「銀行融資は、必要なときに必要な金額だけ。」
と考えているから、いつも疲れた表情をしているのかもしれません。
必要なときに必要な金額の融資を受けるのは難しい
「経営の理想は無借金経営。」という考えで、
「借金は悪だ。」と考えている事業者の方は少なからずいるものかもしれません。
その通りで、借金というのはしなくていいなら、わざわざする必要がないものだといえます。
「クレジットカードをリボ払いにして、買い物をする。」
「馬券や舟券を買うために、消費者金融でちょっとお金を下ろしてくる。」
というような借金は「人生においてしてはいけないもの。」だといえるものです。
また、遊ぶ金を借りるわけではないけど、
「銀行融資を受けるのは気持ちが悪いし、金利がなぁ。」ということを考えることもありますよね。
なので、事業での正当な資金調達といえば「売り上げる。」ということだと。
たしかに、じぶんの製品やサービスを売ることで「お金を得る。」というのは、
気持ちがいいことですし、ムダな利息を支払わなくていい資金調達だといえるものです。
だからか「銀行融資は必要なときに、必要な金額だけ借りればいい。」
ということが「事業のリスクを減らす最善の方法。」だと考えることもあるのでしょう。
「倒産している企業って、だいたい借金をしているよね。」
ということはひとつの事実だといえます。
しかし、事業が行き詰まる原因というのは「借金があったから。」ではなく「資金がなくなったから。」です。
資金がなくなることで、支払いができなくなり、倒産することになります。
「じゃあ銀行融資は、必要なときに必要な金額だけ借りることにする。」
といっても、企業の9割を占める年商10億円未満の企業が、
「必要なときに必要な金額だけ借りる。」というのは難しいものです。
そして「必要なときに借りられなかった。」となってしまうと、次第に事業が行き詰まってしまうことになります。
貸し倒れない企業に銀行は融資を行なう
企業の9割を占める年商10億円未満の中小企業は、
「必要なときに必要な金額だけ借りる。」というのは難しいものです。
なぜなら、企業が銀行から融資を受けたいタイミングというのは、
「赤字で資金が減ってしまっている。」ときだといえるからになります。
銀行というのは「絶対に貸し倒れない状態の企業に融資を行なう。」ということを考えているものです。
「売上が減少している企業に、コロナ融資を行なうのに?」
ということを思われるかもしれませんが「売上減少を要件。」としたコロナ融資を、
なぜ、銀行が競い合うように融資を行ったかといえば「貸し倒れる心配がほとんどないから。」です。
コロナ融資というのは「信用保証協会が100%保全してくれる。」ので、銀行とすると貸し倒れる心配がありません。
なので「貸し倒れる心配がないからコロナ融資を実行する。」のです。
このような特殊な事情を除けば「銀行が貸し倒れる心配がない状態。」と考えるのは、
その事業が儲かっていて「利益が出ている。」状態だといえます。
そして、そのような状態のときには「いまは銀行融資の必要はない。」と考えるものでしょう。
「手元資金を厚くするため」に銀行融資を受ければ気持ちも前向きになる
「銀行が貸し倒れる心配がない状態のときに、融資は受けやすい。」
などといっても、「利益が出ているときなんて、それほど資金需要もないんだよね。」ということを考えるかもしれません。
とはいっても、銀行というのは「貸し倒れる心配があるとき。」には融資ができないものなのです。
「お宅の銀行から融資を受けられないと、本当に倒産してしまう。」
と銀行員に伝えたとしても、銀行員の気持ちとしては融資をしたくても「後の祭り」だといえます。
だからこそ、銀行が「貸し倒れる心配がない。」と考えているときに、
「手元資金を厚くする。」という理由で、未来を見越して融資を受けておく必要があります。
手元資金を厚くしておくことで「銀行融資が必要になった赤字のとき」にも、その手元資金で賄うことができることでしょう。
なので、銀行から融資を受けるというのは「必要なときに必要な金額だけ借りる。」というスタンスではなく、
「必要なときに必要な金額だけ借りられないから、未来を見越して手元資金を厚くするために借りておく。」
という経営者感覚を持つべきなのです。
手元資金を厚くしておけば、資金繰りに追われることもなく気持ちも前向きになるはずです。
また、気持ちが前向きであれば事業に対する意欲も高くなり、事業がうまくいく好循環になるといえます。
「借りたお金であっても、資金がある。」ことで、
事業のリスクにも対応する時間的余裕が生まれ、心にも余裕が生まれるでしょう。
まとめ
「いつもなんだか暗い顔をしている社長。」というのは、資金繰りに余裕がない社長だといえるかもしれません。
だからこそ「銀行融資を受けられるときに手元資金を厚くしておく。」ことで、
資金繰りの不安から解消され「社長の表情が明るくなる。」といえるものです。
銀行融資というのは、
「いまはそれほど必要ない。」と考えられるときにしか借りられないものですから。
【おわりに】
今日は、首都高に乗った途端にかなりの雷雨が降ってきました。
首都高は晴れていても走りにくいと感じているので、雷雨だとより怖くなります。。。
【一日一新】
あること