「決算書の中でこれを増やすことを意識する。」ということも銀行融資対応には必要だといえます。
銀行員とのコミュニケーションの回数を増やしたほうがいい
銀行員だった頃も税理士となっているいまも、
「社長はもう少し銀行員とコミュニケーションを取ったほうがいいかも。。。」とは感じたりもするものです。
それこそ「業績が良いときには銀行員に会いたがるけど、悪いときには逃げるようになる。」という方を見ると残念な気持ちにもなったりするといえます。
「業績が落ち込んでいるときこそ、銀行員はその後の動向を気にしているんですよ。。。」と。
また「銀行員とのコミュニケーションがうまい社長。」といっても、
「難解な財務指標をベースにIRをする。」ということはなく、試算表を見せて現状を感想ベース伝えているだけだともいえます。
そのような「感想ベースのコミュニケーション。」だったとしても、銀行員としたらありがたいものだといえるかもしれません。
「ほとんどの社長があまり業績や動向を伝えてくれない。」とも銀行員は感じていたりもするので違いをつくれているといえるものです。
銀行融資を受けやすい決算書にするために増やしたほうがいいもの
「社長とのコミュニケーションをもっと増やしたい。」とも考えている銀行員。
それ以外にも「決算書でこれがもう少し増えると融資が実行しやすくなるかも。」といえるものを3つほど挙げていきます。
利益
「なるべく売上高の大きい会社と取引をしたい。」
「できれば上場会社に切り込みたい。。。」といったことを銀行員は考えていたりもするといえます。
それこそ「新規開拓をする際は年商で10億円以上の会社を狙うように。。。」といった指示を飛ばす支店長もいたりもするものです。
だからか、事業を営んでいると「売上高を追う。」ということを考えたりもするものでしょう。
「売上高が大きければ業界でも銀行にも大きな顔ができるから。」と。
たしかに、銀行員としても売上高が大き会社の方が取引をしていて誇らしい気持ちにはなるものです。
また、売上高が大きい会社だと運転資金も多額になるので、融資実行額が増えて目標数字を達成しやすいと考えたりもするのです。
とはいっても、銀行融資を受ける際には売上高よりも利益額を重視すべきだといえるでしょう。
たとえ、売上高が大きい会社でも赤字体質だと、
「あの会社は売上高は大きいけど、もう身動きが取れない赤字会社だから融資対応は慎重に。」などと銀行員も前向きな対応ができないこともあるといえます。
そして「融資を実行できるかどうか。」といったことは、利益をベースにした債務償還年数といったものがひとつの指標になるものです。
この債務償還年数が10年以内に収まっていないと、
「格付けをやっているだけで、本部にやんや言われる。。。」といったこともあるものです。
なので「決算書は売上高を追いすぎるのではなく債務償還年数のベースとなる利益を増やすことを意識する。」としていく必要があるといえます。
預金額
銀行員というのは融資先に対して常に不安を抱えているともいえるものです。
「あの会社に融資を実行したけど潰れないよね。。。」といったことは常に頭の片隅にあったりするといえるかもしれません。
そのような「せめてじぶんが担当している間は倒産しないでほしい。。。」
などと考えている銀行員からすると「預金額が少なすぎる。。。」と感じる会社は怖いものです。
たとえば「月商1ヶ月分の預金残高もない。。。」というような決算書であると、資金繰りに対して銀行員も不安になるといえます。
なので、銀行の預金残高というのは「一定額を保つ。」ということを意識したほうがいいものでしょう。
また、銀行員というのは定期的に担当先の預金口座の動きを見ていたりするものです。
特に融資を実行した直後などは、
「融資されたお金がどのような動きになっているのか。。。」といったことに注目しながら預金口座の動きをチェックしていたりします。
そのなかでも「融資を受けたあとすぐに全額が引き出されて、返済日間際に返済額分の入金があるだけ。。。」という預金口座だと、倒産の危険性も感じて次の融資に取り組みづらくなるといえます。
だからこそ、融資を受けている銀行とは「預金口座の動きも見られている。」と考えて、預金取引を一定程度行っておくべきなのです。
それこそ「融資を受けている金額が最も多い銀行だから、あの銀行はうちのメインバンク。」だと思っていても、
「預金取引が融資の返済程度しかない場合。」には、銀行はその会社のメインバンクだと認識していないといえるかもしれません。
なので「預金残高は最低でも月商の1ヶ月分は維持するようにし、融資を受けている銀行とは預金取引を増やす。」ということは行っておくべきです。
そして「預金残高を月商の1ヶ月分以上確保するために融資を活用する。」ということもありだといえます。
借入残高
「業歴もそこそこ長く、決算書も利益傾向。」
「だけど、銀行融資を受けたことがない無借金経営の会社が融資取引を申し込んできた。」といった場合でも、
「優良企業がうちの銀行と融資取引を始めることになった!。」などと銀行員が喜んだりはしないものです。
むしろ「いままで無借金経営だった会社が、なんでいまさら融資取引を始めるんだろう。。。」と銀行員は疑心暗鬼になったりするといえるかもしれません。
などというように、銀行融資を受けることが見込まれる業種であれば無借金経営の期間が長過ぎると銀行員に警戒されるといえます。
なので「銀行からは融資を受けておく。」ということは、事業における資金繰りのイロハだといえるものです。
それこそ「少なすぎる預金残高には警戒を示す。」というのが銀行員の心理だといえるので、
「融資を受けてでも預金残高は増やしておく。」ということも必要だったりするのです。
そして、銀行というのは融資取引を始めることで「その融資先の会社の情報が蓄積されていく。」といえます。
だからか、銀行融資取引を重ねている会社であれば「赤字決算だったとしても融資が受けられる。」ということもあったりするといえるかもしれません。
そんな銀行融資を受けやすい状態にするためには、
それほど資金需要がなくても「近くの地方銀行や信用金庫から融資を受けておく。」といったことも必要だといえます。
また、融資実行額が大きい会社の方が担当も付きやすく、その担当者とコミュニケーションを図りやすくなるとはいえるものです。
たしかに「運転資金として月商の6ヶ月以上となる融資残高は怖い。。。」というような借りすぎシグナルはあるものですが、
「銀行融資を常に受けておく。」ということも、いざというときにための事業にとって必要な装備品だと考えてみるべきでしょう。
まとめ
決算書の中でもこのような数字を意識してみると銀行融資での一助となるといえます。
【おわりに】
税理士として裁決事例や裁判例をわりと読みますし、大学院に行っているので読み慣れているとは思っています。
そんななかで感じることのひとつが、1文を短く区切って「。」をもっと使ってほしいなぁと。。。
文章が読みやすい税理士の方のブログを読んで、そのあとに裁決事例などを読むと読みにくさをより感じちゃったりも。。。
【一日一新】
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