銀行員は、それほど労力をかけることなく決算書の財務指標を確認することができます。
そのようなときに、
「なぜこんなに回転日数が増えているんだろう。」ということは気になるものです。
銀行員はあらゆる財務指標を簡単に確認することができる
銀行員が決算書を預かると、その決算書の数値を分析することになります。
「決算書の数値を分析する。」といっても、
「電卓をガンガン叩いて、財務指標をはじき出していく。」 という場面は少ないといえます。
大まかな数値を探るために「軽く電卓を叩く」ということはありますが、
「あらゆる財務指標を分析するために電卓を使う。」ということは、ほとんどないものです。
「じゃあ、銀行員は財務指標をどうやって確認するの。」
といえば、預かった決算書の数値を銀行のシステムに入力をするということを行います。
そして銀行のシステムに入力をすると、あらゆる財務指標が示されるのです。
その財務指標には「その会社の過年度分の推移や同業他社と比較した数値。」が確認できるようになっています。
そんな数値を確認しながら銀行員は、
「ここの指標は少し心配だなぁ。」というようなことを考えたりするものです。
こんな回転日数が増えている決算書は怖いと感じるもの3選
それでは銀行員が決算書の数値を確認していくなかで、
「こんな回転日数が増えている決算書は怖い。」と感じるものを3つほど挙げていきます。
売上債権回転日数が増えている
「売上債権回転日数が前期よりも増えているなぁ。」
というのは、銀行員にとっても注目をしている指標だといえます。
その売上債権回転日数というのは、売上に対する売掛金などの売上債権の割合になります。
売上債権回転日数を確認することで、
「売上債権はどれくらいの日数で、お金として回収されているのか。」を計っているといえます。
売上債権回転日数というのは、
「短いほど売上債権が現金化できるまでの日数は短くなり、資金繰りが安定することになる。」といえるでしょう。
そして、売上債権回転日数が短いほど、運転資金も少なくてすむということになります。
その売上債権回転日数は、次のように計算されます。
この売上債権回転日数が前期よりも異常に増えていると、
「架空売上の計上を行なっているのではないか。」というような疑念を銀行員は持つものです。
また、同業他社と比較して回転日数が長い場合にも、詳細な説明を求めることになるといえます。
在庫回転日数が増えている
「在庫回転日数が前期よりも増えている。」
「そして粗利益率がよくなっているなぁ。」
というような決算書も、
「何かしらの調整を加えているのでは。。。」ということを銀行員は考えるといえます。
在庫回転日数というのは「商品(在庫)を仕入れてから何日程度で販売できているのか。」
ということを示している指標になります。
そして、在庫回転日数が短い方が現金化されるまでの期間が短くなるといえます。
なので、この日数が前期よりの増えているという場合は「売れない在庫を抱えている。」ともいえるものです。
その在庫回転日数というのは、次のように計算されます。
この在庫回転日数が、前期以前の決算書などと比較をしてあまりにも増えていると、
「在庫の状態を確認させてもらえませんか。」
ということを1度ではなく、何度も銀行員が実施調査を行なうことになるともいえます。
仕入債務回転日数が増えている
「仕入債務回転日数が増えている。」
というようなことも銀行員は気になるといえます。
仕入債務回転日数とは「商品を仕入れてから代金の支払いをするまでの期間。」を示している指標になります。
その仕入債務回転期間を日数単位で計算する場合には、次のように計算されます。
「入金は早く、支払いは遅く。」
という格言からすれば、
「支払債務回転日数が長いほうが、手元にお金が残り資金繰りは楽になる。」といえます。
とはいっても、銀行員というのは前期以前の数値や同業他社比較の数値と差がありすぎると違和感を感じるものです。
「もしかしたら、資金繰りに追われていて仕入債務の支払いが遅れているのではないか。」
ということを考えてしまいます。
また、仕入債務回転日数が短くなっているのに、売上債権回転日数が増えている場合には、
「仕入れを抑えているっぽいのに、なんで売上が増えるんだろう。」というようなことを考えるのが、銀行員だといえるかもしれません。
まとめ
銀行員というのは融資に対して積極的な姿勢である反面、貸し倒れに対してもかなり神経を使っているといえます。
なので、今回挙げたような指標が変化していたりすると、
「この融資はやめておいたほうがいいかも。」ということを考えるものだったりします。
もし、今回挙げたような指標が前期以前と比較して大きく変わっていることに対して理由がある場合には、
「資料を見せながら」銀行員にしっかりと説明をしたほうがいいでしょう。
銀行員が納得をすれば、融資に不利になることもないでしょうから。
【おわりに】
決算書の数字を銀行のシステムに入れる際に、たまに間違えることもありました。
そんなときには改めてすべての数字を入れ直すのですが、本部に嫌味を言われるということがあったなぁと。
「何回、そういうこと(ミス)をするのか。」
ということをカウントしてるんですよね。銀行って。。。
【一日一新】
マクドナルド アイスティ