銀行融資を受けようとする際に、「金利が何%か」ということが1番気になるものだったりしますよね。
たしかに金利の交渉も大切なことですが、それ以外にも気にしなければならないことがあります。
銀行から融資を受ける際に、いちばん大切なことは資金使途
「資金に余裕を持ちたいから融資を受けたい。」
「設備投資が必要だから、銀行から融資を受けたい。」
事業を行っていると、いろいろな場面でお金が必要になるものです。
そのときには、自己資金というのは緊急事態に備えてなるべく取っておき、必要な資金は銀行から融資を受けるということが、中小企業の生存戦略で重要なことです。
その銀行融資の申し込みで大切なことは、「なぜそのお金が必要なのか。」
という資金使途の説明です。
資金使途が分かりにくいと、「銀行員も融資の必要性が判断しにくい」、ということがあります。
資金使途を明確にして融資を申し込む。
まずは、ここが銀行融資の基本になります。
資金使途が明確になると、次は「金利が何%で借りられるのだろう。」となりますよね。
たしかに、金利によって返済総支払額が変動するので、金利が何%であるのかということは大切なことです。
しかし、いまは低金利時代。
すると、銀行融資において金利交渉よりも力を入れて優先すべきことがあります。
金利の交渉よりも優先すべきこと
わたしが銀行員のときにも、「金利が〇〇%なら借りてやる。」
と多くの経営者の方に言われました。
金利は確かに大切です。
しかし、銀行融資において、金利以上に大切な要素というものがあります。
今回はそちらを確認していきましょう。
借入金額
資金使途が明らかになったら、
「いくら必要で、いくら借りたいのか。」
を明確に伝える必要があります。
運転資金(売上債権+棚卸資産−仕入債務)を借りようとするなら、何ヶ月分が必要なのか。
設備資金なら、どの設備にいくら必要なのか。
借入の希望金額を借りられないと、その後の資金繰りが厳しくなってしまうので、必要な借入金額の資料を作成し、
「なぜその金額が必要なのか。」
を積極的に銀行員に伝えるようにしましょう。
借入金額は、なぜこの金額なのかという部分は、銀行員が納得するまで伝えていかなければなりません。
「多少減額されても仕方がないよね。」
となってしまうと、「詰めの甘い経営者」だと認識されてしまいます。
返済期間
借入金額を決めたら、「どのくらいの期間で返済をしていくのか。」
という返済期間が非常に重要なことです。
この際の1番のポイントは、「返済期間は長ければ長いほうがいい。」ということです。
「返済期間が長いと金利を余計に支払うことになるから、返済期間は短くする。」
このようなことをいう経営者の方もいますが、「あなたの事業は、毎期毎期必ず一定額の利益を上げられますか。」
と問いかけたいものです。
借入金の返済は、経費にはなりません。
経費にはならないですが、支出をしていかなければならないものです。
返済期間を間違えると、借入金の返済があるために黒字倒産というものが起こってしまうのです。
借入金の返済原資になるのは、「税引き後の利益+減価償却費」になります。
毎期の利益が不安定であればあるほど、返済に困るということも起こりうることです。
返済期間が長ければ、経費にならない返済元金の月々の支払いは少なくなるものです。
元金の支払いが少なければ、黒字倒産になってしまう可能性も低くなります。
返済期間の目安は、「運転資金なら7年以上」、「設備資金なら設備の耐用年数によりも長くする」ことを念頭に借入の申込をしましょう。
「融資が受けられそうだ。」
と安心して、銀行員が返済期間を勝手に決めない(返済期間について、何の指示もない経営者の方は多くいました)ように、返済期間もしっかり交渉しましょう。
振込手数料やインターネットバンク手数料など
低金利時代に金利の交渉をするくらいなら、銀行に支払う手数料の引き下げを交渉してみることもおすすめです。
このようなことを言うと、
よく「えっ。振込手数料って下げられるの。」
と驚かれることがあります。
銀行に支払う振込手数料やインターネットバンクの手数料などは、状況に応じて引き下げることができます。
借入金利よりも、振込手数料が多い場合などの事情があれば、そちらを交渉するということも検討する価値があることです。
「金利の交渉だけではなく、手数料の交渉をしてくるとは、侮れない経営者だ。」
と銀行員に印象付けることは大切なことです。
金利の交渉も大切ですが、金利だけではない手数料の交渉も行なってみることも銀行交渉では必要なことです。
他行と競わせながら交渉をする
銀行融資の基本は、経営に余裕があるとき(最低でも黒字のとき)に借りておくということです。
さらに借入金利を気にしすぎて、ぎりぎりの資金繰りでいくのではなく、融資を多めに受けてお金を多めに持っておくことが重要なことです。
借りられるときに、全力で借りておく。
その上で、借入金額や返済期間に注文をつける。
さらに手数料の減額交渉をしてみる。
じぶんの事業を守れるのは、経営者だけです。
いまの銀行で腕銀行交渉が難しいなら、必要に応じて同時期に複数の銀行に融資を打診して、希望に合う銀行を探してみることも選択肢に入れてみましょう。
赤字になってもお金さえあれば、あなたなら事業をもういちど軌道に乗せられるはずです。
【おわりに】
鬼滅の刃の最終巻が、全国主要紙夕刊に全面広告が載っていますね。
無から有を生み出すという仕事には、頭が下がります。
【一日一新】
あるのり弁当