「信用保証協会の使い方。」というのも銀行融資取引では意識していきましょう。
銀行融資はタイミングが大切
「売上が好調。」
「利益も絶好調。」
というような状態だと「銀行融資を受ける」という行為はそれほど難しくないといえます。
それとは反対に、
「売上が減少傾向で、黒字にも程遠い。。。」などという場合には、銀行融資が受けられる可能性も低くなるものです。
なので、銀行融資というのは「タイミングを逃さないようにしたほうがいい。」といえるかもしれません。
そして、銀行融資を受けるタイミングが抜群に揃っている状態であれば、
「信用保証協会の使い方。」というのは、事業の本業として真剣に考えていくべきだといえます。
業績が好調であればあるほど「融資が受けられればいい。」といったような考え方はやめておくべきです。
こんな信用保証協会の使い方はやめたほうがいい3選
それでは「こんな信用保証協会の使い方はやめたほうがいい。」というものを3つほど挙げていきます。
プロパー融資を信用保証協会付き融資で返済すること
銀行借入の本数が増えてくると、
「毎月の返済額が増えて大変だ。。。」ということも起きるものでしょう。
この「毎月の返済額が増えて大変。」という状態を解消するためには、
「条件変更(リスケ)する。」ということではなく「借り換えをしていく。」ということがひとつの手段だといえます。
このような事情で銀行員に対して、
「既存の融資を借り換えて一本化したい。」などといった相談をすることもあるでしょう。
その際に銀行員からの提案として、
「じゃあ、既存の融資を一本化しましょう。」というような提案を受けることもあるといえます。
とはいっても「既存の融資がプロパー融資であった場合。」には注意が必要だといえるでしょう。
たとえば「既存のプロパー融資を一本化するために、信用保証協会を使いませんか。」
というような提案を銀行員が行うことも少なくないからです。
しかし、このような提案を受けるのはやめておくべきでしょう。
信用保証協会付きの融資というのは、限度額というものがあります。
なので「信用保証協会の枠というのは、なるべく空けておく。」という意識をもって銀行融資対応を行なうべきなのです。
もし、信用保証協会の枠が空いている場合には、プロパー融資が受けられないときでもその枠が使えることも少なくないといえます。
だからこそ、プロパー融資の返済で「信用保証協会の枠を使ってしまった。。。」という事態は避けなければなりません。
たしかに、プロパー融資の返済を信用保証協会を使った融資で行う「旧債振替」というものは禁止行為のひとつだとされています。
ただ、銀行員とすれば「その禁止行為の旧債振替は難なくできる。」ともいえるものです。
借入の本数が増えて資金繰りが重たいのであれば「信用保証協会付き融資を単独で受ける。」ということを選択肢に入れていきましょう。
手形割引を使っていないのに手形割引の極度額で信用保証協会を使っている
手形取引などが多い会社では、
「手形割引」といった形態の銀行融資を受けることもあるでしょう。
この手形割引という融資は「手形を割るたびに銀行員は融資稟議書を書かなければならない。」という仕組みになっているといえます。
なので「手形割引でいちいち融資稟議書を書くのは手間だよなぁ。」と銀行員は感じている場合もあります。
この手間を省くためにも、さらには手形割引の実行スピードを速めるためにも、
手形割引を一定額までスムーズに行える限度額を定める「手形割引の極度額を設定する。」ことになります。
そして、この手形割引の極度額の設定にも信用保証協会の保証を使うことがあるといえます。
ただ、手形割引の極度額の設定で信用保証協会を使う場合には、
「手形割引が1円もない状態。」だったとしても、極度額分の信用保証協会の枠を使っているということになります。
もし、「かつては手形割引を頻繁に使っていたけど、いまは手形割引を使っていない。」
という状態であれば、手形割引の極度額を外していくべきだといえます。
この極度額の存在を忘れていると、
「信用保証協会の枠が一杯なので、今回の融資は見送りにさせてもらいます。」などということも起こりかねないものです。
「手形割引の極度額で信用保証協会の枠を使っている。」ということは、銀行員としても見落としがちだったりもします。
だからこそ「信用保証協会の枠をどう使っているか。」ということは意識しながら使わない極度額は外していきましょう。
プロパー融資が受けられるかどうかを聞かずに信用保証協会の融資を受けるということ
銀行員が融資の手続きを行う際に最も簡単に実行できる融資商品といえば「信用保証協会付きの融資。」だといえるでしょう。
「銀行融資を受けるためには事業計画書が必要だと思っていたけど、そんなものは求められなかった。」
「銀行融資には資金繰り表は必須だと思っていたけれど、資金繰り表の提出は求められなかった。」
「銀行融資では、受注工事明細表などの未来の売上根拠資料などの提出が求められると思っていたけど、銀行員からはそんな話は全然出てこなかった。」
などというように、
「銀行融資を受けるのはネットで言われているよりも簡単なものだった。」というような経験をされている方も少なくないでしょう。
「なぜ簡単に銀行融資が受けられたのか。」
という理由のひとつには「信用保証協会を使った融資だったから。」ということもあるといえます。
とはいっても注意しなければならないのは、
「本来はプロパー融資が受けられる決算内容なのに、信用保証協会付き融資ばかり受けている。」ということです。
銀行融資というのは、
信用保証協会を使った融資よりもプロパー融資の方が求められる資料も多く、説明しなければならない事項も多いので受けることが大変だといえます。
ただ、プロパー融資というのは信用保証協会付き融資のように、
「信用保証料」といったものは存在せず、 信用保証協会のように「一律の限度額。」というものも存在しないものです。
なので、銀行融資を受ける際にはプロパー融資が受けられるのであれば、
「たとえ表面上の金利が信用保証協会付き融資の金利よりも高かったとしても、プロパー融資を受けていくべき。」だといえます。
とはいっても、銀行員は、
「信用保証協会付き融資の枠が空いている場合。」や「1行取引しかしていない場合」などには、
「プロパー融資の提案を積極的にする。」ということは手間がかかるので少ないものです。
だからこそ銀行融資の申し込みをする際には、
「今回は信用保証協会付き融資ではなくプロパー融資で申し込みたいんだけど。」というようなひと言は添えてみましょう。
ひとつの目安として、年商が5億円を超えている状態で債務償還年数に大きな問題がなければ、「プロパー融資を受けられる要件は整っている。」ともいえます。
まとめ
「信用保証協会の枠を無駄に使わない。」ということも銀行融資においては必要な戦略だと言えます
【おわりに】
ひさびさにメガネを買いました。
税理士業界に転職してからどんどん視力が落ちていっているという。。。
【一日一新】
熱海城