「新規の融資申し込みが断られたら即リスケ(条件変更)を申し込む。」といったことも必要に応じて行なっていきましょう。
新規の融資が受けられないこともある
「昔よりは銀行融資が受けやすくなっている。」ということはあったりするものでしょう。
かつては多くの銀行が「旺盛な資金需要に胡座をかいていた。」という状態もありましたが、
いまは融資先の奪い合いが続いているといったこともあるものだといえます。
だからか、事業性評価融資や経営者保証に頼らない融資の推進が金融庁から求められていることもあり、
「銀行融資は申し込みさえすれば受けられるもの。」と考えられている事業者の方も少なくないものかもしれません。
たしかに、銀行融資というのは「資金使途とタイミングを間違えなければ受けられる可能性は高くなる。」といえるものです。
それでも銀行融資を申込んだ際に、
「御社への支援はもう難しい。。。」などと銀行員に言われてしまう場合もあったりするものでしょう。
このように「銀行に融資を断られたけど資金繰りが。。。」という状況に陥った場合には、
「新たに融資を行なってくれる銀行を探す。」ということではなく、既存の銀行融資をリスケ(条件変更)するということも検討していくべきだといえます。
新規の銀行融資が受けられないなら即リスケ(条件変更)を申し込むのもあり
それでは「新規融資の申込みをしたら断られた。。。」という場合には、リスケを申し込むのもありだという話を挙げていきます。
リスケは資金繰りを助ける効果がある
「銀行融資をリスケすると新規融資が受け難くなるから、リスケではなく新規の融資を受けられるように動く。」と選択する方もいるものでしょう。
たしかに、銀行融資をリスケすると他の銀行であっても新規融資を受けることがかなり難しくなるといえるものです。
とはいっても、銀行に融資を申込んで断られる(謝絶される)ことがある場合には、
「他の銀行でも融資を受けることが難しくなっている財務内容。」という可能性も少なくないといえます。
それこそ銀行融資というのは「債務償還年数(借入金の残高÷(税引き後当期純利益+減価償却費)は10年以内である必要がある。」
などというように、決算書が十分な黒字でない場合には「どの銀行に行ってもそれほど融資姿勢は変わらない。」ものです。
なので「受けられる可能性が低い融資を目指して銀行回りをする。」となると少なくない時間を浪費してしまうといえます。
だからこそ「メインバンクに新規融資を申込んで断られた場合にはリスケの申込みに切り替える。」と考えてリスケへの対応を視野に入れるべき場合も必要だといるでしょう。
たとえば、銀行借入の元金返済が毎月100万円だとすれば、1年間リスケをすることで新規融資を1,200万円受けたことと同じだけの効果があるといえるものです。
銀行員も次はリスケになると考えながら融資をすることもある
「融資業務をメインとして行なっている銀行員は融資を実行してナンボだ。」といっても、
その融資案件のなかには「この会社への融資は今回が最後で次からはリスケでの対応だろうなぁ。。。」ということも考えていたりするといえます。
なぜ、銀行はわざわざリスクとなるようなリスケに応じるのかといえば、
「中小企業を支援するため。」ということと共に「貸し倒れになるよりはマシ。」という考えもあるからです。
それこそ定期的に人事異動する銀行員というのは、
「じぶんが担当している間には、担当している会社が潰れずに持ちこたえて欲しい。」とも考えているものです。。。
だからか、新規融資の実行が難しい会社から融資申込みの依頼があった際には、
「この会社はリスケへの対応に切り替えていこう。」などと段取りを組んでいるともいえます。
なので「資金繰り改善のためには必要なこと。」と考えて臆せずリスケの申込みをしていきましょう。
多くの信用金庫や地方銀行などであれば、リスケに応じてくれる場合がほとんどだといえます。
リスケは元金返済0円を鉄則としてまずはメインバンクに申し込むべき
「新規融資を申込んで無理筋ならリスケの申込みに切り替える。」といっても、取引銀行への順番は間違えてはいけないといえます。
リスケを依頼する順番は、まずはメインバンクからにすべきです。
もし、先にサブバンクにリスケの申込みをしてしまうと、
「メインバンクの〇〇銀行さんはどういう対応なんですか。。。」などというように、まずはメインバンクの了承を取ってきて欲しいと促されるでしょう。
なので、新規融資が難しそうな場合にリスケの申込みを2段構えで備えているのであれば、メインバンクにこの話を最初にすべきだといえます。
銀行融資というのは「メインバンクがそう言っているなら仕方がない。。。」などというように、メインバンクの動向を見て横並びになることも少なくないものなのです。
だからこそ「リスケを検討しているならメインバンクから順に申し込む。」というように順番を間違えないようにしていきましょう。
また、リスケというのは「資金繰りが重たいがために行う。」といえるので、
「元金返済は0円。」というように元金の返済をしないリスケジュールを組んでいくべきだといえます。
リスケといっても銀行員としては「多少の元金は返済して欲しい。。。」と提案をしてくることもあるものです。
そんなことがあると「元金返済が減るから多少は返しても。。。」と考えるかもしれませんが、そのような考えを持ってはいけないといえます。
「まずは支出を減らす。」
という資金繰りの鉄則を守るために、元金返済を行わない意思を強く持つべきです。
そして、複数の銀行に対してリスケをする際にも「寸分違わずすべての銀行に対して同じ対応を取る。」といった意思をブレずに持ち事業計画書をつくっていきましょう。
「あの銀行だけはどうやら元金返済も行なっている。」などということが判明すると、銀行員とすれば融資回収に走ることもあるものですから。
まとめ
「新規融資が断られた場合にリスケを申し込む。」という選択肢を持つことも資金繰りには必要だといえます。
【おわりに】
サッカーでゴールを取れるかどうかは、ボールをどれだけ縦にパス(縦パス)を入れられるかが明暗をわけるんです。
それも「ディフェンスから縦パスを入れられるか。」といったことや、
「ボランチから縦パスを入れられるか。」という後ろの選手からの縦パスが大事なんですよね。
などということをわざわざ言いたくなるのが日本対コスタリカの試合を観ていた際の感想かなぁと。。。
【一日一新】
メガバンク銀行員ぐだぐだ日記 (このシリーズを初めて読みましたがおもしろかったです)