決算書が黒字でも受けられない銀行融資もあると認識しよう

「うちの決算書は黒字だし。。。」という場合でも、

銀行融資が受けられないケースもあるので認識をしておいたほうがいいものかもしれません。


ジェットコースターの路@かみふらの八景


銀行は黒字決算を求めている


友人から「お金を貸してほしい。」と頼まれた際には、

そのひとが「働いているのか。どのような会社に勤めているのか。年収はどの程度で貯金はいくらか。」といったように、属性を判断して貸すかどうかを判断したりもするものでしょう。

同じように銀行というのも、

「今回の融資の保全は何?。」といったように貸し倒れの懸念を取り除きながら融資案件を進めていくといえます。

その貸し倒れの懸念を取り除くためのひとつの指標が、決算書の業績だといえるかもしれません。

なかでも、決算書の黒字額が大きければ大きいほど「これはいい会社だよね。」などといった会話が銀行内でも繰り広がられてもいくものです。

なので、銀行融資における審査のポイントとしても、

債務償還年数(債務償還年数 = 借入金残高 ÷ (税引後利益 + 減価償却費))の起点となる黒字額が重視されていくといえます。



決算書が黒字でも受けられない銀行融資もあると認識しよう


「債務償還年数的にはいい決算書なのに。。。」といっても、銀行から融資の申込みに対して断られることがあったりもするものです。

そのような「黒字決算のはずなのに。」といっても、銀行融資が断られてしまうケースを挙げていきます。

手形割引

「銀行に融資を断られたけど、この融資形態だけは受けられた。」というのが手形割引だといえるかもしれません。

「なぜ手形割引だけは使えるのか。」といえば、

手形の振出人の業績を確認して「割れるか割れないか。」といったことを銀行員が判断しているからです。

なので、手形割引というのは「手形の振出人に対する信用調査をメインに融資審査を行なう。」といった仕事を銀行員は行っていくといえます。

その振出人がじぶんの銀行の他の支店との取引があればその支店に問い合わせることになりますし、他の銀行であればメインバンクに業績について問い合わせをしたりするものです。

「この会社の手形を割り引いても大丈夫そうですか。」と。。。

だからか、じぶんの会社の業績には問題がなくてもその手形振出人の業績が悪い場合には、

「この会社の手形は割れないんです。。。」といったことが生じるといえます。

銀行というのは他の銀行や帝国データバンクなどとある程度情報のやり取りをしているのです。

そのようななかで「この会社は資金繰り不安が囁かれているから。。。」という理由で、じぶんの会社の業績に関わらず手形割引を拒否されることもあったりするといえます。

信用保証協会付き融資

銀行員にとっても会社にとっても取り扱いやすい融資形態が、信用保証協会を保全とした信用保証協会付き融資だといえるでしょう。

それこそ、信用保証協会付き融資であれば、

「保証協会の書類を貰っちゃえばもうこの案件の仕事は終わり。。。」だと感じるくらい銀行員にとって楽な融資形態だといえるかもしれません。

だからか、銀行員が毎日行う行内ミーティングで、

「これは協会を使います。」などというひと言を発するだけで支店長決裁が取れたものだとして動いていけるともいえます。

とはいっても、信用保証協会付き融資には「限度額。」となる枠があったりするもの。

なので「協会の無担保枠が上限の8,000万円まで行っているので協会付き融資は難しいです。」などと決算書の業績が良くても銀行員に言われたりもするのです。

その際には「一般枠だと難しいので別枠を使うために認定を取ってきて欲しい。」などと銀行員から別枠での提案もあったりもするかもしれません。

とはいっても「信用保証協会には枠という保証限度額がある。」ということを意識しておかなければ、

たとえ決算書の業績が良くても、保証枠が上限まで達していて融資が受けられなかったりもするものです。

プロパー融資

「銀行融資は黒字決算のときほど必要ない。」などと考えるのではなく、

「黒字決算のときほど銀行融資を受けるべきだ。」というのが銀行融資対応のひとつの鉄則だといえるでしょう。

そして、その黒字額が大きければ大きいほど銀行融資が受けられる金額も増えるといえます。

ただ「うちは黒字決算だから。。。」といっても、プロパー融資を受けることが難しい場合もあったりするものです。

たとえば「うちの銀行は最低でも1億円の年商がなければプロパー融資は取り扱わない。」

というように、銀行は黒字決算であることだけではなく売上規模もプロパー融資の条件としていたりするからです。

なので「プロパー融資って年商でどのくらいまでいったら受けられるの。。。」と担当の銀行員に聞いてみるといいでしょう。

「うちは5億円は必要です。」という銀行もあれば、

「社長が住宅ローンを使ってくれているから、御社なら通常の年商要件よりも下げられそうですよ。」といったアドバイスを受けられたりもするかもしれません。

少なくとも「決算書が黒字決算だから。。。」といっても、プロパー融資を受けるためには売上規模も銀行は求めていると考えたほうがいいでしょう。


まとめ


決算書が黒字でも「受けられない融資がある。」と考えて、

「どのような融資をいつ受けるのか。」といった戦略を練ることも銀行融資対応には必要だといえます。


【おわりに】

やっとイーロン・マスク氏の伝記の上巻を読み終えました。。。

Xドットコムの話をピーター・ティール側以外からきちんと聞けたのがハイライトでしたし、マスク氏のすべてを疑うというスタンスは勉強になります。

少なくとも「細かい数字を確認する社長は腕が立つ。」というわたしの認識は間違っていなかったんだなぁとも。。。


【一日一新】

豚キムチ(自炊した)

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