メインバンク以外の銀行から融資提案を受けた場合には、
「うちも、銀行から融資提案を受ける会社になったかぁ。」ということを思うものでしょう。
そんな浮かれているときほど、冷静にメインバンクに相談をしてみるべきです。
メインバンクとは密にコミュニケーションを取るべき
事業の資金繰りを支えるためには、「資金調達を社長の本業。」と考えるべきです。
そして、融資を受けているメインバンクに対しては、
「試算表や資金繰り表などの書類をベース。」にしながら、密にコミュニケーションを取っておくべきだといえます。
とはいっても、それほど密にコミュニケーションを取っていない、
メインバンク以外の銀行から融資提案を受けることもあるでしょう。
そして、その際には「メインバンクよりも条件のいい融資提案。」を行ってくるということも少なくないものです。
このようにメインバンク以外の銀行から融資提案を受けた場合には、
メインバンクと密にコミュニケーションを取る機会と考えていきましょう。
他行から融資提案を受けた場合にはメインバンクに相談すべき3選
それでは他行からこんな融資提案を受けたら、メインバンクに相談したほうがいいこと3選を挙げていきます。
肩代わり融資の提案を他行から受けた場合
起業してからしばらくすると、
「借入の本数が増えて、資金繰りが重くなってきたよなぁ。」
ということを感じることがあるかもしれません。
そのような場合には、
「借入を一本化するなどして借り換える。」ということが、ひとつのセオリーになります。
そして「そろそろ借入をまとめていこうかなぁ。」ということを考えているときに、
「うちの銀行で、この借入をまとめませんか。」
と「メインバンク以外の銀行が提案をしてくる。」こともあるものです。
なぜなら、そのメインバンクではない銀行からすると、
「新規融資で1,000万円を貸し付ける。」ということよりも、
「既存の借入をまとめて、さらにプラスして1,000万円を貸し付ける。」
ということのほうが「融資実行金額が増えるし、おまけに資金繰りもよくなるから。」と考えての提案になります。
このような提案を受けると、
「資金繰りも楽になるし、損をすることはないよなぁ。」ということを考えますよね。
とはいっても、このような他行肩代わり融資の提案を受けた場合には、
ひとまずはメインバンクに相談をすべきだといえます。
メインバンクとすると、相談もなく肩代わり融資されてしまった取引先とは、
その支店のメンバーが大幅に入れ替わるまでは、
「あの会社には絶対に融資をしない。」というスタンスになるので、今後の融資取引がなくなってしまう可能性があるからです。
また、相談することによって「他行ではなくうちで同じ条件で。」と、メインバンクで借入を一本化できることも多くあります。
なので、他行から肩代わり融資の提案を受けた場合には、一旦落ち着いて、
メインバンクに「同じような条件にならないか。」というよう相談をしてみたほうがいいといえます。
既存の借入よりも低い金利での融資の提案を受けた場合
銀行借入というのは利息の支払いがあるため、借入金利が低い方が資金繰りは楽になるといえます。
そして「金利にうるさい社長。」だと銀行員に思われている方が、貸出金利は低くなりやすいということもあります。
そのような金利に敏感な社長ほど、
「金利さえ低ければ、どこの銀行だったとしても融資を受ける。」ということを考えるものです。
だからか「メインバンクの金利よりも低くしますので、うちで資金調達しませんか。」と、
メインバンク以外から融資提案を受けた際にも「じゃあ、借りておこうか。」と考えるのでしょう。
「メインバンクよりも金利が低い。」ということで、借入を検討するというのは誤った考えではありません。
しかし「金利だけを基準。」にしてメインバンク以外からも積極的に融資を受けるということは、控えたほうがいいといえます。
「最初だけ低金利で融資提案をして、その後はいまのメインバンクよりも金利を高くしていく。」
というようなことを考えている銀行というのは、少なくないものです。
だからこそ、「目先の金利だけを判断基準にして、取引銀行を決めるべきではない。」といえます。
なので、他行から既存の融資よりも低い金利で融資提案を受けた場合には、
メインバンクに「〇〇銀行が御行よりも低い金利での融資提案を行ってきているんだけど、同じ条件できないか。」
というように、他行からの融資提案の内容を説明し「同等の対応が取れるのか。」をメインバンクに相談してみるべきです。
その際にメインバンクが「今後も取引を継続していきたい。」と考えているのであれば、
「うちの銀行からその条件で融資をしますよ。」という提案を受けることにもなりますから。
他の銀行からプロパー融資の提案を受けた場合
銀行融資というのは大きく、信用保証協会付き融資とプロパー融資に分けることができます。
そのどちらほうが融資を受けやすいかといえば、
信用保証協会付きの融資の方が融資は受けやすいといえます。
なぜなら、信用保証協会付き融資は信用保証協会が貸し倒れに対して保全をしてくれるからです。
そのような事情があるので「銀行借入は信用保証協会付き融資しか受けていない。」ということも多いものです。
とはいっても「銀行融資はいつも信用保証協会付き融資。」という会社でも、他行からプロパー融資の提案があるということもなくはありません。
「気が付かないうちにプロパー融資が受けられる業績になっていた。」ということはあるものです。
なので「プロパー融資の提案だったから、この融資提案を受けておこう。」と考えることもありますよね。
そして「他行からのプロパー融資の提案。」であれば、その提案は受けておくべきだといえます。
そのうえで、
「いま他の銀行からプロパー融資の提案を受けているんだけど、メインバンクである御行からもプロパー融資を受けることが可能なのか。」
といったような提案の相談をメインバンクしてみるべきです。
銀行融資におけるプロパー融資というのは「銀行がその会社に本気に向き合っているから行える。」ともいえます。
という事情もあるので、「あの銀行がプロパー融資を提案しているのに、メインバンクである御行は信用保証協会ばかりだよね。」
と不満をぶつけてみましょう。
「いままでは、信用保証協会付き融資のみ。」
だったとしても、他行からプロパー融資の提案があるということは、
プロパー融資を受けられる業績になっているといえます。
そのような業績になっているのであれば、銀行取引というのは多少は強めに交渉をしてみるべきです。
メインバンクに相談したことによって、
「うちの銀行では御社に対してプロパー融資は考えていない。」というような返答だったとしたら、
「メインバンクを変更する。」ということも検討すべきだといえますから。
まとめ
メインバンクがあるのであれば、ひとまず全てを相談した方がいいといえます。
相談をすることによって、わざわざ他行から融資を受ける必要もなければ、
「メインバンクがどれだけじぶんの会社に対して本気か。」ということもわかるからです。
このメインバンクは「じぶんの事業に対して本気でパートナーになってくれる。」
ということを感じるのであれば、メインバンクとそのまま取引をすれば良いことですし、
「メインバンクだと思っていたけど、それほど親身な対応をしてくれなかった。」
というようなことを感じるのであれば、新たな銀行と取引をしてもいいといえるでしょう。
少なくともメインバンクに相談することによって、そのメインバンクのスタンスがわかるといえますから。
【おわりに】
今日はZoom飲み会がありました。
Zoom飲み会もいいですけど、やっぱりリアルのほうがいいよなぁと。
【一日一新】
あること