売上高だけを重視しても儲からない。だからこそ、ひとり当たり粗利益を意識すべき

売上高が大きいほうが、銀行から受けられる融資金額は多くなる傾向があります。

だからといって、売上高が大きいからと儲かっているともいえません。

本当に儲かっているかどうかは、ひとり当たりの売上高や粗利益で確認してみましょう。


あざみ野駅@たまプラーザ駅のとなり


売上高だけを追っていても銀行の評価は上がらない


「うちの年商は1億円あるよ(従業員20人)。」

「いやーすごいなぁ。うちは年商2,000万円だよ(従業員1人)。」

というように、事業をしている人と会うと、

「隣の売上はいくらなのか。」という話題になることってありますよね。

そのような話をすると、「売上高が大きい方がなんとなく勝った感。」というものがあるかもしれません。

たしかに事業性評価などとして、まず挙げられるのは「売上金額がいくらなのか。」ということになります。

しかし、売上高というのは評価の入り口にはなりますが、それだけでその事業の価値が決まるということはありません。

生き残っていく事業というのは、

「売上高ではなく利益をどれだけ生むことができるのか。」ということだといえます。

その利益を生み出し、お金を残すということが大切だといえる経営では、

「ひとり当たり売上高やひとり当たり粗利益。」といった指標を確認していく、ということも大切なことのひとつです。



ひとり当たり売上高でじぶんの事業を掴む


居酒屋などで年商の話をしていると、どうしても売上高が大きいという話の方が勝ったような感覚にはなるかもしれません。

しかし、事業で大切なのは「お金や時間をうまく残す」ことができたかということです。

その指標の一つが、ひとり当たり売上高というもの。

ひとり当たり売上高をどのように計算するのかというと、以下の計算式になります。

売上高 ÷ 従業員数 = ひとり当たり売上高

この従業員数というのは、一般的には正社員は1人としてカウントし、アルバイトなどの従業員は0.5人として計算します。

たとえば、年商が1億円で正社員数が15人。アルバイト従業員数が5人の場合のひとり当たり売上高は、

年商1億円 ÷ 従業員数17.5人 = 約571万円

ということになります。

従業員を増やすと、売上は増えていくような印象もありますが、

「従業員を増やすことによって、ひとり当たり売上高はどうなるのか。」

を予測してみるというのは大切なことです。

「従業員も増えたし、売上高も増えたなぁ。」

と思っていても、それほどひとり当たり売上高が増えおらず、

「人件費などの経費が経営を圧迫している」ということもありえるものです。

「売上高は増えているのに、実は利益がそれほど増えていない。」

という原因が、ひとり当たり売上高を確認することで判明するということもあります。


ひとり当たり粗利益で実態を掴む


売上高よりもひとり当たり売上を計算することで、見えてくるということはあります。

しかし、業種によってひとり当たり売上高は、大きく異なってくるものです。

なので、「隣の会社」と比べるにはひとり当たり売上では、実態を表していないということもあります。

たとえば、不動産販売業であれば1ヶ月のひとり当たり売上高が5,000万円や1億円ということもありえるでしょう。

また、美容室業などではひとり当たり売上高は100万円などということもあるかもしれません。

そうすると、「そもそもひとり当たり売上高が大きい業種の事業」をやったほうが、儲けがあるように感じてしまいますよね。

世の中には様々な形態の事業があり、

「売上高は大きくなりにくいけれども、売上原価の金額も小さい。」といったような業種があれば

それとは反対に、「売上高の金額は大きくなるけれども、売上原価の金額も大きい。」

というような業種も存在します。

なので、ひとり当たり売上高を確認するというよりも、

「ひとり当たり売上高から、ひとり当たり売上原価を差し引いた、ひとり当たり粗利益。」

の金額を確認するということが、より重要になってきます。

そんな、ひとり当たり粗利益の計算方法は、以下のようになります。

粗利益 ÷ 従業員数 = ひとり当たり粗利益

たとえば、先ほどの正社員数が15人。アルバイト従業員数が5人で、粗利益が4,000万円の場合のひとり当たり粗利益は、

粗利益4,000万円 ÷ 従業員数17.5人 = 約228万円

ということになります。

ひとり当たり粗利益を計算してみることで、

「売上高が大きいけど売上原価も大きいという業種。」と、

「売上高は小さいけれども売上原価も小さくていい業種。」

を比べてみても、それほどひとり当たり粗利益の金額は変わらないということもあります。

ひとり当たり粗利益を確認することで、

「ひとり当たり売上高は目標金額を達成していたけど、値引きが多く、ひとり当たり粗利益が低い。」

というようなことも確認でき、事業のどこに問題があるのかといったことを、より深く探ることができるようになります。


まとめ


どうしても、売上高の大きい業種の方が小さい業種よりも、儲かっているようなイメージがありますよね。

そして、売上高が大きい事業の方が、銀行融資を受けられる金額も多くはなります。

とはいっても、売上高が大きいというのは運転資金も大きくなることも多いので、必ずしも儲かるというわけではありません。

事業を始めたなら、単純な売上高にだけに惑わされず、

「ひとり当たり売上高。」や

「ひとり当たり粗利益。」を確認して、じぶんの事業の実態を掴んでいきましょう。


【おわりに】

税理士が電子申告というものをするのに必要なカードが更新されたのですが、申請方法はめちゃくちゃ簡単でした。

ただ受け取りは「わざわざ」郵便局に行かなければならないんですよね。

マイナンバーもそうですが、もういまの時代カードはなくてもいいんじゃないかなぁと。


【一日一新】

ある玉子もやし炒め

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