「銀行員を経由して税理士になってよかったことは。。。」と聞かれたので、
銀行員時代にこんな経験ができたことが良かったかもしれないというお話を書いていこうかなぁと。

決算書を数百社ベースで
銀行員だった頃のほとんどの時代を融資業務をメインとして過ごしていたものでした。
株式投資を通じた財務分析や日商簿記検定、ファイナンシャルプランナーの資格を持っていたからか、きっと生意気だったのです。
「その辺の先輩よりも、じぶんのほうが決算書を読める。。。」などと入行早々考えていましたから。
そんな生意気さを発揮して、
「早く現場に出して欲しい。」と支店長に伝えていたら、入行2ヶ月が過ぎる頃には融資渉外係として外回りをするようなキャリアだったといえます。
(同期でも長いひとは、2年から3年間は後方事務として支店の中に留まるキャリア)
また、配属された支店のエリアが「中小企業の宝庫。」ともいえる神奈川県川崎市だったので、決算書を眺める件数は多かったのです。
それこそ、2店舗目となった支店では一般行員で融資稟議書を書けるひとがわたし以外にいなかったので、支店取引先のほぼすべての決算書を分析するハメにもなったものでした。
(一般行員の方が軒並み退職していったので玉突き人事だった)
だからか「もう中小企業の決算書はだいたいこのパターンだよね。。。」とじぶんのなかでの財務分析のテクニックがついていったいい経験だったといえるかもしれません。
中小企業の社長を数百人ベースで
「数百社ベースで決算書を分析する機会に恵まれた。」といえる銀行員時代。
同じように中小企業の経営者の方(上場企業の方も)にも数百人程度、会う機会に恵まれたものでした。
しかも、出会ったほとんどのひとが優しかったのです。
飛び込み営業をして初対面ではキレてきた社長でも何度か飛び込み営業をしている間に、
「いつの間にこの社長とぼくは仲良くなったんだっけ。。。」などと感じるほど、最終的には多くの経営者の方々の優しさを感じたといえます。
「起業した理由。」
「事業が傾いた際の切り抜け方。」
「社長の愛人の話。。。」などと、銀行融資に直接関係ない話を数々の経営者の方としていたから気に入られたのかもしれません。
「結婚するなら冷蔵庫買ってあげるよ。。。」
「うちの車から好きなの持っていきなよ。。。」などと本気で言ってきた経営者の方々(全部断りました)。
税理士業界に転職してからよりも、
多くの経営者の方や資産家の方に出会い「年上に好かれるテクニック。」といったものを身につけられたいい経験だったといえるかもしれません。
組織の動き方や社会人マナーを
銀行という組織は、官僚的といえるものだったので社会人マナーといったものも身につけられたといえます。
社会人マナーというよりも、ポリティクスを学べたものでした。
「サービス残業をさせられても文句を言わない。。。」
「飲み会は新人が率先して幹事をやる。。。」
「本部のひとが来ても支店の内情を明かしてはいけない。。。」といったような。。。
また「組織のこのひとを抑えると、仕事がスムーズにいく。」というのも社会人の生存戦略として役立ったといえます。
「融資関係ならこのひと。預金関係ならこのひと。不動産関係ならこのひと。」などと、本部の凄腕かつ後輩への面倒見のいいひとを探してはひたすら電話をかけていたものでした。
さらには「ちょっとイロモノに見られている。」といったひとこそ、
ゴマをすりながら接すると傘下入りしたかのように仲良く慣れるという術も身につけられたといえるかもしれません。
「御局さん(といっても28歳くらいだった)。。。」
「銀行中(支店中ではなく)から嫌われていた副支店長。。。」
などという方とも、その支店や銀行を代表するほど仲良くなれるような権謀術数はいまでも社会を生き抜くうえで役立っているといえます。
まとめ
「社会人になって直で税理士業界に入る。」というよりは、銀行業界を経由したのはよかったかなぁと。
人間的な幅は広がっているような気がしています。
【おわりに】
税理士業界に転職した際には、事務所の年齢層の高さに驚いたりもと。
転職した事務所で20代(29歳だった)がじぶんだけだったので、フレッシュ感のなさに涙が出そうだったという。。。
【一日一新】
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