運転資金が発生する業種であれば、お金を残す借り方で銀行融資を受けるべきです。
運転資金は銀行融資で賄うべき
「うちは銀行融資を受けなくても、資金は十分回っている。」
のであれば、銀行から融資を受けて「わざわざ」利息の支払い、という経費を使う必要はないことでしょう。
また、「銀行よりも有利な資金調達先がある」のであれば、銀行から融資を受ける必要もありません。
しかし、そのような状態でもなく手段がなければ、資金調達には銀行融資が一番向いているということになります。
「どうしてもうちは、運転資金が必要な業種なんだよねぇ。」
というのであれば、資金使途を運転資金として銀行融資の申込をしましょう。
運転資金が貯まるまで、次の商いを控えるということは、正しい選択肢だとはいえません。
そして、その運転資金として受ける銀行融資は、お金を残す借り方をすべきです。
お金を残す運転資金の借り方3選
それでは、お金を残す運転資金の借り方を挙げていきます。
返済期間を長くする
「利息の支払いをなるべく抑えるために、銀行借入れの返済期間は短くする。」
たしかに、返済期間が短いほうが利息の支払額は少なくなり、無駄な支出を減らせるということはあります。
とはいっても、返済期間が短いと月々の返済額が増えてしまいます。
たとえば、1,000万円を3年(36回払い)返済で融資を受けた場合の毎月の元金返済額は、
となります。
これが、1,000万円を5年(60回払い)返済で融資を受けた場合の毎月の元金返済額は、
ということになります。
この差額は1年間では、
ということで、お金が減るスピードは約130万円分早くなってしまいます。
「だけど、早く返済すれば実績もできて、銀行もまた融資してくれるでしょ。」
といったことを思うかもしれませんが、銀行が融資の判断とするのは決算書の内容になります。
なので、「早く返済したから」といっても、
「返し終わったタイミングの決算書の内容が、かなりの赤字。」
だったりすると、新規の融資で希望額借りることが、難しくなることもあります。
また、銀行借入れの元金返済は「支出はあるけど経費にはならない。」といったものになります。
「まあ、今期は損益はトントンだったかぁ。」
と損益計算書を眺めていても、元金の返済分だけ「お金は減っている」ということもありえます。
銀行が融資をするのか、融資をしないのかの判断は銀行が行うものです。
だからこそ、銀行融資は、
「返済期間を長くして毎月の支出額を減らし、借入金利に関しては、経営安全保険料。」
といったようなものだと考え、お金を残していきましょう。
手形貸付として銀行融資を受ける
「あの商品を仕入れられたら、もっと事業のチャンスが広がるんだけどなぁ。」
といった場合には、銀行から運転資金として融資を受けること検討することになるでしょう。
その運転資金は、「証書貸付として毎月返済のかたちで融資を受ける。」というのも、ひとつの手ではあります。
しかし、事業を営んでいると、「運転資金というのはそもそもなくならない。」ということを感じると思います(理論上運転資金がない事業というものも多く存在しますが)。
運転資金は、「事業をやめる」などをしない限りは、なくならない立替金だといえます。
なので、「運転資金の融資というのは返済をしない」というスタンスでいくことが、お金を残す銀行融資の受け方だといえます。
その返済しない方法のひとつが、手形貸付として銀行融資を受けることです。
手形貸付の返済方法は、3ヶ月や6ヶ月の期日一括返済といった方法がメインとなっています。
そして、手形貸付の多くの場合が、
「期日が来たら同額の手形を銀行に差し入れるということで、借り換えを繰り返していく。」
ということが、行なわれています。
そもそも、事業をやめない限り運転資金はなくならないので、
「運転資金は手形貸付として受けて、銀行にずっと借りっぱなし。」
というスタンスで融資を受け続けて、お金を残していくべきです。
当座貸越として銀行融資を受ける
事業を営んでいる限りは、「運転資金はなくならない。」ものです。
また、売上が増えているような状態だと、「運転資金という名の立替金」は、さらに増えていくということになります。
そんなときには、さきほどの手形貸付で「借りっぱなし」にするという選択肢の他に、
「当座貸越として銀行融資を受ける。」ということも、選択肢のひとつになります。
当座貸越というのは、「決められた金額までは、預金残高(当座預金残高)をマイナスにできる。」という融資の形態になります。
なので、当座貸越契約を銀行と結ぶことで、決められた金額までは、「借りっぱなし」にすることができます。
事業は営む限りはなくならない運転資金を、当座貸越として融資を受けることで返済せず、お金を残すということができます。
まとめ
世の中には運転資金が必要ないといった事業も多くありますが、運転資金が必要となる事業であれば銀行融資を利用すべきです。
そして、運転資金というのは、「事業規模を小さくするか、事業をやめるか。」をしない限りはどうしてもなくならないものです。
だからこそ、なるべくお金を減らさない方法で銀行から融資を受けるようにしましょう。
【おわりに】
仕事ができるひとは、「先回り感が半端ないなぁ。」と感心することが多いです。
そして、そんな人はだいたい女性だったりする印象があります。凄いよなぁと。
【一日一新】
ある打ち合わせ