銀行融資を受けるなら、戦略的に銀行を選ぼう

銀行融資を受けようとするなら、銀行を戦略的に選ぶべきです。



融資を受けようとする銀行を選んで、融資の申込みをしよう


起業をしたんだから、夢は大きく。

だから、取引銀行も一流の都市銀行から融資を受けよう。

このように経営者の方と話していると意外に多いのが、都市銀行と取引をしているということを自慢されるという方。

銀行員時代にも、地方銀行に勤めていたわたしが融資開拓に行くと、

「うちは、都市銀行としか取引をしないから。」

と言われる経営者の方が一定数いました。

都市銀行とは、三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などのメガバンクと言われる銀行を言います。

いわゆる日本の銀行のなかで、トップとされる銀行を指します。

せっかく一念発起して、起業をしたんだから、夢は大きく、取引先も名前の知れた一流のところと取引をしたい。

その気持は、わかります。

しかし、融資を受けるための銀行は実はそれぞれ特徴があるのです。

赤字でも直ちに倒産することはないですが、資金がなくなればすぐに倒産します。

その資金調達で、無駄な失敗をしないように経営者なら、銀行の特徴を認識しておきましょう。


融資取引が可能な銀行の目安を知る


銀行は、同じような看板を掲げていても、ジャンルが違います。

日本には銀行の種類として、都市銀行(メガバンクなど)、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、政府系金融機関(日本政策金融公庫など)などがあります。

これらは、個人の預金取引をするなら、家の近所にあるということや、利便性の高いネットバンクにするなどに重点をおいて、何ら問題はありません。

しかし、事業を行っていて融資を受けようと考えているなら、どこに融資を申し込むのかは考えたほうが良いです。

銀行のジャンルによって、融資の難易度が変わってくるものなのです。

一般的に融資を受ける難易度としては、次のような感じになります。

都市銀行>地方銀行>信用金庫=政府系金融機関

政府系の金融機関は比較的に融資が受けやすく、都市銀行は比較的に融資が受ける難易度が高くなります。

年商をひとつの目安に選ぶ

では、どのような基準でその銀行を選ぶと良いのでしょうか。

それは、その会社・事業の年商(売上)をひとつの目安とする考え方でいきましょう。

じぶんの事業の年商で付き合う銀行を意識したほうがいいその年商の目安は、以下のような基準になります。

年商10億円以上の場合→都市銀行

年商1億以上の場合→地方銀行

年商1億円未満の場合→信用金庫

創業間もない場合→日本政策金融公庫

このように銀行は、利益額や利益率といった指標の前に、年商がどのくらいだから審査の土台に乗せようということになっています。

「うちは自己資本比率が80%を超えているから、都市銀行から融資を受けられるらしい。」

こうコンサルタントに言われたとしても、その年商が1億円ほどであれば、都市銀行から融資を受けることは難しいことになります。

また、都市銀行であったり、地方銀行の旗艦店舗だと融資実行額のノルマが高めだったりします。

すると融資金額が少額だと、その銀行の担当者としても、たいして営業成績に影響しないので、やる気が出てこないといったこともあります。

その銀行がいくら中小企業の味方と宣伝していても、ほとんどの銀行や銀行員は、名前の知れた企業と取引をしたいと考えています。

上場会社を担当先に持っていれば、飲み会の席でひとつのネタにできるものです。

そのような目線を持っている中、まだ何者でもない会社がステージに合わない銀行から融資を受けたいと言っても、その審査が後回しにされてしまうこともあります。

また、リーマンショックのような緊急事態には、都市銀行ほど融資を引き上げるのが早かったものです。

すると、年商が10億円以上でも地方銀行や信用金庫と取引をしたほうが良いといったこともあります。

むしろ支店の重点先として、いろいろと融通を聞いてくれるということもあります。

年商が50億円程度までであれば、地方銀行や信用金庫をメインバンクとして良いのではないかといえます。

鶏口となるも牛後となるなかれ

銀行取引でもこの言葉は活きています。

年商を目安にし、じぶんのステージに合った銀行を使うことが経営戦略として必要なことです。


一行取引だけは、絶対にしないこと


「じぶんのステージに合った銀行と取引をしている。」

と言えるあなたでも、一行取引だけは絶対にしないほうがいいです。

「むかし経営危機のときに助けてくれたのが、〇〇銀行だからうちはその銀行以外とは付き合わないんだ。」

たしかに、そのときはその銀行が親身になって助けてくれたのでしょう。

しかし、一行取引は銀行にとって都合が良いことだけです。

むかしの恩義を感じてくれているから、「金利を高めに取っておこう。」というのは銀行の実情として良くあるものです。

また、高めにとっている金利を、いまさら自行の理由だけで下げられない、ということもあります。

それが複数の銀行と付き合いであれば、メインでない他の銀行が金利についての提案やアドバイスをくれます。

そうして、複数の銀行と付き合うことで金利の競争や、振込手数料などの手数料に優遇措置があったりするものです。

銀行はステージに応じて、付き合う銀行を考える。

そして、どこか一行の取引比率はメインバンクとして大きくしながら、複数の銀行と付き合ったほうがいい。

これが事業戦略上の銀行取引の鉄則です。


【おわりに】

税理士も名前だけが立派なところよりも、銀行取引と同じように、目線がおなじ税理士を見つけて、ビジネスパートナーとした方が、その事業は安定するんですよね。


【一日一新】

コストコ マフィン

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