銀行融資の金利交渉は「借入申込時」にすべきです。
借入申込みをしたあとに金利交渉すると、融資を受けることすら難しくなることもあります。
銀行融資を受ける際には金利にも気を使うべき
銀行融資を嫌がる理由のひとつは「利息の支払いがあるから。」ということだといえるかもしれません。
決算書を眺めて営業外費用にある「支払利息」を確認することで、
「銀行融資を受けていなければ今期は黒字だったのに。。。」
というようなことを思われることもあるでしょう。
たしかに、銀行融資の金利の負担というのは、わりと負担感があるということもありますよね。
たとえば、銀行から金利1%で5,000万円の融資を受けた場合の利息を単純な計算で確認すると、
というように、1年間に50万円の利息の支払いが必要になります。
このようなことを計算すると、
「銀行から融資を受けていなければ、もうひとりアルバイトを雇えたのに。」
というようなことを思われることもあるかもしれません。
なので、銀行融資を受ける際には「金利にも目を光らせておく。」必要があるといえます。
銀行融資の金利交渉は借入申込時のタイミングに行なうべき理由
「銀行融資を受ける際の利息の支払いがもったいないから、金利交渉はシビアにいく。」
ということを考えられている経営者の方も多いことでしょう。
たしかに、複数の銀行から融資の提案を受けている際には、
「金利が低い銀行から融資を受けたほうが資金繰りは楽になる。」といえます。
じぶんの事業の業績に自信があるのであれば、金利交渉はすべきです。
金利交渉をする経営者の方に対しては、
「この社長に金利をふっかけるのは難しいんだよなぁ。」と銀行員も一目置いているものです。
とはいっても、その金利交渉をするタイミングには注意したほうがいいでしょう。
銀行が融資を行う際には、担当の銀行員が融資稟議書というものを作成し、
支店内での回覧や本部への回覧を行ない、その後決済を受けなければなりません。
そして、その融資稟議書には「本件は、〇〇%の金利で融資を実行したし。」
というような文言を記入し、融資稟議書を作成することになります。
なので、融資稟議書が銀行内で回覧されている時点で、
「銀行としての貸出金利は確定している。」ということになるのです。
その稟議書が通った際には、
「融資稟議書の金利を最低限の金利として、融資の実行が行われる。」という手順になっています。
そのような事情があり、融資稟議書の決済が下りたにも関わらず、
「このまえ申し込んだ銀行融資の金利なんだけど、他行がもう少し低い金利を提示しているから、ちょっと金利を下げてくれないか。」
ということを言われると、銀行員は困ってしまいます。
なぜなら、融資稟議書の金利よりも低い金利となってしまうと、融資稟議書を一から再作成しなければならないからです。
「だったら、もう1度稟議書を書き直せばいいだろう。」
ということを思われるかもしれません。
しかし、銀行員からすると融資稟議書を再作成するというのは、非常に大きな手間になってしまいます。
融資稟議書を再作成しようものなら、
「融資交渉の詰めが甘いから、こんなことになるんだ。」
というように上司や本部の担当者からも、かなり詰められてしまいます。
融資稟議書が決済された後に金利交渉するというのは、銀行員とすると非常に手間だと感じ、
「こんな会社にはもう融資はしたくない。」ということを考えてしまうものなのです。
金利交渉のタイミングを間違えると資金繰りが詰まることも
このように金利交渉のタイミングを間違えるのは、資金繰りにも問題が生じてしまうことにもなります。
なので、銀行融資の金利交渉というのは借入申込時のタイミングだけという姿勢でいきましょう。
同じように、融資申込みをして融資稟議書の決済が下りたにも関わらず、
「他行で融資を受けたから、この前申し込んだ融資はやっぱりいらないや。」
というのも、銀行の機嫌を悪くしてしまいます。
そのようなことをすると最悪の場合には、今後その支店から融資が受けられなくなるといえます。
銀行融資は金利よりも金額を重視した方がいい
銀行融資を受けた際の利息の支払いが、
「事業の体力を奪っていく。」ということはないことでありません。
とはいっても、そもそも銀行融資を受けていなければ、
「遥か昔に資金繰りが目詰まりしていた。」ということもあるでしょう。
たしかに、銀行融資に対する支払利息が多く、
「営業利益は黒字になったにも関わらず、当期純利益が赤字になってしまった。」ということもあるかもしれません。
それでも、銀行融資の利息の支払いというのは「経営を安定化させる保険料。」だというような考え方で事業を営むべきです。
「当期純利益が赤字だからといっても、すぐに倒産。」ということにはなりませんが、
「資金が枯渇したら即倒産。」になってしまいます。
だからこそ、銀行融資というのは金利よりは金額を重視したほうがいいのです。
まとめ
「銀行融資による利息の負担が重い。」
ということは、事業を営んでいると起こり得ることかもしれません。
だからといっても「金利ばかりに目を向けて、銀行融資の仕組みを無視した金利交渉。」はすべきではないでしょう。
「銀行融資の金利交渉をするのであれば、融資申込時に行う。」
というのが適切なタイミングになります。
【おわりに】
「これは営業ではありません。」と営業メールを送られてもなぁと。
「それを営業というのだよ。」と感じた1日でした。
【一日一新】
あるたまごサンド