて担保の有無がどうなっているのか。」
といったような、現在の資金調達状況を伝えておくということです。
銀行員も、「どのような融資提案を行えば、融資が実行されるところまで持っていけるのか。」
を真剣に考えているので、「他行と競わせる。」ような融資提案書を作って貰うように働きかけてみましょう。
まとめ
銀行員は、既存の取引先にも新規開拓先にもひたすら訪問しセールスを行なっています。
そんな銀行員とコミュニケーションを取ることは、売上を上げることと同等かそれ以上に重要なことです。
「いつも忙しいときに来やがって。」
とおもうこともあるかもしれませんが、
「5分でもいいので時間を作り、事業を強くするため。」
の資金調達を行えるように銀行員とは積極的にコミュニケーションをとってみてください。
【おわりに】
今日は1日ずっとしゃべりっぱなしだったので、疲れました。
電話が頻繁にかかってくる仕事というのは、想像も出来ないくらい大変そうですね。。。
【一日一新】
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