「なんとか黒字決算にするために。。。」
などというような小手先のテクニックをつかうのは、銀行融資対応としてはそれほどやらないほうがいいことだといえます。
業績が良くなかったからと未払金などの計上を見送る
「今期の業績は良くなかったけど、何とかして黒字決算にしたいんだよなぁ。」
などと考えることもあるでしょう。
「前期が赤字だから、今期も赤字だと銀行からの資金調達がますます難しくなるかもしれない。。。」
という危機感を持って「何とかしなければ。」と対策を考えることもあるかもしれません。
そのひとつの方法として、
「架空売上の計上は粉飾になるから、未払金や買掛金などの計上を少なくしてみるか。」
というようなことを思いつく場合もあるでしょう。
たしかに、未払金や買掛金などの計上を見送ると経費が本来の金額よりも少なくなり、黒字決算になるということもあるものです。
なので「よしっ。これでいこう。」ということを考えるかもしれませんが、
このような未払金などの科目が計上されてない決算書というのも、銀行融資においては粉飾決算だと見なされるものだといえます。
黒字決算にするために「未払金などの計上を見送る」のはやめるべき理由
それでは、黒字決算にするために「未払金などの計上を見送る」のはやめるべき理由というものを挙げていきます。
操作して黒字決算にしたことは銀行員にばれているから
「前期は赤字だったけど、今期は黒字決算だったよ。」というような決算報告を銀行員にすることもあるでしょう。
その際に銀行員から、
「今期は未払金や買掛金などの計上が少ないようですが。」と聞かれなかったから、
「意図的に未払金などの計上を見送ったことがばれていない。」と考えることもあるかもしれません。
とはいっても、銀行員が決算書を分析する際には「3期分の決算書を並べて格付けなどを行なう。」ので、
「今期だけ未払金が計上されていない。。。」といったことや、
「いつもよりも買掛金の計上額が少ないな。」 というようなことは簡単に把握することができるといえます。
ましてや、ありきたりな数字の操作というのは、
「銀行員が財務分析をするまでもなく、財務分析を行うシステムの方から注意を受ける。」ということもあるものです。
なので「未払金などを計上せず黒字決算にした。」というようなことを、銀行員は把握しているといえます。
そして「手間だなぁ。」と考えながら過去の業績推移から適正な未払金額などを算出し、財務分析などをしているものなのです。
新規融資の実行が厳しくなるから
「未払金などを計上せずに本来は赤字なところを黒字決算にした。」
というようなことに気がつくと、
「もう一度社長にヒアリングしてみるか。」 というようなことを銀行員は考えるといえます。
なので、銀行員というのはこのような未払金などが計上されていない決算書の場合には、
「決算書の詳細な資料を求めて質問をしてくる。」ということもあるものです。
その際に「実は赤字決算になりそうだったから、ちょっと未払金や買掛金などを計上するのやめたんだ。」
などというようなことを言ってしまうと、より銀行員からの心象が非常に悪くなるといえます。
そして、銀行員からのヒアリングで納得ができる回答をできなければ、新規融資を受けづらくなるともいえるものです。
また、銀行員というのは「この決算書に未払金などが計上されていない理由を社長に聞いてみよう。」ということを思わなくはありませんが、
「ヒアリングも手間だし、なんか怪しいから格付けの評価を落としておくか。」
と社長に確認することもせずに「じぶんの判断で決算書の評価を落としていく。」ということもあるものです。
このように「未払金などを計上しなかったことによって、銀行評価が下がり新規融資も受けられなかった。」
というような「銀行対策をしたはずの決算書で銀行から嫌われてしまった。」ということも起こり得るといえます。
本来の業績を見失うから
たしかに「前期も赤字で今期も赤字になりそうだから、未払金や買掛金などの計上を見送る。」
というような形跡のある決算書は少なくないといえるかもしれません。
とはいっても、このような決算書における操作というのは銀行員からすると、
「あの会社はつまらない粉飾をしている会社だ。」と認識してしまうものなのです。
また「計上しなかった未払金などの出口戦略。」というのも難しいものでしょう。
「翌期の決算が好調でうまく利益調整ができた。」ということになれば、出口戦略としては成功だといえるかもしれません。
しかし「翌期の業績も良くないから、また未払金などの計上を見送っていく。。。」
というようなに「粉飾解消の先送り。」をして、未払金や買掛金などの未計上の金額が膨らんでいくことも起こり得るものでしょう。
そして、粉飾決算というのは「それに毒されてしまい本来の姿を見失う。」ということもあるものです。
本来は赤字にも関わらず、(粉飾をした)黒字の決算書をみると、
「うちは黒字決算だしなぁ。」と勘違いをすることもあり得るといえるでしょう。
さらに、銀行からは「粉飾決算をしている会社。」とみなされ融資が受けづらくなることもあるものです。
なので「買掛金や未払金などの計上を見送り黒字決算にする。」といったような、つまらない決算のつくり方すべきでないといえるでしょう。
「今回だけだから。」と安易に粉飾決算をしてしまうと、その沼から抜けられなくなってしまうといえますから。
まとめ
「経費を減らして黒字決算にして資金調達を。。。」
という気持ちもわからなくはありませんが、そのような対応が墓穴を掘るともいえなくありません。
【おわりに】
平日はいつもそれほど混んでいないお店も、今日はひとが多かったです。
みんなずっと働いていればいいのに。。。なんてね。
【一日一新】
兵隊家の天丼