「赤字体質の会社なのに、これが決算書に載っているのかよ。。。」といった印象を銀行員に持たれないようにしていきましょう。
なんとか上司を説得したい銀行員
「赤字体質の会社と黒字体質の会社ではどちらのほうが融資を受けやすいのか。」といえば、当然黒字体質の会社だといえるものです。
なぜなら、黒字会社であれば融資稟議書を書くことにそれほど大きな手間がかからないからです。
それとは反対に、赤字体質の会社だと「手間がかかるからなぁ。。。」と敬遠したくなるのが銀行員の体質だといえるかもしれません。
「赤字解消への道筋をまずは支店内で説明しなければならない。」
「支店内は説得できたのに本部から叱責が飛んでくる。。。」
などというように「この会社に融資を実行しても大丈夫なのか。」と赤字会社に対する稟議の場合には、担当の銀行員は上司に詰められてしまうからです。
そのようななかでも「この会社は近々赤字体質を脱却できる。」といった説明をすることで、
赤字会社でもなんとか融資の実行に至っているのが銀行員の仕事風景のひとコマだといえるかもしれません。
赤字会社の決算書でこれがあると銀行からの評価は下る3選
「決算書が赤字でも何とかして上司を説得しなければ。。。」と考えている銀行員。
そんな「いまは赤字体質だけど、この融資で支援をするから事業強化につなげて欲しい。。。」などと考えている銀行員のやる気が削がれてしまう決算書は、次のようなものだといえます。
役員貸付金
「この会社は赤字決算が続いているにも関わらず、役員貸付金が決算書に記載されている。。。」などということがあると、銀行員のやる気が削がれていくといえるものです。
そんな役員貸付金は、
「うちの融資の一部が、社長の個人的な支出に使われた迂回融資なのかもしれない。。。」といったことや、
「本来は経費の一部なのに、赤字額を圧縮するために使われている粉飾決算の形跡なのでは。」といったことを銀行員は考えてしまうものです。
だからか、赤字会社で決算書に役員貸付金が記載されていると、銀行員は重点を置いて説明を求めてくるのかもしれません。
その際に「決算書に役員貸付金が記載されているのを認識していなかった。」という言い逃れをすると銀行員からの印象はかなり悪くなってしまうといえます。
「この社長は本気で事業を営んでいるのか。。。」と。
なので、決算書に役員貸付金が記載されているのはマイナスポイントでしかないと考えるべきでしょう。
もし、赤字決算となっているにも関わらず決算書に役員貸付金が記載されている際には、
決算書を銀行員に渡す際に「役員貸付金が生じている理由とその返済予定表。」を渡すべきだといえます。
多額の現金残高
「決算書になぜこれだけの現金残高が記載されているんだろう。。。」といったことも、銀行員とすると不信感を持っていくといえるものです。
もしかすると決算日のカレンダーによっては、
「銀行口座に現金を預け入れるタイミングを逃してしまった。。。」ということで、現金残高が多額になる場合もあったりするかもしれません。
たしかに、銀行は預金額の多い会社に対して「返済可能性が高いので融資を実行したくなる。」ということはあったりするものです。
だからこそ「預金額が極端に少なくなる前に適宜銀行融資を申し込んでおく。」ということも事業には必要な手段だといえます。
とはいっても、預金残高ではなく「現金が多い。。。」といった決算書を銀行員が高く評価することはないものです。
「本来は経費にすべきものを現金の引き出しとした仕訳に変えることで現金残高が増えているっぽい。。。」
「本来は役員貸付金であるものを現金勘定に振替えているのかも。。。」
「売掛金による粉飾の痕跡を消すために、現金勘定を使っているかもしれない。。。」
などというように「決算書の中でも目立ちにくい現金勘定を使って粉飾決算を行なっているのかも。」と銀行員は考えてしまうものです。
なので、銀行員は「現金残高を気にかけている。」と考えて説明すべきだといえます。
少なくとも「預金残高よりも現金残高の方が多い決算書となっている。」となると、銀行員の不信感は募るばかりだといえるものです。
有価証券、暗号資産
「個人口座で株式投資をしていたらコツが掴めてきたから、さらに多額のお金を投資に回したい。」と考えることもあったりするものかもしれません。
そして「会社の資金を株式投資や仮想通貨につぎ込めばさらなる利益が得られる。」として、会社のお金を株式投資などに回すこともあったりするものかもしれません。
たしかに、株式投資や暗号資産には「本業を補うほどの利益が生み出せる。」といったこともあったりするものでしょう。
それこそ銀行ですら「今期の決算はディーリング部門が大半の利益を稼ぎ出した。。。」などと、株式や債券の運用部門が大きな顔をするということもあったりするといえます。
とはいっても、株式投資などは「やめられない魔力がある。」といえるものです。
「いまの保有銘柄はまだ上がり続けるから。。。」
「この前は負けたけど次は勝てるかも。。。」といった感覚になった方も少なくないかもしれません。
また「会社の余剰資金で運用をしている。」といっても、
事業環境の急変が頻繁に起こりうる中小企業では「いま売りたいタイミングではないのに、手元資金をつくるために売らなければならない。」と損失を認識して約定しなければならないこともあったりするものでしょう。
なので、赤字会社の決算書に有価証券などが記載されていると、
「社長は本業に力を入れずにギャンブルを行なっている。」といったことや、
「事業環境によっては大損するかもしれない。。。」と銀行員は考えるといえます。
銀行員というのは「日本経済を支える中小企業の事業を支援したい。」と考えていたりするものです。
そんな中小企業が「勝っているタイミングで必ずしも売り抜けることができない。」といえる、
株式投資や仮想通貨に資金を回していることが判明すると、上司を説得するためのやる気が削がれていくといえるものです。
まとめ
赤字の状態ほど決算書の状態には注意をすべきだといえます。
【おわりに】
久々に税理士事務所HPのアナリティクスを見てみたら、PVが通常よりもかなり増えていました(時期的なものかなぁと)。。。
【一日一新】
メルヘンのカツサンド
東芝研修センター