再来週までに大きな資金が必要なんだ。
銀行にそんなニーズに少しでも答えてもらうために、取り組むべきことがあります。
銀行融資は時間がかかる
銀行員時代によく言われたことのひとつが、
「融資って、もっと早く受けられないの?」
といったことでした。
たとえば、カードローンなどであれば銀行の融資商品のなかでも、融資の実行までのスピードは早いものです。
ただ、カードローンは金額も少なく金利も高いものですよね。
事業で必要になる、まとまったお金を「ある程度」低い金利で融資をするためには、銀行の仕組み上時間がかかってしまうものです。
銀行の事業としては、預金者から預かったお金は、利息をつけて返さなければならないということがあるので、貸し倒れが増えすぎるわけにはいかないのです。
たしかに、中国企業アリババの芝麻クレジットのような仕組みが日本の銀行にも取り入れられば、
「まとまったお金を低い金利でスピーディーに借りる。」
ということも無理ではないと考えられます。
しかし、芝麻クレジットように融資のスピードを上げるためには、決算書だけではなく、
「普段の取引すべてを銀行に連携をしておき、銀行がすべてを見ることができる。」
という状態にしなければなりません。
多くの経営者としては、
「全部が把握されているのは、監視されているようで気持ちが悪い。」
といった感覚を持つのではないでしょうか。
芝麻クレジットのような仕組みが現状では難しい以上、銀行がスピーディー融資をした結果、預金者に対して、
「今月は○○件貸し倒れがあったので、あなたが引き出せる預金は80%ほどになります。」
ということは受け入れられませんよね。
今後の技術革新で、融資の実行までのスピードは早くなっていくことも考えられます(とはいっても銀行はかつて、スコアリング融資でペーパーカンパニーに痛い目に合わされたという歴史もあります)。
スピードはそれほど早くはないけど、それでも現状、
「一番低い金利でまとまった資金調達を行う」には銀行融資がベストな選択肢になります。
銀行融資をスピーディーに受けたいならやっておくべきこと3選
それでは、銀行融資をスピーディに受けるためにやっておくことをみていきましょう。
定期的に融資を受けておく
銀行が融資をする際に絶対に必要なものは、決算書です(創業融資を除いて)。
試算表や資金繰り表、事業計画書も場合によっては必要な書類となります。
しかし、絶対に必要な資料は決算書ということになり、決算書は融資を受ける際の生命線となります。
そして、銀行はその決算書を分析して自己査定のなかで格付けを行います。
融資を早く受けるためには、融資の申込みよりも前に銀行に決算書が渡っていれば、
「格付けはもう終わっている。」ということになり、融資を行う次の段階にスピーディーに移行できます。
おなじ期の決算書に関しては、銀行は通常1度しか格付けは行いません。
決算書がおなじなのに、格付けが融資申し込みのためにコロコロ変わるということはないのです。
定期的に融資を受けている状態になると、すでに最新の期の決算書が銀行に渡っているということになります。
決算書が銀行の手元に渡っており、
「格付けがすでに終わっている状態」だと、格付けにかかる時間が短縮されるので、融資実行までの日数が短縮されるということになります。
いやいや、
「うちは決算書の内容もいいし、いままで無借金だったから融資も簡単に受けられるでしょ。」
という経営者の方が時折りおられますが、無借金だと融資実行までのスピードは遅くなります。
無借金の新規先だと、銀行にもその会社の情報がなく、信用保証協会にも情報がないということになります。
すると銀行は、
「なぜいままで融資を受けてこなかった先が、いま融資を申し込んでいるんだろう。」
と深読みを始めてしまいます。
定期的に銀行融資を受けることによって、銀行や保証協会などが決算書の情報や、いままでの業歴を把握しているということになります。
これが新規の状態だと一から情報が必要になり、業績がいい場合でも時間がかかってしまうものです。
「いざというときにスピーディーに借りるためには、普段から借りておく。」
定期的に借りて、じぶんの会社の情報を銀行が持っている状態のほうが、スピーディーに銀行融資を受けることができます。
試算表が黒字の時期に申し込む
定期的に融資を受けていると、融資が受けられるまでの期間は短くなります。
さらに融資の審査をスムーズに進めるためには、試算表の内容も関係してきます。
たとえば、決算日から半年以上経過している会社で試算表が赤字続きの場合だと、
「直近の決算書は黒字だけど、試算表がマッカッカだな。大丈夫かなぁ。」
と銀行員が考えてしまうと、銀行は融資の実行に二の足を踏んでしまいます。
この対策として、スピーディーに融資を受けたいのであれば、試算表が黒字の月に融資を申し込むようにしましょう。
決算書が黒字で、試算表の状態も黒字だと、銀行員は「安心して」融資の稟議書が作成できますので、
「融資案件が、後回しにされる可能性が低くなります。」
なるべく簡単な仕事から手を付けようと考えるのは、どの仕事でもおなじだとおもいます。
「なんでこんな先に融資をするんだ。」
と上司に言われるくらいなら、その気持ちの整理がつくまで案件を寝かしておこうと考えるものです(わたしがそうで。。。)。
また、仮に試算表が赤字続きの状態であれば、単月でも黒字に転換した月に融資の申し込みをするようにしましょう。
「今期は期首から赤字続きだったけど、これからは黒字に転換をしていく。」
というストーリーを銀行員に語れるということは、銀行を安心させることになります。
融資のスピードには決算書だけではなく、試算表や資金繰り表なども融資の審査スピードに関わってくるということになるものです。
メインバンクを作っておく
融資をなるべく、スピーディーに受けたいのでればメインバンクを政策的に作っておくということは大切なことです。
事業がうまくいくか、行き詰まるかの最大の要因は、お金があるかどうかになるということは銀行も重々認識しています。
すると、お金の出してである銀行としては、
「融資残高が1番多く、預金取引もそれなりにあるメインバンクであるうちが支援しないといけないよなぁ。」
と行動をしてくれます。
銀行というのは、滞りなく融資したお金を回収したいを考えています。
すると、メインバンクであれば融資残高が多いがゆえに、資金繰りに不安を抱えている会社には何らかの支援をしないと、
「じぶんたちも危うい」と考えメインバンクとして支援するという行動を取ります。
これが、複数の銀行と取引をしているけど、
「融資残高もどの銀行も横並び。」
「預金取引も横並び。」
となってしまうと、銀行側としてもどの銀行がメインバンクなのかわかりません。
すると、「メインバンクとは言いづらい、うちが前のめりになってもなぁ。」
と二の足を踏んでしまいます。
スピーディーに融資を受けたいのであれば、
「メインバンクとしての銀行はどこか。」
ということを銀行側にも、じぶんとしても認識できる行動を取りましょう。
まとめ
スピーディに銀行融資をするためには、じぶん自身も政策的に動く必要があります。
定期的に銀行融資を受けておき、ある程度の情報は銀行に持ってもらう。
そして、メインバンクを作る。
資金繰り倒産をしないように、売上をどうやって上げるのかとおなじように資金繰りにも気を使っていきましょう。
【おわりに】
わたしが好きなアーセナルが最近は上向きになってきました。
エミール・スミス・ロウには期待が持てますね。
あと個人的には、ラカゼットは大好きです。
身体の使い方や、シュートの旨さなど大人な選手だなぁと感じています。
【一日一新】
丸亀製麺 釜玉うどん